7話「記憶喪失の少女と魔法と街」
マナとミクは旅の目標を決め、ステラフォレストに向かうため鍛えていくことにした。
「ここでするの?」
二人はしばらく歩き、広い場所に出た。
「はい! ここならなにもなくていいと思います。それに街も近いですし、魔物も出ないと思います」
「うん、わかった、なにをすればいい?」
「はい、まずは魔力を感じてください。」
「魔力を?」
「はい! 全身の血液に流れる魔力! それを感じることがはじめの修行です。集中して『流れ』を感じてください。」
「うん、やってみる」
集中……集中…………
流れ……
「…………どうです?」
「よくわからない」
「でしたら、私がサポートします! コツをつかんでください!」
ミクはマナの背中に回り込み、手を触れる。
「うん!」
「いきますよ……」
……なにかが通ってる。これが、『流れ』……感じる……。
「いいですよ師匠! それを手のひらに集めるように、いいですか? 『流れ』は川のようなものです。制御を失い、あふれ出れば暴走してしまいます。そして集めるときは『渦』をイメージしてください。」
「……うん、」
これを……『渦』に……。
「すごいです、私でもわかります。ここまで早いなんて……」
……すごい、らしい。……ん?
「なにか、名前が浮かんだ」
「それは呪文です! 呪文とは魔法の名前のこと、それを唱えることで呪文の言霊が魔力の『渦』と混ざり合い魔法が発動します! 言霊は思いを込めることが大事ですよ」
……言霊……思いを込める……。
浮かんだ言葉……。
「フローガ! ……っ!?」
小さな炎の球? マナの手の上で、球状の炎が燃え盛る。
「中級火属性魔法『フローガ』です! でも、小さすぎますね……初級のミクラ・フローガより小さい……」
「ダメなの?」
「それだと火傷しか与えられませんよ……」
これじゃダメらしい。
「もっと練習しましょう!」
「う、うん!」
二人はしばらく練習をして……。
「このくらいでいいでしょう」
「疲れた……すごく」
「あはは、頑張りましたね。でも、これで鍛えれば、他の適性属性の魔法や、鍛え方によっては上位魔法も使えると思います! 師匠は覚えが早いので!」
「そうなんだ、」
普通は違うらしい。自分は本当に何なんだろう。自分の失った記憶は、どんな感じだろうか……。
「行きましょう!」
「あ、うん!」
マナとミクは次の街に向かって歩きだした。
「ねぇ、アウラウネ族は集落があるの?」
マナはちょっとした疑問を聞いてみた。
「そうですね、基本的にはありますが、一人前になると離れて生活するんですよ。それで、特定の日にちまで何日間か森で暮らして、集落に戻るんです! それが成人の証なんですよ。私ももう受けました」
ミクは胸を張って言う。とても誇らしいことのようだ。
「そうなんだね」
「はい! あ! もう近いですね、えーっと……あれは『ステラエルムウッド』と言う街です」
ミクがギルドマスターから譲り受けた地図を確認しながら言う。
「あの近くにステラフォレストがあるのです!」
「なるほど……」
ここからでも見える。あれがステラフォレスト? 所々光っている。
「あれがステラフォレスト? なにか光ってる」
「はい! それと、光っているのは星鉱石ですよ。」
「なるほど」
「夕日が近いですね、早く行きましょう」
「うん!」
二人は門まで来た。
「身分を証明できるものは?」
門の兵士が優しく言う。
「これ、」
「これがあります!」
二人は冒険者カードを見せる。
「通ってよし」
二人は兵士にお辞儀をして、中に入る。街は木組みでできた家がたくさんあり、最初の街と変わらないように見える。
「木組みなのはステラシア公国の伝統でもあるんですよ。」
「そうなんだ、」
「宿を探しましょう。そして明日、食材も買ってステラフォレスト内の討伐依頼か採取依頼を受けますよ! 師匠!」
「うん!」
「急ぎますよ~!」
「あ! 待って!」
二人は宿を探して歩く。明日に向けて。明日はいよいよステラフォレストだ……。
その頃。ステラフォレストにて――
「わわ!? わわわっ!!?」
光る物体がゆらゆらと降下していき、ドスーン! と落ちた。
「いたた……うぅ、やっぱりうまく飛べないよ……よし! もう一回!」
もう一度飛び出す……。
新たな出会いの予感か、それとも……。
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次回もお楽しみに




