表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日日の不良はカードからビーストを召喚するんだぜ?  作者: スカッシュ
第8章 史上最強のニート(自称)、徳名英樹の悪行! 編
103/112

第97話

「デュフフ! どんな手で来ようと、返り討ちにしてやるでつ!」

 紫色の液体があふれ出ている尻尾をふりふりと振りながら挑発してくる蠍のビースト。

 あのパピルサグというビーストの能力を打破する攻略法が明らかになったのだ。

 しかもそれは、意外とシンプルだった。

 陽介らしい深いことはあまり考えない作戦だった。

「よっし! いつでも行けらぁ!」

「おうよ! いくぜぇオラァ!」

 私と陽介は同時に気合を入れる。

 まず陽介は自分のビーストであるミノタウロスを前進させた。

「デュフフフ! wwwワラワラワラ! 馬鹿正直に突っ込んでくるとはアホの極みでつ!」

 やはりと言うべきか、ミノタウロスがパピルサグに接触する前に、パピルサグは尻尾を地面に突き刺した。

 つまりあそこはいま踏んだ瞬間毒に犯されるエリアになってしまったというわけだ。

 狙うは、あそこだ!

「陽介!」

「おうよ! とべぇ! ミノタウロス!」「ミノォォォォォ!」

 陽介の叫びと同時にミノタウロスはジャンプした。

 図体が重い分、精一杯の小ジャンプだが、十分だ。

「今だ! ヨルムンガルド!」「ガルドォォォォォ!」

 ミノタウロスがジャンプしたその直後、ヨルムンガルドは氷の息を吐いた。

 狙うはパピルサグ……ではない。

「な!? どこを狙っているでつ!? ノーコンでつか!?」

「ノーコン? 違うね! 私の、いや! 私と陽介の狙いはバッチリジャストミートさ!」

「なにぃ!?」

 私がヨルムンガルドで氷漬けにしたのはパピルサグが刺した地面だ。

 地面は氷によってスケートリンクのようにつるつる状態になる。

 その上に空中にいたミノタウロスがズシンと着地する。

「いけるか!? ミノタウロス!」

 陽介の声にミノタウロスは振り替えって大きく頷いた。

「よっしゃ! 狙い通り!」

「ああ! 作戦成功だ!」

「どういうことでつか!? たしかにそこはパピルサグの毒によって浸食したはずでつ! そこに足を踏み入れたら人間はもちろん、ビーストだって毒に犯されるのに! ……まさか!」

 相手さんもようやく気づいたらしい。

「氷を絨毯の代わりにしていることで、毒の地面を無効化した……?」

「そのとーり! やべー毒の上を歩いちゃだめならよぉ、その上に蓋を敷いてやればなんともないんじゃないかっていう俺の作戦よ! 名付けて『お好み焼き作戦』だ!」

「は? なんでお好み焼きなんだよ」

「え? いやだからさ、鉄板って熱いじゃん。だからその上にお好み焼きを焼いてだな……」

「うん。だからなんでそれがこの作戦の名前になってんだよ」

「だからよぉ。あの毒の地面が鉄板だとして、お前のヨルムンガルドの吐いた氷がお好み焼きだとするだろ? だからお好み焼き作戦なわけ」

「うん。わからん」

 相手の意表を突いたいい作戦だが、本当にこいつが考えた作戦なのかと思うほどに意味がわからなかった。

「まーいーじゃねーかよ。こうして相手さんに近づくことができたんだからよ!」

 間髪入れず、ミノタウロスの鉄拳がパピルサグに響いた。

「サァァァァグ!」

 ミノタウロスのパワーは私や永一、チェックたちの中でもトップクラスだ。

 たとえ甲殻に覆われている体でも、ミノタウロスの放つ一撃には耐えられるはずがない。

「おらぁおらぁ! どんどん殴るぜぇ!」

 両手拳を素早く交互に繰り出して、反撃の隙を与えることなく攻撃を繰り返す。

 徐々にパピルサグの甲殻には亀裂が入り、ついに壊れてしまったのだ。

「サァァァァグ……」

 堅い甲殻を失ったパピルサグの声が弱くなっていった。

 これはもう強制退場ビースト・アウト寸前だ。

「そ、そそそそそそそんなぁぁぁぁぁ!」

 自分のビーストがやられたのが予想外だったのか、お面野郎は絶叫した。

「こ、こんなのありえないでつ! チートでつ! さてはお主たちチートを使用したでつね! この卑怯者! チーター野郎!」

「あぁ? チーターだがジャガーだが知らねぇがな、これだけは言っておくぜ! 世の中はテメーの思い通りにならねぇことだってあるってことさ! ドヤァ!」

「いや自分でドヤァとか言うなよ」

 だけど陽介の言う通りだ。

 相手の戦法は見事だった。実際にこっちが不利になりかけたんだからな。

 奴に敗因があるとすれば、自分の力とビーストの能力を過信しすぎたってところかもな。

「さぁ。お前のビーストはもう消えかかってることだしよぉ?」

 光りの粒となって消えかかっているパピルサグをよそに、私は一歩ずつお面野郎に近づ

いていく。

「ケジメ、つけよっか?」

「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

 私は連続で奴の体をキックしまくった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