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今日日の不良はカードからビーストを召喚するんだぜ?  作者: スカッシュ
第8章 史上最強のニート(自称)、徳名英樹の悪行! 編
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第95話

「デュフフ! 僕のニートライフの邪魔はさせないでつ!」

 蠍のビースト・パピルサグの特徴は何と言ってもあの長い尻尾だろう。

 その尻尾の先はとがっていて、先端から紫色の液体がポタポタと滴っている。

 あれはもう見るからにヤバイ。刺さったらこっちが不利になるのは明白だった。

「お前ら、あの尻尾には気をつけろよ!」

「おうよ!」

「言わずもがなだ!」

 陽介と聖来にそう忠告した後、俺はフェンリルと前進させた。

 どんなにあの尻尾の攻撃が強力だろうと、当たらなければどうということはない。

 フェンリルのスピードで一気に接近して、爪交斬を叩きこむ!

「デュフフ! wwワラワラ! そっちがそう来るのは想定内でつ!」

 そういうと奴のビーストは尻尾を動かし始めた。

 くるか? と思い尻尾の動きをよく観察していたが、フェンリルに向かって尻尾を向けてくることはなかった。

 奴はその尻尾の先を、地面に深く突き刺したのだ。

「なに!?」

 誤って突き刺したわけではなさそうだ。

 ちゃんと意味があっての行動なのかもしれないが、一体何が狙いなんだろうか?

「フェェェェン!」

 するとフェンリルが急に吠えた。

 これは召喚した時の吠え方とは違い、何か悲痛を訴えるかのような叫びだ。

 よく見るとフェンリルの両足が、紫色に変色しているのだ。

「なにぃ!? ど、どういうことだ!?」

「フェンリルの足が変になってるぞ!」

「一体、どうしたんだ!?」

 フェンリルの体の変化に驚いているのは俺だけじゃなかった。

 変色し始めたフェンリルの両足は、侵略されるように少しずつ紫色の面積が広がっていく。

 このままだと紫色が全身に広がって、強制退場ビースト・アウトは確実だ。

「くそ! がんばれフェンリル!」

「デュフフフ! 無駄でつ無駄でつ! パピルサグの毒に勝てる者はいないんでつよ!」

 やはりフェンリルを脅かしている原因はあのビーストの能力らしい。

 十中八九、毒を操るビーストなのではないかと思っていたが、一体いつフェンリルは毒を盛られたのだろうか。

「デュフフ! どうして? みたいな顔をしているでつね! いいでつよ! 僕が特別に解説してあげるでつ!」

 そういうと奴はそこらへんに生えている草を引っこ抜いた。

 それを地面に向かって手を離すと、ひらひらと草は落ちていく。

 その草が地面に達した時、一瞬にして草は紫色に変色し、枯れてしまったのだ。

「んなばかな……草が枯れるのだってそんなすぐってわけじゃないのによ……」

「デュフフ! もうお察しの通りだと思うでつが、僕のビースト・パピルサグは毒を操るでつ! でも毒を直接注入させる必要はないのでつよ!」

 そう言いながら奴は指を地面に指した。

 そういえばフェンリルが毒に犯される直前、奴のビーストは地面に向かって尻尾を刺していたが……

「まさか地面に毒を仕込んだとか……!」

「デュフフ! 正解でつぅぅぅぅぅ! 地面に毒を注入して、その場所を通った者を毒で苦しめるでつよ!」

 こいつ、ただのクズ野郎だと思っていたが、なかなかの策士だな。

「デュフフ! オンラインゲームで培ったゲーム戦法がリアルで通用するなんて思ってもみなかったでつ! デュフフフフフフ! 天は僕に味方をしているでつよぉぉぉぉぉ!」

 完全に勝った気でいるあいつを見ていて非情に腹立たしいが、俺が不利なのは事実だ。

「永一、フェンリルを引っ込めろ」

 すると聖来がそんなことを言ってきた。

「だけど俺はあいつを――」

「あいつを倒さねぇとフェンリルを強くできねぇ、だろ? けどよ、今のお前に何ができる

んだよ。役に立たねぇ奴はそこで見学してろ」

「んだと!?」

 聖来の言い方に腹が立ち、胸倉を掴んでやろうと思ったが、陽介に止められてしまう。

「ここは俺たちに任せろって。何もお前だけが一生懸命になることはないんだぜ?」

「ああ。なにも遠藤を倒す役目はお前だけじゃないってことさ」

 そう言うと陽介と聖来は前に出た。

「というわけだぜクソッたれ野郎。お前の相手は俺たちだ」

「策士ならよぉ。一対二でも文句はねぇよなぁ?」

「デュ、デュフゥ……」

 さすがのあいつも複数同時に相手するのが苦手なのか、少し弱気な感じになっていた。

「い、いや大丈夫、大丈夫でつよ自分! 今の自分なら大丈夫なはずでつ! リアルなんか

に臆することはないでつ! 自信を持つでつよ! うんうん! 頑張れ自分、自分頑張

れ!」

 さっきから俺たちが聞こえないほどの音量でぶつぶつ何かを言っている。

「そうでつ! 僕がやることは今までと変わらないでつ! パピルサグの力を見せてやる

でつよぉぉぉぉぉ!」

 よくわからないが、相手も本気のようだ。

 頼むぜ二人とも、俺の分まで頑張ってくれ!

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