読書/碧野圭『駒子さんは出世なんてしたくなかった』 ノート20180623
碧野圭『駒子さんは出世なんてしたくなかった』キノブックス2018
出版社に勤務するアラフォーのできる女・水上駒子は係長だ。子供は高校一年生の息子・櫂がいる。櫂は多感だ。夏休み前に高校に退学届けを出してしまう。家事・育児は、元フリーカメラマンである夫・達彦の十五年間の自己犠牲により成り立ってきた。
職場は、男中心社会だったのだが、派閥抗争が絡んだセクハラ事件を機に、部長クラスを女性にするという話があった。駒子は部長候補として、新しく設けられた部署の係長に命じられた。ただし会社側は、無条件に駒子を部長にするというのではなく、岡村という同性のライバルをつけた。
岡村は斬新な方法で実績をつくるやり方だ。これに対し、駒子は、一癖二癖ある部下たちを調整し、職場の雰囲気作りに心を砕いた。
社長とその取り巻きは、岡村を評価した。新規部署の部長に命じた。だが大逆転。社長の継母である会長は、セクハラの犠牲者だった。先代会長に手籠めにされて、無理やり嫁にされた過去があった。この会長が、駒子の調整能力をかい、総務部長に命じた。
駒子が出世していく一方で、犠牲にしてきた家庭だが、達彦との話し合いで、うまくいく雰囲気のなかで物語は終わる。
――女性版『島耕作』だなあ。……ただ、あの漫画の主人公・島耕作では、別れた妻というのがとんでもない悪女で家庭を崩壊させてしまう。女にモテ、とんとん拍子に出世するのだけれども、家庭がボロボロになった彼と、駒子さんは対照的だ。
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