3話「記憶喪失の少女と登録」
マナは世界とこの国のことをミクに教えてもらい、街へ向かった。やがて「ステラスラ」が見えてきた。
街には木組みでできた家がたくさんある
「ここが、街」
「はい! 行きますよ!」
「あ、うん!」
マナはミクに手を引かれ、歩き出す。
「ここにならぶの? なんで?」
「ここで身分を証明したり、犯罪歴がないかを確認して入れるんです」
「……そうなんだ、身分って?」
説明「その人が持っている『地位』や『役割』、あるいは『立場』のこと」
「まぁ、そんなところです。怪しくないかを証明すると考えてください」
「なるほど。でも、私わからないよ? 身分とか」
「身分は冒険者カードをもってるひとが見せるものです。大事なのは犯罪歴がないか、ですよ。」
「そうなんだ、どうやってわかるの?」
「特別な水晶にふれることでわかりますよ! あ、私たちの番です」
門の前には兵士がいた。彼らに見せたりするのだろう。
「身分を証明するものは?」
「ありません。すみません、出てきたばかりなので」
「いえ、大丈夫ですよ。でしたら、これにふれてください」
「?」
台座にのせられた水晶は、光を反射して輝いている。
「それにふれて、犯罪歴がないか確認するのですよ」
ミクが小声で教えてくれた。ふれればいいのだろう。
「こう?」
水晶は青白く光る。
「どうなの?」
「はい、大丈夫です、通ってよし!」
兵士はにこやかに告げる。仕事熱心だが、とても優しい心を持っているようだ。兵士はミクに話しかけた。
「そちらは」
「これがあるのです」
ミクはカードのようなものを見せた。
「通ってよし」
兵士が告げると、私たちは街に入った。
「ミク、それは?」
「これですか? 冒険者カードなのですよ、師匠! 師匠も登録して、冒険者カードを手に入れるといいですよ」
「どこでもらえるの?」
「あそこです! 師匠!」
ミクは前方を指差す。そこには大きな看板に「冒険者組合」と書かれている。
「あそこが……」
「行くですよ、師匠!」
ミクはマナの手を引き、大扉を開ける。中は意外と綺麗で、中にいる人たちは皆優しそうだ。ミクはそのまま中央に向かう。マナもついていく。
「ここです! ここで登録します!」
「おや、ミクさん、お帰りなさい。」
カウンターの女性が優しく微笑む。
「ただいまです! 師匠、この人は冒険者組合の受付嬢です。この人が登録手続きをしてくれます」
「はい、ミクさんのお知り合いですか?」
「はい! あそこの森で出会いました。それで、師匠の冒険者カードをつくってほしいです」
「はい、わかりました。ではまず適正をみますね。これにふれてください」
受付嬢は水晶玉を取り出した。
「これは?」
「その人の適正を見る水晶です。適正によって様々な職業になれますよ」
「職業?」
説明「職業とはその人が生まれ持っているもの、魔力量や適正属性によって職業が変わる」
「?」
よくわからない。
「つまりは、すごければすごいほど、色々な武器が使え、色々な魔法が使えるのです」
「なるほど、」
「……あの、もしかしてそれは魔導書ですか?」
「?……そうだけど、」
なにかおかしいのだろうか。なんだかまわりから視線を感じる。
「え、えっと、師匠に、人前で使ってはいけないと教えてませんでした!?」
「?……どうして?」
「世の中には悪いことを考える人がいるのです! そういう人に狙われるから、これからは気を付けてくださいです!」
「う、うん、わかった……これにふれればいい?」
「あ、はい!」
マナは水晶に触れる。光があふれ出し、文字が出てきた。
名前「マナ」
属性「火」「光」「水」「風」
魔力量「測定不能」
スキル「魔道の神秘 剣舞の心得」
適正職業「賢者」
「こ、これは、」
受付嬢が驚いた顔をしている。
「なにかおかしいの」
文字はカードになり刻まれた。
「い、いえ、あ、こ、こちら、冒険者カードです、登録できましたよ。少々お待ちください!」
受付嬢はカウンターの奥に姿を消した。
「すごいのですすごいのです! こんな人! 初めて見ました!」
ミクは興奮しているようだ。
「?」
「あの~マナさん、それとミクさん、ギルドマスターがお呼びです」
「え」
カウンターの奥から戻ってきた受付嬢がそう言う。
……なにかまずいことが起きたと、なぜか感じた。
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次回もお楽しみに




