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萬呪事引受協会の正式協会員になりました。

魔法と言う未知の力が自分にあると知った時心の中に幸福感が溢れた。

何に於ても自信のなかった自分の中にある力の存在。私は水に対する親和性が特に高くまずは水属性魔法のから覚えることになった。

魔法学の授業で魔女が使うのが魔法で魔法使いが使うのが魔術だと教わった。

魔法は神から与えられた奇跡の力。魔術は空気中に漂う魔素を複雑な数式にした魔法陣に集めて魔法に近い力を発動させるものらしい。協会は、研究と研鑽を磨き魔術と言う法則を編み出した人々に敬意を表しているが、魔術師や魔法使い達は魔女達にいい印象はないらしい。

「魔女に敬意を示す魔術師達は少ないわね、」

何故かと座学の教諭に問えば、

「自分達が時を重ねて産み出した力を何の苦労もなく使える事が気に入らないんだそうよ、それに、魔女はその名の通り女が多いけど、魔術師は男が多いからね、自分より優れている女は許せないんじゃない?いつの世だって女は下に見られることが多いし。そんなの神に言えって~の!」

との少しばかりぞんざいな言葉が返ってきた。

教諭は更に続け、

「魔術師の中には神に呪いの言葉を吐く者もいたわね。何故贔屓するのか、自分は真理を求めているのに!とか言ってくる“とんちんかんヤロー”もいたみたいだけど、そんな輩には自分達の壮絶な死に様を見せれば嫌でも黙る。人の心を砕くには擬似体験させればいい。大体、心が折れるから。そう思うと私達は本当の意味で心が折れなかった。魂は汚されなかった。」

と教えてくれた。

「一番厄介なのは、過去に私達を殺しておいて後の転生先で魔術師になった者ね。彼らは自分の行いをかなり高い棚に上げといて、潜在意識の中に魔女を忌々しく思ってるくせに、魔女を助けることが出来るのは過去を悔い改め、魔術師として転生してきた我々だけだ!って大義名分を掲げて、人としての人生を選び普通に暮らす魔女に優しく近付いて洗脳しようとするの。」

人としての人生を選んだ魔女は魔法を使えないはずだから、従わせても意味がないのでは?と問うと、

「彼等は、私達の魂こそが魔力の源だと考えていて、抑圧された力の解放こそが人を選んだ魔女の幸せだと歌って肉体から無理矢理魂を抜こうとするの。抜かれた魂は、その瞬間神の元へ召されるだけなんだけど、問題なのは、空っぽの肉体には魔術師達の悪意から形成された邪悪な精神体がとり憑きやすいってことね。私達の魂って少なからず傷を負っていて前世で殺される度、死ぬ度に人を怨み、呪いながら俗に言う魔王になるの。で、狩魂部が駆り出される事態になる。」

ぎょぎょ!

ま、魔王?スケールが大きくなってきた。

「邪悪な精神の大きさによっては、狩魂部何人かで対処しなくちゃならない案件ね。」

大変なんだなぁって、思ったけど、他人に自分の前世が受けた所業を追体験させる魔法は高難度らしいから前世絡みの魔術師に絡まれた時には速やかに協会へ連絡とのことだった。

因みに前世絡みの魔術師は、見た目でバレバレなのだそう。“黒い何か”を背負ってご登場すると決まっているそうだから。


1年の研修期間を終えて私の配属先は解呪部となった。世界各国、津々浦々から持ち込まれる奇々怪々な事件に呪いや魔術が関わっていないかを調査し解決する部署だ。

私は、魔法はまだまだ新人だから総務部の総合受付から回ってきた案件を細かく分析するのが仕事の中心だ。大きなふるいは総合受付がしてくれるけど、その先が私の仕事だ。これは呪いだと思い込みが激しい人の対応は総合受付が担ってくれているけど、一度呪いだと思い込み過ぎて自分に呪いを掛けた案件が回ってきたこともあった。

思い込みって、解くのが大変。その人の性質もあるけど、何にせよ、広い視野と見識は必要ってことだよね。

「だから、あの子が、彼と私の仲を邪魔してるんです!」

今も受付の前には、思い込みと勘違いを訴えている女の子。ロザリー、頑張れ。

そんなこんなで、忙しく働いている私は、今日もキキョウさんとご飯を一緒にする。彼との過去はまだ思い出せないけど。無理はしないでと言われたから自然の流れに身を任せている状態だ。

けれど、キキョウさんに対して芽生えた小さな花の蕾は確かに存在していて、近い内に花を咲かせそうだと思うこの頃。

幾度の転生で傷付いたはずの私の魂は、協会が仲間が救ってくれた。

人の生を選んだ魔女達が少しでも幸せになれるよう頑張りたい。

新人魔女は、そう思うのです。



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