読書/ゲーテ『ファウスト』全二巻 ノート20180623
ゲーテ『ファウスト』全二巻 高橋義孝訳 新潮文庫
悪魔メフィストファレスが登場する。メフィストは、ゲーテがいた時代か少し前、どこぞの魔法使いが召喚した悪魔なのだとか。天上界の神様は、こういう悪魔を天上界の宮廷に招き、人間を試そうとする。そこで選ばれたのが、象牙の塔に籠る、ファウスト博士だ。
宇宙の真理を知る。――ファウスト博士は、そのためならば、死後、魂をメフィストにくれてやるという契約を結んだ。メフィストは、漫画『黒執事』よろしく老哲学者ファウストの執事として仕えるようになった。その手引きで、美少女グレートヒェンと恋仲になるのだが、結局、精神崩壊に追い込んでしまう。
哲学者ファウストは、メフィストと数々の冒険をする。その冒険の中で、侵攻してきたトルコを追い返すことに成功。神聖ローマ帝国皇帝は、褒美として、湿地帯に領地を与えた。
ファウストは、貴族として宮廷に出仕するようになるのだが、退廃的なそこに、大きな意義を見いだせない。そこで、メフィストと、天界や冥界に、最後の冒険に旅立った。冥界で美の象徴ヘレーネを得たのものの、手にした瞬間に消滅する。
死期をっ悟ったファウストは、自領の荒地に戻り、善男善女を集って開拓し、美しい荘園とした。
やがて、いよいよ命が尽きたとき、ファウストは、メフィストをうまく巻いて、昇天してしまう。
――契約違反ではないか。メフィストが哀れだ!
『ファウスト』は、ゲーテが八十代で著したものだという。何年か前、これを手にしたとき、小説かと思っていたら戯曲だったので意外に感じた。……シェイクスピアの物語群も舞台劇の台本なので、同じようなつくりをしている。舞台では、さまざまなセットがされていて背景があり、名優たちが、さまざまなアクションを演じるから判り易い。だが、舞台劇を前提にしている戯曲は、そのあたりが、演じ手たちに投げて省かれてしまうので、一般人である私にとって読みづらい。
――『ファウスト』は、楽しむ物語というよりも、古典教養として読む本だ。
ノート20180623




