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今日日の不良はカードからビーストを召喚するんだぜ?  作者: スカッシュ
第5章 美しきシスター、薬島博美の正義! 編
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第55話

 須藤と共に博美さんと一緒にいるであろう高渕の野郎を探すために教会の外に出たと同時に、強い風が吹き荒れた。

「うわっ! なんだこれ!」

 今朝のニュースではこんなにも強い風が吹くなんて言ってなかったのに、目を開けるのも辛いぐらいの突風が俺たちを襲う。

「どうやら会長がビーストを召喚したようですね」

「この風とあいつのビーストと何か関係があるのか?」

「あそこを見てください」

 須藤が指をさす先には一羽の鳥が空を舞っていた。

 しかしあの鳥、すいぶんと体が大きいな……

「ん? なんかあの鳥、こっちに向かって来てないか?」

 俺たちが立っている場所に向かって急降下してくる鳥の背中には一つの人影が見えた。

 鳥が下降すると同時に、その正体が徐々に明らかになる。

「高渕ぃ!?」

 上空と飛んでいた鳥の背中に乗っていた高渕は、ジャンプして俺たちのいるところに着地した。

「なぜ君がここに?」

「俺もここのシスターに用があって……じゃねぇ! 本当にお前もビースト使いだったのか!」

「だとしたらなんだというのだ?」

ゆっくりと地面に足を付ける鳥型ビーストに「それがお前のビーストか?」と指をさしながら言った。

「ふん、そうだ。これこそ僕の忠実なる僕、鷹のビースト・ガルーダだ」

 自分の所有しているビーストの紹介を終えた途端、高渕は俺の方を見てきた。

「さしずめ、君も自分のビーストを持っているということかな?」

「……ああ」

 俺はフェンリルのカードを出現させ、高渕に見せた。

「なぜ君のような人間がビーストカードを持っているんだ」

「こらこら聞き捨てならねぇな。『君のような』とはなんだよオイ。まるで俺がこれを持ってちゃいけないみたいな言い方じゃないか、えぇ?」

 俺はさらに続けて言ってやった。

「お前みたいなやつだってビーストカードを持っているほうがおかしいんじゃねぇのか? ビーストカードっていうのはな、絶望しきった人間の前に現れるもんなんだよ。お前みたいな完璧ピーポーが手にするなんてことはありえねぇんだよ!」

「何を言っている? これは神によって与えられた選ばれし者の証なのだぞ?」

「まったくその通りです」と須藤も同意するように首を縦に振る。

 たしかにビーストカードは絶望に満ちている人間を救うための希望となるために神によって地上にばらまかれた代物だとチェックが言っていた。

 こいつらとは縁のないものだと思うんだけどなぁ……

 もしかしたらこいつらも俺が知らない壮絶なる過去があったのではないだろうか。

 それにビーストカードが反応して所有者になったとか?

 まぁこいつらがビーストカードを手にした理由なんてことなんて今はどうでもいい。

 今まさに問題にしなければならないことは……


「逃がさないわよぉ……」


 怪しい笑みを浮かべながら鰐のビーストと共に俺たちの前に現れた博美さんをなんとかすることだ。

「高渕。事情はそこの副会長さんから聞いたぜ。なんだか知らねぇが俺とお前らは目的が一緒ってことはハッキリしている。気にくわねぇがここはいっちょ共同戦線と行こうじゃねぇか」

「共同戦線だなんて、ずいぶんと難しい言葉を知っているんだな。関心したよ」

「今のお前の一言でタッグを組んで戦う気が一気になくなったよ! お前絶対友達いないだろ! 昼休みは便所で飯食ってる奴だろ!」

「だまれ! 来るぞ!」

 博美さんのビーストであるセベクの口の奥から何かが発射された。

 それはソフトボールくらいの大きさの石だった。

 それも一つじゃない。数秒で何十発も連続して発射される石の数々はまるでマシンガンのようだった。

「うわぁぁぁぁぁ!」

 発射されるスピードも決して遅くはない。

 プロ野球の投手が投げるボールよりも断然速く、当たったら骨に亀裂が入るだろうと頭をよぎった。

「あんなんじゃ迂闊に近づくこともできねぇぜ!」

「策は必ずあるハズだ! 少しは考えて戦え!」

「ああもうお前うるさい!」

 ただでも苦戦を強いられているのに横からガミガミやかましいんだよ!

 だけど俺一人では敵わないのも事実だ。

 この状況、やっぱり俺と高渕のタッグで戦うしかなさそうだな。

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