読書/アラン・チャーリング『恐竜は生きている』 ノート20180620
Ⓒ奄美剣星「始祖鳥」
アラン・チャーリング『恐竜は生きている』長谷川善和・真鍋真訳 どうぶつ社1987
子供のとき、東京上野の科学博物館だったか、恐竜展があり、化石を触れるコーナーがあった。丸太のような化石は、ミイラ化した後に化石化したものだと説明書きにあった。それは、恐竜の皮膚で、鳥肌に似た感じだったのを記憶している。
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2020年現在、よく言われている恐竜絶滅の原因とは、6500万年前、メキシコ・ユカタン半島に小惑星が落下して、クレーターをつくった。不幸なことに、そこは硫黄鉱床となっており、巻きあがった粉塵が、成層圏に達し、地球規模で硫酸の雨を降らせることになった。このため、世界中にある同一時期の地層断面を観てみると、当時の生物が一気に死んで化石化しているということが判るのだという。――本書第99頁の付図で6500万年前と記してあることから、当時最先端の成果を記した恐竜本であったことが判る。
1980年代、天体落下説もあるにはあったのだが、どちらかというと、火山活動の活発化と氷河期の到来といったものが有力視されていた。変わったところでは、当時、被子植物が異常繁殖した。当時の被子植物は毒性をおびており、食べた草食恐竜が食中毒を起こし絶滅。草食恐竜を捕食していた肉食恐竜が連鎖して滅んだという説もあった。
本書でいう恐竜とは何かというと、冒頭の付表「爬虫類の分類」で示されているように、爬虫類の中の竜盤目と鳥盤目に属するグループ二つをさしている。恐竜以前に栄えていて、隕石落下で絶滅した、槽歯目の祖竜類や翼竜、それにワニといったグループは含まない。
恐竜と言われている竜盤目・鳥盤目のうち、竜盤目が特に興味深い。竜盤目は、獣脚亜目と竜脚亜目の二つがあり、このうちの獣脚亜目は、コエルロサウルス下目、オルニトミムス下目、ティノニクス下目、食肉竜下目、セグノサウルス下目ほかに分類されている。鳥類は、コエルロサウルス下目コエルロサウルスを経て、始祖鳥となり、さらに鳥類へと進化することになる。
つまるところ、鳥類は、6500万年前、ユカタン半島での隕石落下による硫酸の雨で、大半の生物が絶滅した後も生き残った、唯一の恐竜ということになる。――そこで本書のタイトルは、「恐竜は生きている」ということになるわけだ。――DNA解析が進んだ昨今の研究成果によると、嘘か真か、人づてに、ティランノサウルス(*ティラノサウルス)の遺伝子配列は、鳥類で96%以上、このうちの鶏で99パーセント類似しているという話を聞いたことがある。
しかしアレだ。
最初、私は、始祖鳥が、〈恐竜2〉鳥盤目鳥脚亜目だと思い込んで、付表「爬虫類の分類」と対応させながら、本文を読んでいたら、そうではなかった。――鳥盤目角竜亜目のトリケラトプスは図で観ると鳥じゃなくて哺乳類のサイみたいな奴じゃないか! ――食肉竜下目ティラノサウルスと同じ、〈恐竜1〉竜盤目獣脚亜目であったとは! なんて紛らわしいことだろう。きっと、分類を始めたばかりのころ、研究者たちは〈恐竜2〉のタイプこそ鳥の先祖だと考えていたのだろうかと想像する拙である。
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爬虫網(付表「爬虫類の分類」より)
無弓亜綱……カメなどへ
単弓亜綱……哺乳類へ
広弓亜綱……魚竜へ
双弓亜綱
鱗竜下網……トカゲや蛇へ
祖竜(主竜)下綱
槽歯目……祖竜類の先祖型
ワニ目……ワニへ
翼竜目……空飛ぶ爬虫類
〈恐竜1〉竜盤目
獣脚亜目
コエルロサウルス下目……コエルロサウルス→始祖鳥→鳥類
オルニトミムス下目
ティノニクス下目
食肉竜下目……ティランノサウルスなど
セグノサウルス下目
竜脚亜目
〈恐竜2〉鳥盤目
鳥脚亜目
剣竜亜目……ステゴドンなど
鎧竜亜目
角竜亜目……トリケラトプスなど
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備考
テキストが出版されてから四半世紀経ち、この間に新たな重要発見があった。
「本当のティラノサウルスを知っていますか?」(NHK 地球ドラマチック Copyright by NHK . Website: www4.nhk.or.jp/dramatic 20080514)によると、ティランノサウルスは、2005年の中国において、グアンロング・ウカイイが発見されたため、系譜が変更された。変更されたのは、食肉竜下目(カウノサウルス類)であることが否定され、コエルロサウルス下目になったところ。つまり始祖鳥の一つ前の段階に「羽毛恐竜」というグループが発生し、さらに枝分かれして、始祖鳥とティランノサウルなったというわけだ。
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爬虫網(付表「爬虫類の分類」の訂正)
双弓亜綱
〈恐竜1〉竜盤目
獣脚亜目
コエルロサウルス下目(*羽毛恐竜)
グアンロング・ウカイイ→コエルロサウルス → 鳥網
→ティランノサウルス
鳥網 → 始祖鳥
→ パイゴスティル類 → 現生鳥類
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トピック
2016年、愛好家の男性によって、芦別市内の白亜紀後期(8630万~8980万年前)の地層から、約9センチの恐竜化石が発見された。北海道大総合博物館と三笠市立博物館の研究チームが、2018年6月20日、形状から、ティラノサウルス類の尾椎骨(尻尾の骨)である可能性が高いと各報道機関を前に記者発表した。北大の小林快次准教授によると、原始的な種を含むティラノサウルス類は、進化の過程で、全長3メートルから12メートルになる。今回の化石は、全長6メートル級、成長過程の中型だ。ティラノサウルス類の化石の出土が世界的に限られており、国内では福島県広野町で1986年に見つかった化石に続き2例目になる。化石は三笠市立博物館で23日から一般公開される。
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