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遠い場所で声を震わして  作者: とーてん
見聞者となり、
10/15

2/3 スラム街


冒険者登録を無事に終え、協同組合ギルドをでたソウは一旦アイリスと別れ首都を歩いていた。アイリスに聞いた所に寄ると、この首都は大きく分けて三種類に別れるらしい。まず初めに貴族や豪商の住む富裕層。次に協同組合ギルドや宿屋、武具防具と、道具屋等の店が立ち並ぶ一般街。そして最後に身寄りの無い子供や、行く宛の無い人が住むスラム街と別れる。


ソウはスラム街を見て、

やはり故郷には無い光景を見ながら

ここが異世界である事を確認する。


まあ、そんな事は半年前から知ってる事か、少し故郷を思い出しながら辺りを警戒しながら歩いていると、眼の前から男が三人に歩いてきてソウに話しかけて来た。


「にいちゃん、さっきはよくもやってくれたなあ」


よく観ると三人のうち一人の男は先ほど協同組合ギルドで絡んできた男で、手には剣を抜刀し、ソウに向けている。他の二名も男と同じ様に抜刀しソウに向ける。


「レッド、バックこいつだ、やるぞ」


ザックスは他の二名に合図を送ると

勢い良く剣を振りかぶりソウに向けて

振り下ろす、ソウは其れを回避して、

後ろに下がろうとするが、いつの間にか

男二人が回り込んでおり下がれなくなり

ザックスは続けて剣を振るう。


一太刀二太刀三太刀と回避して行き

隙を探すが、絶妙なタイミングで

他の二名が攻撃してくる為、ソウは

身動きが取れなかった。


さて、どうするか。


ソウが打開策を考えていると

ザックスが言い出した。


「ちょこまか避けやがって、

おい、動くな」


ザックスはそう言うが

ソウに動いてやらない理由は無く

そのまま距離を取ろうとすると

レッドと呼ばれた男が、子供を首で抑え

ソウに見せ付ける


「このガキが殺されたくなければ

動くんじゃねぇ」


ザックスがそう言うとレッドは首元に剣を持って行き引き裂く素振りをする。


「……その子供は俺には関係ない。」


ソウは一瞬眼を見開き魔術を使おうとするが、ザックスは続けて言い出す


「お前ぐらいのガキが無関係とは言え

子供を簡単に見捨てられるか?

俺は裏協同組合リ・ギルドの仕事で

慣れてるが、お前はまだ依頼を遂行した事のないガキだし、何よりアカの抜けきってねぇ甘ちゃんだ。わかんだよ俺は、お前みたいに向こう見ずに物事を考えてる奴を腐るほど見てきたからな」


「……なぜこんな手段を取る。」


「なんでって……お前はバカかよ、

あんな誰もが見てる中でこけにされたんだ、こけにされたからやりにきたんだよ

仕返しだっての………助かったぜ

お前がのこのここんなとこくるからよ

あと付けて此処にくるのを待ってたぜ。」


ザックスはそう言い、ソウに剣を構えながら近付いてくる。そしてバックはレッドの前に立ち、子供に何も出来ないように

前に立つ。


「さあ、どうする?お得意の魔術でレッドとバックを攻撃するか?、それとも俺を攻撃するか?俺を倒してもレッドは剣を引く、だけど子供がくたばるだけで俺らは倒せるだろうな、けどお前はそれで良いのか?できねーよな、だから大人しく俺にやられな」


ザックスはそう言うソウの眼の前に行き

ソウの心臓に向け剣を突き出した。


「王の守護ヴェルド


ソウはとっさに防衛魔術を自分と子供に発動する。王の守護ヴェルド上級ハイクラスの防衛魔術。その効果は指定された対象の物理無効と魔術防御、この魔術を突破するなら単純に魔術の許容範囲を超えた物理攻撃か、攻撃魔術の飽和攻撃で結界を突き破るしかない。そしてーーー


