18話「記憶喪失の少女と次の目的」
マナとミクとホシノは、依頼をクリアするために巣へ向かい、魔物を討伐して討伐の証拠となる尻尾を手に入れた。三人はそのままステラエルムウッドへ向かい、冒険者組合へと足を運ぶ。
組合の中は、昼間の喧騒がまだ少し残っていた。受付には依頼を終えた冒険者、掲示板の前で次の仕事を探す者、武器の手入れをする者など、さまざまな人が行き交っている。そんな中でマナたちは受付嬢のもとへ向かい、革袋を差し出した。
「これ、依頼の証拠、尻尾......」
マナは革袋をおいた。
「拝見しますね。............はい!依頼はこれでクリアですね。こちら、報酬の銀貨20枚です」
受付嬢は通貨のを渡す。
「ありがとうなのです。それと、ホシノの登録もお願いしたいのですが。」
「できるかな?」
ホシノは心配そうに見る。
「スターリー族ですね、はい、もちろんできますよ。」
「ッ~!ありがとうございます!」
ホシノは元気良くお礼を言った。
受付の周囲では、三人のやり取りに気づいた者たちが小さくざわめいていた。珍しい種族がいるのだろうと、好奇心の混じった視線が自然と集まる。
(スターリー族だ、)
(スターリー族、ホントに円盤に乗ってるよ。スゲー)
と回りから声が聞こえる。
その反応を耳にしたマナは、思わずミクへ視線を向けた。
「ねぇ、スターリー族って珍しいの?」
マナは大声でミクに聞く。
「そうですね、ステラフォレストに入ったことのない人からすれば珍しいかもしれません、めったに森から出ませんし」
ミクは小声で説明する。
「そうなんだ、」
ホシノはライドスターの上で少し居心地悪そうにしながらも、特に気にした様子もなく周囲を見回していた。円盤に乗ったまま登録を待つ姿は、確かに街の人間から見ればかなり目を引くのだろう。
「二人ともどうしたの?登録終わったよ」
ホシノがライドスターに座ったまま覗き込んでくる。
「いえ、なにも、ホシノさんは、いつもそれに乗ってるんですか?」
「もちろん!で、次どこ行く?」
「そうですね、......次の亜人に会いに行きますか、ステラバブル高原にキークライ族と言う部族がいると聞いたことがあります。」
ミクは地図やこれまで聞いた話を思い返しながら答える。せっかく旅をするのなら、ひとつの場所にとどまるのではなく、まだ見ぬ部族に会ってみたい。そんな思いが自然と口をついた。
「大魔道族のことも聞きたい......聞かなきゃ行けない気がする。」
マナも静かに言う。胸の奥に残る、あの力の感覚。あの声。自分でも説明のつかない違和感が、いまだに消えていなかった。
「そうだね!それじゃぁ!行こう!」
「そうですね、行きましょう」
「......うん、」
こうして三人は、キークライ族の集落に向けて出発した。
旅はようやく次の目的地へと進む。森での戦いを終えたばかりの三人だが、立ち止まっている暇はない。知らない種族、知らない土地、そしてまだ見ぬ記憶の手がかり。マナにとってはどれも大切なものになるかもしれないし、ミクにとっても新しい出会いのひとつひとつが、旅の意味を少しずつ変えていくのだろう。
ホシノもまた、初めての旅の仲間として、少しだけ誇らしそうにライドスターを走らせる。円盤が淡く光り、風を受けながら前へ進むたび、彼女の表情も明るくなっていく。
ステラフォレストでの出来事を乗り越え、三人はまたひとつ、次の世界へ踏み出していく。まだ何もわからないことばかりだが、それでも歩き出すしかない。知らないことを知るために、会ったことのない誰かに会うために、そしてマナ自身が何者なのかを少しでも知るために。
その先にどんな出会いが待っているのか、今はまだ誰にもわからない。
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次回もお楽しみに




