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神様のおねがい  作者: もやしいため
第十四章:集う三神
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魔の極致

進捗、ダメです!

むぅ…穂波のせいで恥ずかしい目に遭ったじゃない。

というか理熾君もそんな『いつものことだね』的な目で見るのはやめてよ。

これでも五年もこの世界の先輩なんだからさ。


穂波の時みたいに自己紹介から始めるかな?

あたしは術神(じゅつしん)綾瀬(アヤセ)詩織(シオリ)

穂波と同じで神様にヴァルトルの北へ飛ばされて、魔境から逃げ延びてギルドで実力つけてから今の地位に居るって感じ。


ん?

役職は別にどうでも…あ、わざわざ『地位』って言ったからかな?

誰にでも欲しがられる戦力と、色々と使い勝手の良い年齢と性別。

いつの間にか誰かが擦り寄ってきて『一人ではいられない』のを理解してるだけだよ。

この辺は穂波も色々あったみたいだしぃ?


苦笑いを浮かべながら穂波を見ると似たような顔をしてた。

やっぱりね、と内心呟くのは、どの世界でも同じだなって思ったから。

日本でも特定の部活に入ってなかったあたしたちは、ちょくちょく『助っ人』の要請と『部活への勧誘』を受けてたからね。

一緒にするのはダメかもしれないけどさ。


あ、ちなみにお金がかかるクラブチームってヤツだよ?

『入ってくれるならただで良い!』とか言われてたけどさ。


そういえば穂波と一緒に出たバスケの大会で優勝候補破っちゃって大変だったなぁ…。

『こんなの先生がやるんじゃないの?』とか文句言ってた理熾君が、観客席からあたしたち二人にこっそり指示(サイン)出してたから実質六対五だったんだよね。

コートを上から見て指示出すとか、小さな地区大会じゃ考えられないから誰も気が付かなかったけどね。


思わず笑ったあたしに理熾君が不思議そうな顔をする。

ふふ、あの頃は楽しかったね、と声には出さずに話を続ける。


「今はカセレスの上から数えた方が早い地位にいるけど、そのせいで簡単に動けなくなっちゃった」


理熾君相手に『てへ☆』と可愛げを見せると、詩織が横でニヤニヤしてる。

うん、ちょっとカチンと来る。

ジリッと近付くあたしに、詩織はサッと退く…むぅ、相変わらず察しの良い…。

ともかく、あたしも簡単に喧嘩できる立場じゃなくなったのは悲しいね。


「いっそのこと国取りでもする?」

「おっいいね、理熾君が国王なら手伝うけど?」

「領主の次は国主と聞いて!

 私右大臣するから、詩織が左大臣ね!」


「え、意味わかんない。

 何で僕が治めないといけないのさ…今ですら人任せなのに」

「周囲の頑張りが違うのですよ奥さん」

「うんうん、ガッツリやったりますか?」


「…っていう冗談はともかく。

 中途半端に高い地位が邪魔だから何とかしようね。

 それで手始めに魔境攻略するからステータス教えてくれる?」


せっかく楽しんでた話題を理熾君はさっさと切り上げてしまう。

まったく、せっかちさんになったなぁ。

…いや、あんな過酷な目に遭えば誰でも生き急ぐかもしれないね。


▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

名前:アヤセ シオリ

年齢:17

職業:魔の極致

Lv :133


スキル

パッシブ

魔力操作Lv17

魔量苛烈Lv11

魔術指南Lv7

戦闘指導Lv5

効果甚大Lv5


アクティブ

神気Lv21

神圧Lv12

神眼Lv6

臨界突破Lv13


ユニーク

神使(しんし)Lv12


神術Lv23

 ・人界の君臨者(心酔拡散:パッシブ)

 ・逢魔の顕現者(環境支配:パッシブ)

 ・色彩魔法(術式組成異常:パッシブ)

 ・魔術回路(魔法並列励起:パッシブ)

 ・魔装転化(魔力具現化:アクティブ)


加護

神術の福音(エヴァンジェリン)

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽


「あ、ありえない…」


理熾君はそんなことを言って改めて突っ伏した。

いや、むしろ穂波の方が高いのがありえないんだけど。


魔法って攻撃範囲が広いから、魔法士は大規模戦闘に必ず引っ張り出される。

その場合の役目は、超遠距離からの狙撃、または広域殲滅能力。

術神と呼ばれるあたしの射程・攻撃範囲は誰よりも広く、その分多くの目標を撃破できる。

つまり近接戦闘を強いられる、ユニークスキル【戦神】よりも経験値回収率は遙かに高い…はずなんだけどね。


いくら部隊から経験値巻き上げられても、あたしはそんなに魔境防衛(しごと)をサボった覚えないんだけどなぁ。

内心でぼやくのは、このLvになるとさすがに上がりにくくなるから。

あのネーブルって人が言ったように、100を越えれば人外と呼ばれるのは伊達じゃない。


あたしや穂波なら中層や深層で戦えても、ひっきりなしに魔物が襲ってくる魔境では『戦力』よりも主に『持久力』が試される。

一人がいくら強くても意味はなく、個人では集団に勝てないのは当然で、そうなるとこっちも数を用意して押し返すしかない。

結局部隊を率いて魔境に挑むことになり、戦線を維持しながらだと浅層までが限界で、中層に至る前に撤退するばかり。


浅層に居る魔物のランクがいくら低くても、人と魔物では根本的な能力が違う。

こっちは負傷一つで戦線離脱を余儀なくされるから手傷を許されず、生死がかかっている魔物たちはただひたすら全力で攻撃を加えてくる。

どれだけ強靭でも、負傷ゼロ(ノーミス)を要求される部隊員(メンバー)の心労は酷いもので、結局この辺りは堂々巡り。

誰も彼もが『帰る場所』を守るために戦っているし、むしろ『帰るため』に必死なんだからね。


おっと…理熾君みたいに横道に逸れちゃった。


「セリナ、これが『迷い人』の非常識さ(・・・・)だ」

「え、えぇ…これだけ桁違いだと思わず笑えてくるね…」

「待って待って、僕も入れるのストップ。

 さすがにこんな非常識なステータスじゃないからさ!」


「煩いわ非常識代表!

 ユニーク四つ持ってる時点で頭おかしいんだよ!」

「配下から冷たい言葉を投げ掛けられてるッ!?」


こんな領主と部下が居るラボリってゆるくて良いなぁ…思わず頬が緩むのは仕方ない。

命の危険に晒される最前線では、こんな余裕なんて無かったから…。

仲間でも…いや、仲間だからこそ、命を預かるお互いが緩むなんて許されなかった。

国に帰っても色々な書類仕事に奔走したし…って、あれって全部文官のサボりじゃん。

あぁ、ダメだ…気を張ってた分、愚痴がぽろぽろ零れちゃいそう。


「ふふっ…理熾君ってば相変わらずだね」

「再会してからそればっかり…まったく。

 ほら、穂波はおいといて詩織はスキルの説明始めてよ」


「うっわーひっどーい」


ケラケラ笑う穂波の幸せそうな顔を見ながら、理熾君は「はいはい」と適当に流してあたしに向いた。

その真剣な視線にドキドキさせられるけど…きっと『詩織(あたし)をどうやって使うか』とか考えてるんだろうなぁ。

お読みくださりありがとうございます。


今度は詩織のステータス。

見知らぬスキルのオンパレードだと思いますので考えてみてください!

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