「なっ、おいザックス、切れねぇぞ」


「ばかな、上級ハイクラスの防衛魔術だと、こんなもんつかえんなんてきいてねぇぞ」


ザックスは焦った様にソウ剣を突き刺すが

剣がソウに触れる瞬間に弾かれる。


「たかだか、チンピラにこの魔術を使うとは思わなかったが………よくわかった。

敵の戦意は完全に砕かないと生き残れないんだな、確かにおっさんの言う通り俺はアカが抜けて無かった様だ……だが、まあ

これで終わりだな。」


ソウはそれだけ言うと

逃げ出すザックスとレッドとバックに向け

魔術を使用する。ランクで言えば上級ハイクラスの魔術を。本来、上級ハイクラスとは人間であれば軍隊相手に使い魔物であればBランク上位やAランク中位に使う様な魔術だ、それを協同組合ギルド員だとしても明らかにチンピラ相手に使う魔術ではない。がソウはキレていた。

子供を人質に取りあまつさえ殺そうとする男たちに。


「塵も残さず消してやる」


「黒き収束デミットロット


ソウが魔術を唱えると、ザックスの後ろに

黒い球が出現し、闇を撒き散らしながら三人を吸い込んで行く、なぜかソウと子供、その他のモノは吸わず、三人のみを呑み込むと黒い球は最後に一瞬縮まると役目を終えたかの様に消滅した。


残ったのは子供とソウのみだった。


「大丈夫か?」


ソウが子供に聞くと、子供は

眼をキラキラさせながらソウに言う


「オレを弟子にして下さい」


突然そう言い、頭を下げた。


「俺は弟子を取るほど

魔術師として頂きに届いていない。」


ソウがそう言うと、子供は頭を上げて

眼をしっかり見て言う。


「確か魔術には第一から第七まで

系統があるんですよね?」


子供は突然そう言うと、ソウは一瞬驚くが言い返す。


「ああ、そうだが、それは大まかに分けた際の魔術系統だぞ?第二魔術にしても様々な種類があるし、一概には言えないな。」


ソウが言うと、子供は一瞬顔を伏せるが

そのままソウを見て言い出した。


「オレさっきの男達が話してるの聞いたんです、魔術には構築魔術の派生で召喚魔術が有るって事を、だからオレを媒体にして召喚魔術を使って下さい。その代わり、オレはお兄さんの剣になるんで。お願いします。」


子供は、そう言うとまた頭を下げる、

見た目ぼろぼろだが、眼だけはしっかり

ソウを見ており、昔、師匠に言われた

事を思い出す。





ーーー時期が来たら弟子を育てるのも有りかもね。行き詰まっていたら、まあそれでなくても弟子は色々気付かせてくれるからもし志願する様な子がいたら、取ってみると良い。弟子の存在は師にとっても良い勉強になるーーー





ソウは目の前に居る男の子から、昔師匠に言われた事を思い出すと子供に言う


「俺は、弟子を取った事ないし、人を育てた事もない。更に言えば君に魔術の才が有るかもわからんし、魔術以外なら教えられない。それでも良いか?まあ剣に秀でてても方法は君の言った通りあるんだが、危険も伴う。それでも構わないならーーー」


ソウがそんな事を話していると、男の子は焦れったくなったのか言葉を遮りソウに言った。


「オレは、どんな事になっても構わない。ただこの人の弟子になりたいと思ったから志願したんだ!よろしくお願いします!」


ソウはそれを聞き、一瞬惚けるがしゃがみ込み男の子の目を見て言う。


「そこまで言うなら何も言わない、ただ俺は旅人だから色々危険も伴う、それでも良いか?」


「もう決めたからかまわない!それに此処に居たっていつ人攫いに攫われて奴隷にされるかもわからないし、いつ食料が無くなり餓死するかもわからない!だからお願いします、弟子にして下さい。」


「わかった、そこまで言うなら弟子とする。衣食住の面倒を見るし武具やアイテムもな、師弟として正式にな。まず名前を教えてくれ。」


「オレはレギン、えっと得意な武器とかわかんないけどなんでもやる」


「そうか、まあ無理はさせないからな。

安心しろ。」


ソウはそれだけ言うと立ち上がりまずは、協同組合ギルドか、それとも服か、そんの事を考えながら街を歩いて行く



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