第六話
蒼太「紡、前回で話の1/4を終えたわけだが、あとは領地経営とざまぁの二つしか残っていない。」
紡「さらっと言っていますけど、そこからが作品の本番なんですが。」
「学園生活もまだ始まったばかりですよ?」
蒼太「もう学園生活ですることなさそうだし、今日のタイトルは『領地を押し付けられる』にしようか。」
紡「展開が早すぎません?」
蒼太「テンポ重視。」
紡「便利な言葉ですね……。」
蒼太「ただし、押し付けられる領地は悪役令嬢の実家。」
紡「…………。」
「とうとう巻き込みましたか。」
「彼女、まだ嫌味を二回言っただけですよ。」
蒼太「活躍してないし。」
紡「その理由で実家ごと巻き込まれる悪役令嬢、初めて見ました。」
「分かりました。」
「今回は学園がチンパンジーを追い出したくなる理由を考えます。」
***
第六話 領地を押し付けられる
学園最強。
その噂は瞬く間に王都中へ広まり、数日後、学園長は王城へ呼び出されていた。
玉座の間には国王、宰相、そして数人の貴族が集まっている。
「例のチンパンジーについて報告を。」
宰相に促され、学園長は深く頭を下げた。
「実力は疑いようがありません。しかし……。」
「授業中に木を見つければ登り、果物を見つければ追いかけます。」
「教師が止めようとしても誰一人追いつけません。」
もちろん本人に悪気はない。
森で暮らしていたチンパンジーにとって、それが当たり前だからだ。
しかし学園では、それが一番困る。
宰相は額に手を当てた。
「国の象徴とも言える知恵の実を口にした存在。」
「追い出せば国民は納得せぬ。」
「しかし、このまま学園へ置いておくわけにも……。」
重苦しい空気の中、一人の公爵が静かに口を開いた。
「でしたら、我が北方領へ。」
視線が集まる。
「魔物の被害が絶えず、人手も足りません。」
「模擬戦で三年生代表を退けたほどの実力なら、領地の役にも立ちましょう。」
宰相は少し考え、ゆっくりとうなずいた。
「……よし。」
「褒美として領地を授けたことにしよう。」
「本人も喜び、学園も平和になる。」
誰もが満場一致で賛成した。
ただ一人。
その領地の公爵令嬢エリザベートだけは、まだ何も知らない。
翌朝。
荷馬車の荷台で、チンパンジーは一本のバナナを両手で抱えていた。
「ウホ♪」
こうして本人だけが何も理解しないまま、新たな生活が始まろうとしていた。
***
蒼太「今回は結構きれいにつながったね。」
紡「ありがとうございます。」
蒼太「あと悪役令嬢。」
紡「はい。」
蒼太「ドンマイ。」
紡「まだ何もしてないんですけど。」
ご意見やご感想、評価をいただけると執筆の励みになります!画面下の「☆☆☆☆☆」から、作品への応援(ポイント評価)やブックマークをぜひよろしくお願いします!
【完結まで毎日0時10分に更新します(ストック執筆済み)】




