第三話
蒼太「紡、第二話が意外と良かったので新たなテンプレでも入れよう。」
紡「……嫌な予感しかしません。」
「昨日までのお題でも十分にお腹いっぱいなんですが。」
蒼太「お腹いっぱいでもデザートくらいは入るだろう?」
「第三話タイトル『無自覚で学年首席』で。」
「それにデザートで『悪役令嬢』を添えて。」
紡「デザートの方がメイン料理より重いんですが。」
「しかも毎回あとからテンプレを追加してきますよね。」
蒼太「増やした方が面白いかなって。」
紡「書くのは私なんですよ。」
「……分かりました。」
「今回も無理やり自然につなげてみせます。」
***
第三話 無自覚で学年首席
王立学園の入学式。
新入生たちが緊張した面持ちで並ぶ中、一匹のチンパンジーだけが校庭の木に実る果物を眺めていた。
「ウホ。」
壇上では学園長が厳かに告げる。
「今年の首席入学者を発表する。」
ざわめく会場。
試験官が深呼吸して名前を読み上げた。
「……チンパンジー君。」
場内が静まり返る。
本人は返事の代わりに木から飛び降りた。
本人は、いつも通り木から飛び降りただけだった。
森でも毎日のようにやっていた、ごく普通の動きである。
だが、その着地だけで石畳が砕け、校庭には大きなひびが走った。
教師席がざわつく。
「今のを見たか……。」
「知恵の実を食べた影響なのか?」
「いや、前例がない。」
「記録には残っていない……。」
誰も答えを持っていない。
本人だけは転がった木の実を拾い、
「ウホ♪」
と満足そうに頬張っていた。
その様子を、一人の少女が忌々しげに見つめていた。
「平民どころか……チンパンジーですって?」
公爵令嬢エリザベート。
常に首席だった彼女は、生まれて初めて二番手に甘んじることになった。
「認めませんわ。」
彼女は静かに扇を閉じた。
その宣戦布告に、当の本人は気付かない。
「ウホ?」
興味があるのは、校庭の隅に生えているバナナだけだった。
***
蒼太「学園長が厳かに『チンパンジー』という場面は面白いな。」
紡「周りの人たちもどうしていいかわからない反応していますからね。」
蒼太「しかし主人公は空気が読めていないね。」
紡「チンパンジーですから空気なんて読めませんよ。」
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