第八話
蒼太「紡、農園が成功したのは優秀な部下のおかげなんだね。」
紡「ええ。」
「主人公はチンパンジーらしく行動しただけです。」
「部下が勝手に『領主様の深いお考えだ』と解釈して発展させているのでしょう。」
蒼太「なるほど。」
「じゃあ、そのまま『チンパンジー領、大発展』してもらおうかな。」
紡「ずいぶん雑な指示ですね。」
蒼太「だって部下が優秀なんでしょ?」
紡「……否定できません。」
「今回は『領主は何もしていないのに、領地だけが勝手に発展していく』を書いてみます。」
***
第八話 チンパンジー領、大発展
黄金バナナは北方領の名物となった。
「領主様のおかげだ!」
誰もが口をそろえた。
しかし本人は今日も木の上で昼寝をしていた。
「ウホ……。」
家臣たちは毎日、領主の様子を観察していた。
「今日は川を見ています。」
「何か意味があるはずです。」
実際は喉が渇いていただけだった。
「なるほど!」
「川を利用した用水路です!」
翌月。
領地には立派な水路が完成した。
数日後。
チンパンジーは岩の上に座っていた。
実際は日向ぼっこである。
「岩場を開拓せよという合図だ!」
採石場ができた。
さらに翌日。
木の上から遠くを眺めていた。
「防衛施設の建設だ!」
見張り台が完成した。
半年後。
北方領は王国屈指の豊かな領地へと生まれ変わっていた。
本人だけは最後まで理由を知らない。
「ウホ?」
***
蒼太「勘違いもここまで行くと芸術だな 」
紡「ええ、ここまで来ると、もはや芸術です(笑)。」
「主人公がチンパンジーだから、優秀なのは周囲でなければならない。 」
「もう「勘違い系」というより、「勘違いで文明が発展する物語」ですね(笑)。」
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