2/6魔の迷宮
アーバス帝国の首都から、比較的近くにある迷宮は現在協同組合が確認する迷宮の中では中々の深さを誇るらしい。そんな迷宮は地下に進めば進むほど魔物の危険度が上がっていくという。どうやら龍脈の影響らしいが
魔の迷宮に辿り着いた三人は、一先ず前衛二人の後衛一人で進む事にした。単純に役割を分担した結果だが、迷宮内は灯りがあるとは言え、結構暗く
ソウは光源を唱え周囲を照らす
「なあ、レギン一階はどんな魔物が現れるんだ?」
ソウは後ろを警戒しながら聞く
「たしか、腐人、骨人、粘菌とか魔悪鬼、剣悪鬼とからしい。」
「なら平気か………一応掛けとくか」
ソウはそれだけ言うと
三人に防衛魔術を唱える。
「戦乙女加護」
ソウが唱えるとロウとレギンに光が集まり
収束する。
「何をしたんだ?」
ロウが不思議に思い聞くと、
「一度だけ、魔術で致命傷を防げる様にした。と言っても防衛効果としては低いがな」
「そうか、それでも前衛には有難いな。」
ロウと話していると、突然目の前から魔術発動の気配がし、ソウは前方にいるレギンに魔術を使う。
「三点結界」
レギンの目の前に三角の結界が生まれると前方から風弾が飛んできてソウの魔術とぶつかるが霧散する、それを確認したレギンは目の前に今産れた、
魔悪鬼二体に走り込み刀でもって攻撃する。
一体切り捨て、もう一体と言った所でもう片方が魔術の詠唱を終えており、魔力量から見るに初級中位だと思うがそれを発動させる前にソウは魔術を唱える
「魔術強制破棄」
こんな魔術格下にしか使えないけどな。
ソウはそんな事を思いながら、無事に魔悪鬼から魔力の収束が消えたのを確認し、レギンに合図を送ると、レギンは綺麗に真っ二つにして戦闘を終らせた。
そして、二体の魔物から素材と討伐証明部位を剥ぎ取ると、ソウの空間魔術で保存する。その後にまた探索をする。
「ここらだったらまだ平気か」
「そうだな、まあ危なさはあるが大丈夫だろう」
そんな感じで進んでいると、突然地面が無くなった
「「「は?」」」
三人は同時に声を出すと、成すすべなく落ちていく
「おおおおお!!!!」
レギンは若干涙目でロウはいたって冷静おおかたどうにかする算段があんだろうな。
「なあロウさん、なんか方法あんのか?」
ソウは余りに落ち着いているロウに聞くが
ロウは言った。
「いや、何も思いつかん。」
そう言い放つと、ロウは目を瞑り落ちて行く、これを見てソウはこの人結構無計画だなと思い取り敢えず魔術を使う。
「はぁ、探索」
するとソウは瞬時に状況を把握するが、一つ最悪な事が発覚した。
「二人共、悪い知らせがある」
二人は落ちながら此方に意識を向ける
それを確認すると、ソウは言い放った。
「ここ、下の部屋?はだだっ広くて
魔物の群れがいる。」
ソウはそれだけ言うと、ロウは刀を構え
レギンもぎゃーぎゃー言いながら刀を構える。
「俺が落ちる瞬間魔術で、衝撃を消すから降り立った瞬間戦闘開始だ!」
ソウは激を飛ばす様に声を張り上げると
ついにこの落とし穴の終りが見えてきた。
細い落とし穴を、抜けるとだだっ広い部屋の天井に繋がるらしいが、下をふと見ると
部屋を埋め尽くす様な、魔物の群れがいた
「無駄に多いな」
「こんないんのかよ!」
ロウは冷静に、レギンは少し焦った様に言う、ソウはそんな反応を見ながら魔術を同時に詠唱する。
「先に少し数を減らすか、」
下を見れば、霊体系や腐敗系の魔物に、ゴブリンやゴブリン亜種、果てには鬼族もちらほらいた。
