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第十五話

蒼太「紡、昨日のだと無茶ぶりした感が足りないんだよ。」

紡「それ、昨日じゃなくて私に言うんですか。」

蒼太「なので今回のタイトルは『真実が明らかになる』でどうだ。」

紡「はい。」

蒼太「とびっきり大きな驚きがある真実ほどいい。」

紡「……急に難易度が跳ね上がりましたね。」

「しかも十四話目で。」

蒼太「無茶ぶりだから。」

紡「否定できません。」

「分かりました。」

「読者が『それは予想してなかった。』と思える真実を考えます。」


***


第十五話 真実が明らかになる

王都へ、一通の報告書が届いた。

『北方領に確認された子どもの魔物について』

宰相は何気なく目を通し、次の瞬間、立ち上がった。

「……馬鹿な。」

「どうされました?」

国王が尋ねる。

宰相は震える手で古びた書物を開いた。

そこには、一枚の絵。

小さな体。

丸い耳。

そして額に刻まれた、三日月の紋章。

「間違いありません。」

「災厄の魔王……幼生期の姿です。」

王の間から音が消えた。

グランベル伯爵の顔から血の気が引く。

「ま、魔王だと……?」

「数百年前、一国を滅ぼしかけた伝説の魔王。」

「幼いうちは無害ですが、成長すれば王国を滅ぼす力を持つと言われています。」

宰相は静かに目を閉じた。

「そして今……。」

「その魔王は、チンパンジーと暮らしています。」


その頃、北方領。

「キュ!」

「ウホ!」

魔王は木の実を投げる。

チンパンジーは笑いながら投げ返す。

やがて二匹は温泉へ飛び込んだ。

「キュー!」

「ウホーーッ!」

湯しぶきが上がる。

領民は少し離れた場所から見守っていた。

「……平和ですね。」

「ええ。」

「世界で一番危険な魔王とは思えません。」

一人の老人が静かにつぶやく。

「領主様は最初から知っておられたのでしょうか。」

誰も答えられなかった。

もちろん。

本人だけは、もっと分からない。

「ウホ?」

バナナを半分に割り、魔王へ差し出す。

「キュ♪」

世界が恐れた災厄は、嬉しそうに受け取った。


王都では、

「世界は終わる。」

と恐れられ。

北方領では、

「今日も仲が良いですね。」

と微笑まれる。

その違いを理解していない者が、一匹だけいた。


***


蒼太「魔王だったのね。」

紡「魔王でした。」

蒼太「ずいぶん、とびっきり大きな真実を持ってきたね。」

紡「無茶ぶりでしたから。」

 「驚きは大きく、でも主人公は変えたくありませんでした。」

蒼太「だから最後までバナナを半分こしてるのか。」

紡「はい。」

 「王国にとっては災厄の魔王でも。」

 「主人公にとっては、一緒に遊ぶ友達です。」

蒼太「……チンパンジーだなぁ。」

紡「チンパンジーなんで。」


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【完結まで毎日0時10分に更新します(ストック執筆済み)】

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