閑話 続くもの
「今日から配属された、ニカイドウです。
来月定年退職されるキャップこと、
アサギさんの後任として今後私が総指揮をとります」
若い女性はそう挨拶した。
そして、さらに若い女性が挨拶をする。
「本日付で特捜隊に配属になりました!
オオゾノです!
よろしくお願いします!」
爽やかにミズノが二人に挨拶した。
セキグチも笑顔で挨拶をする。
だが、サワダとシマザキが渋い顔のままだ。
あまりにも早すぎる。
ヒロセがクビになることが予定調和だと言わんばかりだ。
サワダがおずおずと手を挙げた。
「発言の許可を願います」
「はい、サワダ君」
キャップがサワダの発言を促す。
「補てんは彼女一人、ですか?
決して、彼女を見下したり、侮ってはいません。
ただ、アイツの仕事量は少なくても六人分はありましたよ。
もう少し人員を増やしてもらわないと……」
「経費削減、だね。
私からも、再三増員を要求しましたけど。
なしのつぶてでした。
なんなら、僕の後がまの彼女も前線に出てもらえば、
とか言ってましたよ。
本部はどういうつもりなんでしょうね」
キャップは余程腹に据えかねているようで、
後半一人称がオフのときの『僕』になってしまっている。
慌ててニカイドウが補足する。
「人員を増やす予定はあるそうです。
ただ、すぐには難しいと」
「大丈夫。
ヒロセの穴が大きいのは俺だって理解しています。
編成を一から組み直して、
二班にも協力を願いに行きます」
ミズノがフォローするが、
シマザキは大きなため息をついた。
「ヒロセ代わりなんて、
五、六十人くらいいないと無理だと思うんですよ。
あのバイタリティと熟達した技はもはや芸術の域でしたからね」
サワダがそう言うと、
同意するように沈黙が返ってきた。
「上層部、何やってんだ」
とうとう耐えきれずシマザキがそう呟いた。
だが、誰もそれを咎められない。
「これからは、
俺たちで頑張るしかない」
ミズノがそう呟いたが、
その顔はそこまで思い悩んだものではなかった。