「降り注ぐ炎矢」
ソウが魔術を発動すると、ソウの真下に炎の塊ができて無造作に矢となり魔物に降り注ぐ、降り注いだ矢は魔物や床に接触すると爆発し、魔物を倒していくが……
「まあ減らないな、ったく量が多い。」
少し愚痴を吐くと、床に降り立つ瞬間に
次の魔術を唱える。
「飛翔」
三人はソウの魔術により着地する瞬間、
一瞬浮き上がり、無事に降り立つ。
あのまま、言ったら足が折れるな
どこか緊迫感無くソウが考えてると
ロウとレギンが刀を抜き、近付いてきた
魔物を斬り捨てる。
「ふむ、レギンはソウの防御を、私は遊撃してこよう。魔術は適当に避けるから気にしなくて良い。」
それだけ言うとロウは刀を構えなおし目に止まらない早さで動き魔物の群れに消えて行った。まあ心配は無いだろうと目を反らし、周りに目を向ける。どうやら考えてる隙にレギンがある程度魔物を屠っていた。
こっちもか、まあいい。
取り敢えず近くにいる悪鬼を魔術で燃やし、更に近付いてくる麟族を凍らせる。
レギンも順調に魔物を倒してるが、
やはり数が多いな。遠くで魔物がゴミの様に飛んでるのを見ると、どうやらロウも順調らしい。
「レギン」
魔物をひたすら斬り捨てているレギンに
声を掛ける
「師匠なに!?」
状況が状況のせいか、少し声を張り上げる
レギンに言う。
「少し時間を稼いでくれないか?
というより余裕があれば良いが。」
ソウはレギンに聞くが、どうやらそれほど切羽詰まってないらしく、
「わかった!」
そう言い、ソウの周りにいる魔物を集中的に倒し始めた。
さて、辺りを見渡すとやはり倒してはいるが数があんまり減っていない。それを見て
魔物の量にめんどくさく思いながら魔術を行使する。
「ロウに声を掛けろ、魔術の種類は風属性で、魔術は全方位に無数の風の刃を打つ」
レギンにそう言うと、レギンはロウに声を張り上げ伝える。そしてロウが戻ってきた辺りでソウは魔術を唱える。
「暴れろ、風塵爆」
ソウが魔術を発動すると、三人を守るように不可視の風が吹き荒れ近付く魔物を切り倒した、そのまま魔術は範囲を円状に広げていき魔物をどんどん切り倒す。最後に一切強く吹き荒れ、魔物を屠った。
これで大分減ったな
ソウが魔術を終らせると、辺りは魔術によって切り刻まれた魔物の死骸で埋め尽くされた、三人が辺りを警戒しながら見渡すと正面から火属性初級中位ーーー火の矢が三本飛んできた。
「水弾」
ソウは咄嗟に反対属性により迎撃し、打ち消す。すると目の前から三体の人型の魔物が歩いて来ていた。
「はっ!まさか人族がここまでやるとはな!」
2メートル近く有る体躯に、両手で持てるか否かと言うほどの大太刀を背負った鬼族と。
「珍しく意見が合いましたね、ヴォルドと、人族にしては強い方じゃないでしょうか。」
全身を黒で統一したローブに、真っ黒な本を持ったエルフに。
「そんな事は構わないわ、それより今、この人族達は疲労してるわ。わかってるわね!」
腰にレイピアを指し、背中に弓矢を背負った露出度の高い服をきた女。
三人はそう言うと、それぞれの前に立ち
武器を構える。ヴォルドと呼ばれた鬼族は
ロウの前に、エルフはソウの前に、そして
女はレギンの前に立った。
「目標は各個撃破よ、ヴォルド、ソラ
やるわよ!」
そう言うとヴォルドはロウに打ち込み、
ソラと呼ばれたエルフはソウに、
そして、最後の女はレギンの前に立ち
それぞれ攻撃をしかけた。




