↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険者ギルドの調査員  作者: 承塊
事件file No.1 『立ち止まっているだけでよかったのに』
PR
4/9

依頼内容、事件詳細

話があまり進んでないな?

資料室。

ここには今までの依頼内容や、依頼解決した時の冒険者からの報告書、ギルド内の書類関係のコピーなどさまざまな資料が保管されている。


いつもみたいに、特定の資料を探すのはとても大変だ。しかし、今回調査員として仕事を任せられたと言うことは、


「すみません。調査員のレナン・ハースです。事件調査のため、依頼内容と事件詳細の資料を受け取りに来ました。」

「あぁ…。例の事件ですね。こちらになります。」


資料室の受付が資料を渡してくれる。しかも1人ずつである。調査員に回ってくると言うことは、大抵は資料の用意ができているはずだ。できていなくてもなんらかの情報は聞いているはずだから、いつもよりも資料は見つけやすい。


「やっぱ調査員だと資料を見つけるのも早いっすよね〜。」

「それは本当にそうだな。いつもこんな感じに早ければ仕事も少しは楽になるんだがな。」

「先輩………。もうちょっとテンション上がる返し方してくださいよ。こっから大変なんすから!」


そう言われてちょっと反省する。確かに少し考えがネガティブすぎるか。


「すまんすまん。とりあえずこれ持って調査室に向かうか。」

「そうっすね!」


そんなことを話しながら受付の人にお礼だけして資料室から出る。


「とりあえず、昼飯までには依頼内容をまとめるか。今何時だ?」

「今は大体10時00分っすね!まぁ1時間ぐらいでまとめて早めの昼飯食べましょうよ!」

「そうするか。」


そんなことを話しながら歩いていけば調査室に着く。俺らが使えるのはっと確か調査室Bだったかな。


調査室に入り、資料と荷物を置く。


「先輩!とりあえずどうします?」

「まずは、10分ほどで依頼内容と事件詳細を個人で読む、その後、2人でまとめてある程度擦り合わせる。そんな感じで行こう。」

「了解です!」


2人とも椅子に座って資料を読み始める。まずは依頼内容からだな。


依頼内容

薬草の採取

薬草を規定量集める。


依頼者

冒険者ギルド


規定量

一人当たり薬草30個

規定量より20個ずつ多く持ってくれば報酬に上乗せする。


場所

ベラル平原を勧める。見通しもよく、スライムしか確認されていないため、安全である。

なおベラル平原で規定量を採取できない場合、ベラルの森を勧める。しかし、見通しが悪く、ベラル平原よりも危険な魔物がいるため、できればベラル平原で採取することを勧める。


報酬

一人当たり500ゴールド

上乗せ 100ゴールド


注意点

薬草の採取だけだと考え、十分な装備を持たない冒険者も多いため、しっかりと準備することを伝える。

また、ベラルの森で採取を行うときには魔物が茂みから現れることもあるため、注意すること。




ふむふむ。冒険者ギルドが出している薬草採取の依頼だ。


冒険者を始めたばかりの人向けに、簡単な依頼を出したりすることは多い。死ぬ可能性が低い依頼を何個も受けていって、だんだんと成長し、少しずつ危険な依頼も受けていくようになることが理想だ。そのため最初の簡単な依頼は冒険者ギルドから出すことは多い。


しかしこの依頼で死者が出たのか。ほとんど聞いたことがないな。


………なるほどな。なんとなく私たちに仕事が来た理由がなんとなくだが分かったかもな。


次に事件詳細か。


事件詳細

依頼を受けたパーティーは

『新星の旅路』 ランクD

パーティーメンバーは以下の通り。


ソル•レター 19歳 ランクD

(パーティーリーダー)

ダマン•リードル 21歳 ランクC

(死亡者)

アルハ•ハマサル 17歳 ランクC

ナラマ•レター  16歳 ランクD

ハル•ゼマレン  18歳 ランクD


4月23日、午前9時ごろに、薬草採取の依頼を受けすぐにベラル平原へ向かった。


しかし、薬草があまりなく、依頼で勧められていたベラルの森に向かった。


そこで薬草の採取を行っていたが、そこでソードゴブリンを筆頭とする、ゴブリンの集団が現れた。(ソードゴブリンが一体、ゴブリンが3体)


全員が戦おうとしたが、準備が不十分だと考え、ダマン・リードルが殿をつとめ、逃走を図る。ダマン・リードル以外は逃げることに成功した。


森の外でダマン•リードルが来るのを待っていたが、10分ほど待っても来ないため森に再度入り、捜索したところ、ダマン•リードルは頭を貫かれて死亡していた。ソードゴブリンたちは見当たらなかった。その後死体を回収して冒険者ギルドに向かった。


ソードゴブリンがいることは聞いていないため、このような注意点を伝えていない冒険者ギルドに落ち度がある。そのため保険金を要求するとのこと。


ソードゴブリンだと!?単体でもランクC相当だぞ!?しかも他のゴブリンがいたと言うことは少なくともこの集団はランクBになるレベルだ。少なくともベラルの森に現れるレベルじゃないな。


何回か読み直し、時間が来る。


「そろそろ擦り合わせよう。内容は入っていると思うから、疑問に思ったことを言い合おう。」

「了解です!まずは依頼内容なんですけど、

これ、ただの薬草採取ですよね?これで死人出るとか正直ありえないと思うんすけど…。」


そうなのだ。ほとんど聞いたことがない。薬草採取の依頼で死者が出るのは。


しかし、例外もある。危険な魔物が出ているだとか、盗賊がいるだとか、そんなことがあれば死者が出るが、今回はそんな情報もない。そんな情報があれば依頼情報に書いているはずだ。


「そこがいちばんの疑問だよな。しかもソードゴブリンが出たことも不思議だな。」

「そうっすよね…。正直ありえないっすよ。」

「近くでソードゴブリンが出現するところはどこだ?」

「ん〜………。近いところだと、多分洞穴迷路とかじゃないすかね?」


洞穴迷路。

ベラルの森近くにある洞窟だ。ここは、通路がかなり入り組んでいて、魔物がいつの間にか、かなり増えていることが多いため、依頼で魔物の掃討依頼が出ることがよくある。


ここなら出ないことはないが………。


「だとしてもベラルの森に来ることはほとんどないだろうな。」

「あとは、そうっすね〜。ダマン•リードルがなぜ殿を務めたのか、ぐらいすかね。気になるのは。」

「ん〜…。俺が他に気になったのは二つだ。」

「二つっすか!聞きたいっす!」

「一つ目は、なぜ死体を確認しに森に入ったのかだ。ソードゴブリンがいる可能性を考えたら、一度帰るべきだろう。」

「あ〜。確かにそうっすけど、急に魔物が現れて、1人が殿を務めてくれたおかげで逃げることができて、その1人が来なかったら、焦って死体確認に向かってもおかしくないんじゃないんすか?」


………確かに。ランクDのパーティーならあり得るか。


冒険者はギルドに登録するときにある程度の講義を受ける。その講義の中でメンバーが死亡したときにどう動くかについて教わる。基本的には、死体の回収をするが、危険生物が現れたり、死体回収をした後に命の危機がある場合は、諦めて帰ること、となっている。


ただ命の危機で完璧な判断ができるわけではない。こういった失敗を乗り越えて成長していくのだ。


「確かに。それはあり得るな。」

「そうっすよ。常に完璧な判断ができていたら死人は出ないっす。」


なんか負けた気分。と言うか納得してしまった。


「いったん二つ目についても話すぞ。二つ目は、"頭を貫かれて死亡していた"ってとこだ。」

「そこっすか?なんかおかしいっすか?」

「ゴブリンの身長っていくつぐらいだ?」

「ん〜………。あっ!なるほど!ゴブリンの身長は大体115cmが平均だから…!」

「そうだ。少なくとも頭に突き刺すのは難しい。しかも死んだのは男の21歳だ。ちゃんとした身長は知らないが、少なくともゴブリンよりは高いだろう。それがどうやって頭を突き刺すんだ?」

「確かにそこは謎っすね!」


まぁぱっとわかるやつはこれぐらいか。


カタルが、不思議そうな顔をしながら話す。


「にしても、確かにこれはただの事件とか事故とかではないっすね。」

「あぁ。ソードゴブリンが出たこともそうだが、ほとんどありえないからな。少なくともある程度人為的なものかもな。」


もうこれで保険金を渡すことはできないってことでよくないか?

そう考えていると、


「ダメっすよ!」

とカタルが言う。


「今、めんどくさーっておもったでしょ!もう保険金を渡さないってことでいいかって思ったでしょ!」

「え?なんでわかんの?」

「顔に書いてるっす!」


んなアホな。


「ちゃんと真実を見つけないと逃された人たちが可哀想っすよ!」


そうか?………そうだな。まぁそう思うのも無理ないか。こいつが死者が出る事件と関わるのは初だからな。


「悪いな。お前の言う通りだ。ちゃんと真実を見つけよう。」

「ふふーん。いい顔になりましたね!」


お前の方が先輩っぽいな。少し先輩風吹かせるか。


「カナン。」

「どうしたんすか?」

「期待してるぞ。」

「!………はいっす!」

次回から少しずつ進むはず。多分。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。