事件発生
ちょっと短めです。
事件が起きた。
起きてしまった。
これからのことを考えて、憂鬱になる気持ちを振り払わんと質問する。
「今回はどんな事件が起きたんですか?」
「パーティーの1人が魔物に殺されたらしくてな。その事件の調査を頼みたい。」
魔物に殺されただけ?ならば調査員が出向くほどのものじゃないだろう。魔物に殺されてしまうことなんて冒険者をしていればよくあることだ…よくあって欲しくないが。
「魔物に殺されただけですか?そんなよくある事故で、どうして調査が必要なんですか?」
「なんでもパーティーメンバーが死んだから保険金が欲しいらしい。」
なるほど。保険金絡みか。ならば調査員が出る必要があることもわかる。
冒険者として働くのならば人が死ぬことは起こり得るものだ。先日まで成果をたくさんあげていた、イケイケのパーティーでも次に見た時にはメンバーがいなくなって、いつの間にかパーティー解散なんてものもたくさん見てきた。
そのためメンバーが死んだとて、冒険者ギルドから何か支援があることは基本的にはない。
しかし、例外もある。それが保険金である。基本的に冒険者ギルドは依頼を受け、それを冒険者に斡旋することが主な仕事である。その際、依頼を受けたり、斡旋する時に少量のお金を徴収し、それを保険金として貯めているのだ。ちなみにらこの制度は王様が変わり、新しくできたものだ。今から四年前とかだったかな?
保険金制度があると言ってもただひとが死んだからもらえると言うわけではない。保険金がもらえるには条件がある。
一つ目 パーティーメンバーが1人以上、生活
困難な怪我を負ったり、死亡した場合
二つ目 依頼を受けた際、冒険者ギルドから受
けた説明とは、違っていた、もしくは
説明不足だった場合
三つ目 保険に加入していること
四つ目 人為的に起こした事故、事件ではない
こと
これらを満たしていれば保険金をもらうことができる。しかしこの制度ができた時は、三つ目までしかなかった。そのため、冒険者をパーティーに誘い、殺して保険金を受け取ると言ういわゆる保険金詐欺のようなものが起こったのだ。
しかし、その事件や事故が人為的なものか判別するのは難しい。特に、当人の話だけでは判断することはできない。
そのため、事件や事故の詳細を調べ、保険金をもらえるのか判断する人が必要だと言うことになった。
そんな仕事も行うのが調査員である。これ以外にもあるが、基本はこれがメインになる。
すると後輩が喋り始める。
「にしても珍しいっすね。基本こう言った事件はだいたい保険金渡して終わりになるじゃないっすか。」
「まぁよく聞け。そのパーティーのリーダー曰く、依頼を受けた際に聞いた説明と状況が違っていたらしい。ギルド側の不手際だから、保険金をくれとのことだ。しかし、その時の受付曰く、伝えるべきことはちゃんと伝えたとのことだ。」
なるほど不手際ね。聞いた説明と状況が違っていた、か。そして受付も伝え忘れたこともない、と。なるほど、分かってきたな。
「つまり、調査して欲しいのは本当にこちら側の不手際かどうかですか?」
「そうなるな。」
まぁよくあるやつか。保険金絡みと言うことは、込み入った事件とかではないのだろう。それだけがまだ救いか。
「今回の件をレナン•ハース、カタル•ウェディンの二名に任ずる。事件の詳細を調べ、真相を見つけろ。調査室はBを使え。」
「カナル・ウェディン、了解です!」
なんでこいつ元気なんだよ…。そう思いながら、返事をする。
「レナン•ハース、了解しました。」
私たちの返事を聞いて上司が去った後、カナンがワクワクした声で話し始める。
「いや〜久々の調査っすね先輩!」
「あぁそうだな。くそっ…今日は帰れなさそうだ。」
「いいじゃないっすか!面倒な雑務から解放されたっすよ!」
「………ポジティブに考えたらそうか?まぁとりあえず調べようか。」
「まずはどうします?」
「まずは依頼内容を聞きに行こう。状況を知らないと何もできないからな。」
「ま、そうなるっすよね〜。じゃあ資料室に向かいましょう!」
そんなことを話しながら荷物をまとめる。
さぁ事件を解決しよう。
次回から事件の詳細とかに触れていきます。




