2/4 弟子と仲間。
スラム街をでたソウ達は、まず子供ーーーレギンの服を買い、協同組合に行きクエストを受けようとするが、協同組合に入るとなぜかさっきより騒ついており何事かと思いながら受け付けに話す。
「なんかあったのか?」
ソウが受け付けに話すと
受付嬢は話し出した。
「ソウさんですか……いえ、実は
我が協同組合から裏協同組合へ、堕ちたモノがいると言うことで少し騒ついております。誰がと言うことも特定したのですが、中々見つからない為苦戦しているのですが……」
「ザックス、レッド、バックの事か?」
ソウがそう言うと、驚いた様に
受付嬢は話す
「ええ、そうですが、ソウさんご存知無いでしょうか?裏協同組合へ逃亡する前に捕獲及び討伐をしたいのですが」
穏やかじゃない言葉がでてきた
所でソウは言う。
「なら問題ないだろう、つい先ほどスラム街で三人に遭遇し、倒してきたからな。」
受付嬢はそれを聞くとソウに身分証明書を出す様に促す。ソウはそのまま提出すると受付嬢は手元の機械で確認し、ソウに身分証明書を返却する
「確認の方が取れたので、ソウさんには
特定人物討伐報酬として金貨六枚渡します」
そう言うと受付嬢はソウに
袋に入った金貨を渡す。
「今回更に、特定人物討伐として
報酬金と協同組合の定める
ルールに記載されてる通りソウさんの
ランクをEランクからDランクに昇格させました。」
それを聞いた後、ソウは続けてレギンの
身分証明書を作ってもらう。
暫くして身分証明書が出来ると協同組合を出て首都を出る。
首都を出て、暫く草原を歩くと森があるんだが、そもそも首都ウィンクルには高い外壁に覆われていて、街の四方に出入り口が存在すると言うこの世界では一般的な城塞都市の構造をしてるらしい。今回ソウ達が出たのは、ソウが亡者の王により強制転移させられた森側ーーーつまり、北側となるのだが、その北門からでた。北門を出ると草原があり暫く真っ直ぐ進めば森、還らずの森と呼ばれる大森林があるのだが今回はその前にある小高い丘に行く。
丘に着いた、ソウとレギンは周囲に人や魔物が居ない事を確認して、ソウは魔術陣《構築魔術》を地面に魔力で描く。そして、描き終るとレギンの方を向き確認する。
「この魔術陣の効果は対象の才を見定め、選定し戦闘分野において一番適している精霊や其れ等に分類する者を召喚する効果がある。そしてこの魔術の対象になる者はその突き詰めた才が完遂するまで側を離れることは無いーーーが、それが必ずしも呼び出しに応える訳でもない。前提条件として有り余る才が無ければ当然呼び出しに応じ無いし、その呼び掛けに応える精霊や其れ等が現れなけばその時点でこの儀式魔術も発動を終える。そしたらレギンは自力で修練し、鍛錬し、修行をしなければならない。それでもやるか?」
ソウは確認の為にもう一度確認する。
レギンはソウの目を見て頷くと
レギンを陣の中心に行くように促す。
「では、術を始める。」
「其は、汝の才寄り舞い降りる者を望む。
汝の天賦の才に魅入られた者よ、その姿を顕微し、ここに降臨せよ、才を開花させ共に歩まんとする者よ。人外降臨」
ソウが術を唱えると魔術陣が光り輝いて
辺りの魔力が、レギンの目の前に収束する、そして高密度魔力塊となると魔力塊はその形を人の形にし、瞬く間に顕微する。その人外の姿は腰まで届くような銀色の髪に端正な顔立ちをした男性、眼は赤目でしっかりレギンを見据えていた。男はレギンに話し掛ける。
「少年、お前が私を呼び出した者か?」
「そうだ、呼び出しのはオレじゃないけど、お前と契約を望むのはオレだ!」
レギンは真っ直ぐと銀髪の男を見て言うと
銀髪の男は腰に指している刀に掌を添え
言う。ソウは臨戦態勢を取った男を見ると魔力を収束し何時でも攻撃出来るような準備をする。
「なるほど、術を行使したのは後ろに居る魔術師で契約を望むのは少年か、なら魔術師よ、今から少年と魔術師と私で一つ勝負をしよう。2対1の勝負だな。」
