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今日日の不良はカードからビーストを召喚するんだぜ?  作者: スカッシュ
第7章 正義の生徒会長、高渕清の信念! 編
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第83話

「ぐわぁぁぁぁ!」

 突如自分の前に現れた女子高生にいきなりぶん投げられた岩井。

 女たちは当然岩井の身を心配して一斉に集まり始める。

「「「「「克也様~!」」」」」

 その一方で岩井を投げ飛ばした女子高生にガンを飛ばす女性たちも多数いた。彼女たちの手にはすでに武器が握られている。

「お前! なんのつもりだ!」

「よくも克也様を! 許さない!」

「地獄を見せてあげるわ!」

 女子高生に向けられる複数の殺気。

 しかし女子高生は震えあがることもなく無表情を貫いている。

「ヌッマーン」

 急におかしな声を上げる女子高生。

 周りの女たちは首をかしげるが、岩井だけは彼女の秘密に気が付いた。

「なるほどな……そういうことか。いでよオーク!」「オックゥ!」

 オークを召喚した岩井はすぐさまビームを発射するように指示させた。

 女性を自分のしもべにしてしまうビームに当たりそうになった女子高生は大きくジャンプしてそのビームを避けた。

「跳んだ!?」

 女たちの誰かがそう言った。

 彼女は片足だけで1メートル以上もジャンプしたのだから驚きを隠せない。

人間らしかぬ身体能力だが、天井の低い場所でジャンプしたのがよくなかったのか、「うぎゃ!」という声を出しながら、頭を思い切りぶつけてしまった。

 その後床に体をぶつける女子高生。

すると不思議なことに彼女はまったく別の姿に変わってしまった。


 女子高生は、背丈の高い猿に変化したのだ。


「やはりビーストか……おそらく昨日現れたガキ共の仲間か……」

 突如として現れた猿の出現と同時に、周りにいた複数の女性たちが一斉に倒れ始めた。

「なに?」

 倒れたというよりも、すやすやと眠りについている様子だった。

「なぜ急にこんな?」

 ふと上を振り向くと、そこには一際大きい一羽の蝶が宙を飛んでいた。

 その蝶を見た瞬間、あれもビーストの類だと岩井は瞬時に察知した。

「猿だけでなく蝶までも……どれだけ僕の邪魔をすれば気が済むんだ!」

「そりゃ邪魔もするさ。貴様の悪行、絶対に許さないぞ」

 そこに現れたのは昨日見た眼鏡の少年だった。

 彼だけでなく、他にも二人の男女が嫁嫁クラブ内に集まっていた。

「よくやりましたねハヌマーン! こっちに来てください」

「ヌッマーン!」

「プシュケーもお疲れ様」

「シュケー」

 ハヌマーンと呼ばれた猿のビーストは東高生徒会書記、細山毅の元へ走り、プシュケーと呼ばれた蝶のビーストは東高生徒会会計の眞城咲の元へと飛んで行った。

「お前ら一体……何ものなんだ? あぁ!?」

 キレる岩井はそこらにあった酒瓶をテーブルに叩き付けた。

「僕たちは東高生徒会。貴様のようなビーストを悪用する人間を成敗するために来たんだ」

「けっ。何かと思えば正義のヒーローごっこかよ。そんなことしてもなぁ、将来なんの役にも立たないんだよ!」

 怒りに身を任せ、今度はテーブルを蹴り倒した。

「僕は今まで必死に必死に勉強してきた! 親に認めてもらうためになぁ! だけどダメだった! 社会に出た途端僕が学んできたことなんて1%も役に立たなかった! こんなのあんまりじゃあないかと思った時、僕は察したのさ。この世に勉学なんて必要ない。人間は自分のやりたいことを誰にも邪魔されず堂々とやって生きていた方が幸せなんだとなぁ! 勉強もロクにせずヘラヘラ笑っている不良共や劣等生共の生き方の方が正解だったのさ! だから僕は! オークの力で! 幸せに生きるって決めたんだぁぁぁぁぁ!」

 怒り狂う岩井はオークにビームを撃つように指示した。

 四方八方に発射されたピンク色のビームは、まだ眠らされていない周りの女たちに命中する。

 そして女たちは一斉に頭を垂れて、岩井の操り人形になった。

「あいつらを、殺せ……! 僕のバラ色の人生を邪魔する人間は根絶やしにしてしまうのだ!」

「「「「「「「「「「おまかせください、克也様!」」」」」」」」」」

 女たちの目線が高渕たちに向けられる。

 そんな複数の視線に臆することなく高渕は静かに口を開いた。

「自分のやりたいことか……確かにその信念に基づいて行動することは悪いことではないだろう。だが他の人たちはどうだ? 彼女たちだって何かしらの目標や信念があったはず。それなのにお前はビーストの力でその時間を奪っている。お前はお前の幸せのために他者の幸せを盗んでいる悪党に過ぎない!」

「社会のしゃの字も知らないクソガキがぁぁぁぁぁ! 偉そうに説教してんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

「そもそもあなたは僕たちには勝てない。なぜならもう勝負はついているからだ」

「なにっ!?」

 高渕の言葉を聞いた瞬間、岩井の周りにいた女たちは身動きが取れなくなってしまっていた。


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