6話「記憶喪失の少女と旅の目的」
マナとミクは雑貨店で必要なものを買って、旅に出た。
「ねぇ、どこに向かうの?」
疑問に思ったので聞いてみた。
「だいたいの旅は目的なんてありませんよ。」
「そうなんだ……亜人っていっぱいるの?」
「はい! たくさんの部族はいますよ」
部族?
「亜人じゃないの?」
「あ、すみません。二つの呼び方があるんですよ。人族や魔族は亜人と、私たちは私たちのことを部族と言うんですよ! まぁ、私はどちらでもいいですが……」
亜人、人族、魔族……魔導書にも載ってた。
「人族と亜人と魔族、これで全て?」
「はい! そうです! それらを合わせて三大種族といいます! その中でも、亜人はたくさんいるんですよ。」
やっぱり、知らないことがたくさんだ……。
「色々な亜人に会ってみたいな……」
「……」
ミクがきょとんとしている。
「なに?」
「い、いえ! それを目的にした旅にしますか?」
「亜人に会いに行く旅?」
「はい! その途中で、師匠の記憶に関するなにかが見つかるかもしれません!」
たしかに、なにも目標にしないままだと、ただ歩くだけになりそうだ。知らない人たちに会って、
知らないことをたくさん知って……楽しい方がいい気がする。
「うん、そうする。」
「決まりですね。師匠! それと師匠? 冒険者組合で依頼もこなさなければいけませんよ」
「?……どうして」
「お金を稼ぐためです! できるだけたくさん受けて、お金をためなければ買い物ができません」
「そう、だね……」
「はい! ですので次の街についたら依頼を受けましょう。依頼をやりながら亜人を探すことだってできますから」
「たしかに、亜人の居場所はわからないの?」
「亜人の皆さんは特定の地域にのみ集落を作りますが、集落ごと移動したり、
そもそも集落を持たない亜人もいますから。
それに、外敵に襲われたりとかで住みかを移動したりしてるかもしれません。
亜人は特定の領地や国を持たない部族ですし」
「そうなんだ、」
亜人を探すには色々とたいへんらしい。
「あ! そうです! あっちの街の近くに『ステラフォレスト』と呼ばれる背の異様に高い林があるんですが、そこに亜人の一種『スターリー族』がいるらしいですよ!」
「ステラフォレスト……スターリー族……」
説明「ステラフォレストは背の高い大白樺で構成される林で、
魔素濃度が高く、自然に影響を与え、雲をつくほどに成長したといわれている。
星鉱石という鉱物がとれ、スターリー族が好んで採集する」
説明「スターリー族は星鉱石でできた星形の円盤に乗り空を飛び、大白樺にツリーハウス型の家を建てる。
家にいるとき以外は空を飛んで生活する。星鉱石の星形の円盤は魔力を注ぐと黄色く光るため、
ライトにも使われる。天敵がドラゴンやワイバーンしかいない。
地上の狂暴な魔物から逃げるため高いところで生活し、狩りの際は弓と槍で戦い、狩りや天敵が来たときは囮役と攻撃役に分かれて対処する。
子どもは一歳になると集落内で星形の円盤の操縦訓練を始め、一人で飛べるようになるまで繰り返し練習を積む。集落の範囲内は安全である」
「なるほど」
「はい! でも、ステラフォレストは危険な魔物だらけですから、師匠、戦いかたを覚えましょう!」
「え?」
「職業が賢者ですし、魔法も剣術もいけると思います!」
「でも、使い方、わからないよ」
「大丈夫です! 私も亜人です! 基礎訓練くらいは受けています、教えますよ師匠!」
「……変じゃないかな」
「変じゃないですよ、旅はなにが起こるかわからないから楽しいのです」
「うん、わかった、お願い」
「はい♪」
……おかしい気もするけど、でもたしかになにが起きるかわからないのも楽しいかも。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