「別に構わないが、人外降臨の術式書には余程位の高い者が力試しをする事が有ると言う事しか書いて居なかったが……お前はそれほど位が高いのか?」
ソウは不躾に自らーーー二人で召喚した男に問う
「ふむ、私が位が高いかは知らないが、
なに、此れから暫く共に過ごすんだ、実力を知っとこうと思ってな。さあ武器をとれ集中しろ。」
そうして男は一言唱えると、レギンの前に身体に見合った大きさの刀を落とす。
「使え少年よ、お前の才はそれに終結する。」
レギンは急に出現した武器に狼狽しながらも、見様見真似で腰に構え刀を握る。
「準備はできたな、では始めよう。」
男がそう言うと、次の瞬間男の姿はブレて
ソウの目の前に表れ刀を抜刀する。甲高い音がし、レギンが後ろを見ると男が抜刀したピンポイントの場所に透き通る様な青色の丸い結界が男の刀を防いでいた。
男が其れを確認すると、刀をそのまま返し
連続でソウに斬り込む。上下左右ーー早く無駄のない完成された刀術でソウに斬り込むがその全てを青色の結界に防がれる
ソウは瞬きする間に無数の斬撃を受た事を冷静に確認するとすぐさま魔術を発動する
「千の光矢」
ソウが魔術を唱えると、男は一旦高速で距離を取り刀を鞘に仕舞う、そして文字通り千の光の矢が男の全方位に出現すると一斉に男を貫かんと射出される。男は自らに迫る矢を刀で叩き落としていく。
ソウはその間にレギンと自分に魔術を唱えた
「王の守護」
「騎士の加護」
王の守護は対物理攻撃に対する防衛魔術。そして騎士の加護はおよそ戦闘に使う能力の底上げをする支援魔術。その二つをソウは無詠唱で発動するとレギンに声を掛ける。
「レギン、取り敢えず戦闘能力の底上げはした、後はお前が切り込め。適当に援護するから。」
ソウはレギンに声を掛けると自らは
多重詠唱を始める、亡者の王による聖魔反転を掛けられてからどうにも魔力を操る技能が一段か、二段上がった気がするのだ。それ故にソウは今まで出来なかった、技術を行使する。
そしてレギンは光の矢を余裕で捌いてる男に向け走り最後の一矢を捌いた瞬間を狙って抜刀するが難なく避けられて、男はレギンに刀を振り下ろす。それをかろうじで反応したレギンは刀を真上に持っていこうとするが一寸間に合わずソウの張った結界により防御する。
男は其れを確認すると言う
「ふむ、反射は支援魔術で底上げしてるとは言え上々か、攻撃を狙う間も悪くない
よし、」
男は其れだけ言うと構えを解き、と言っても立ったまま刀を持ってるだけなのだが、
レギンに言う。
「打ち込んで来い」
レギンはそう言われると、唐竹割り、袈裟斬り、逆袈裟斬り、右薙ぎ、左薙ぎ、左切り上げ、右切り上げ、逆風、刺突。
全ての向きから攻撃すると男は全て刀で流し声をかける。
「大体わかった。まだまだ粗いが、此れからみっちり扱くとしよう。」
男はそう言うと初めて笑う。
レギンは認めてもらえたと喜ぶと
ソウの元に行き礼を言う。それをソウは
良い、とだけ言うと、男の元に行き
話し掛ける。
「一応呼び出したのは俺だが、その、近接戦闘は俺は出来ないから、頼む。」
ソウは少し照れながら呼び出された人外に頭を下げる、男は少し驚いた顔をした。
ついでにレギンも驚愕の顔をしている。
それを見たソウは睨むが、構わず頭をあげて男の言葉を待つ。
「わかった。教えるのは契約だから構わないが、どうにも魔術師らしからぬ態度だな」
男はそれだけ言うと少し笑い続けて言う
「私の名はロウと言う、これでも刀の扱いは長けてるつもりだ。これからよろしく頼む。」
「俺はソウだ、此方こそ色々世話になる
レギン共々よろしく頼む。一番年長そうだからな」
ソウも少し笑い、ロウに言う。ロウはそれを聞きまた笑うと刀を鞘に収めた。
小高い丘での人外降臨は
終り、三人は街に戻って言った。




