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紗奈と安心の物語  作者: たい


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写真の思い出


第三十二話では、湖での思い出を振り返る四人の様子を描きます。


楽しかった時間は、帰った後も心を温かくしてくれます。



湖へのお出かけから数日後。


四人のグループチャットは、相変わらず賑やかだった。


⸻


美咲が最初に写真を送ってくる。


「見て見て!」


そこには湖を背景にした四人の写真が写っていた。


⸻


「いい写真ですね」


悠斗が返信する。


「さすが撮影担当」


紗奈もスタンプを送った。


⸻


莉奈も写真を見ながら笑顔になる。


湖。


遊歩道。


展望台。


どれも楽しい思い出だった。


⸻


その日の夕方。


四人は駅前のカフェで待ち合わせをしていた。


久しぶりの集合だった。


⸻


「写真、いっぱい見返しちゃった」


美咲が言う。


「私もです」


莉奈が頷く。


⸻


悠斗はスマートフォンを取り出した。


「実は現像してみました」


そう言って数枚の写真をテーブルへ並べる。


⸻


「すごい!」


美咲が目を輝かせた。


紗奈も感心する。


「やっぱり印刷すると違うね」


⸻


写真には四人の笑顔が写っていた。


湖を見ている姿。


遊覧船に乗っている姿。


ベンチで休憩している姿。


どれも自然な表情だった。


⸻


莉奈は一枚の写真を見つめる。


湖を背景に四人で並んでいる写真だった。


思わず笑顔になる。


⸻


「どうしたの?」


紗奈が聞く。


莉奈は少し照れながら答えた。


⸻


「この時、本当に楽しかったなって」


その言葉に三人も笑顔になる。


⸻


「また行こうね」


美咲が言う。


「うん」


紗奈が頷く。


「ぜひ」


悠斗も笑った。


⸻


しばらくすると話題は次のお出かけへ移った。


秋になったらどこへ行くか。


紅葉を見に行くか。


少し遠くまで足を延ばすか。


⸻


「考えるだけで楽しいですね」


莉奈が言う。


少し前の自分なら考えられなかった言葉だった。


⸻


紗奈はそんな莉奈を見て微笑む。


不安そうだった少女は、


少しずつ前を向けるようになっていた。


⸻


窓の外を見る。


夕陽が街を優しく照らしている。


今日も穏やかな時間が流れていた。


⸻


安心できる場所。


それは特別な場所ではない。


こうして笑い合える仲間がいる場所。


そのことを四人は少しずつ実感していた。



第三十二話のテーマは「思い出を残すこと」です。


写真はその瞬間を閉じ込めるもの。


そして見返した時に、その時の気持ちまで思い出させてくれるのでした。

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