読書/スーザン・イーリア・マクニール『エリザベス王女の家庭教師』 ノート20180623
スーザン・イーリア・マクニール『エリザベス王女の家庭教師』圷香織翻訳 創元社2014
数学者マギー・ホープスをヒロインとしたシリーズである。前作、『チャーチル閣下の秘書』において、マギーは、ナチス諜報機関が係った殺人事件を解決した。チャーチルに認められたマギーは、英国諜報機関MI-5の諜報員に抜擢された。マギーに課せられた第一の任務は、王宮にあがり、エリザベスとマーガレット、二人の王女の家庭教師になることだった。しかし、それは表向きで、実際には、二人の王女をナチス諜報機関から護衛するのが使命だった。
王女たちの父親・国王ジョージ五世の兄エドワード八世は、亭主もちであるアメリカ女性を妻に迎えるため、退位して、ウィンザー公になった。ナチス・ドイツは、ナチスに好意的なウィンザー公を担ぎ上げて復位させ、英国占領後に傀儡政権を立てようと画策していた。そのために邪魔となる、現国王一家を亡き者にしようとしていたのだ。
マギーは、迫りくるナチス諜報員と戦い、二人の王女を守り抜く。
ジェームズボンドほど派手ではないが、時代のヒーロー、チャーチルの近くにいることで、よりリアルな女性スパイものとなっている。また、ナチスのエニグマ暗号機を、自作コンピュータで解読させた、アラン・チューリングが登場し、暗号解読機関ブレッチリー・パークに、死んだはずのヒロインの父親が勤務していたという設定がある。――このあたりは、第二次世界大戦もの萌えの読者をくすぐることだろう。
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