読書/中島敦『鏡花氏の文章』 ノート20170807
読書/中島敦『鏡花氏の文章』
随筆というべきか論評というべきか。ともかく筆者は泉鏡花先生を絶賛する。泉鏡花先生は、近代文壇黎明期の人・尾崎紅葉先生の弟子だ。中島敦先生をして、どこが優れているのかというと、麻薬のような甘美な芳香を漂わせる、前近代的な雅な文章なのだという。一言で収めるならば「言葉の魔術師」だ。
パソコンの音声機能をつかって聞いてみると、鏡花先生の文章は、やたらとルビが多すぎて聞きづらい。そこで、パソコン上で、文章を思い切り拡大して読んでやる。そうすることで、案外とスラスラ読めた。――それが私が速読するときの裏技だ。――文字を思い切りでかくして、文章幅と一行間の文字数を目で追いやすい数に抑える。そしてキーボードのカーソルを中指一本でポンポンと打ってやればいいだけのこと。
現在でも、泉鏡花を崇拝する読者はいることにはいる。愛読者は怪奇小説ファンであるということをときたま耳にする。愛読者の一人にお話しをうかがうと、あの特異な文体を、暗号を解読するかのような喜びに浸るのだという答えが返ってきた。
ノート20180807
かのアニメ『文豪〇〇』において、武装探偵社の中島敦少年は、敵対勢力から寝返らせた美少女・泉鏡花ちゃんと同棲を始める。リアルな泉鏡花先生は中島敦先生よりも一回り年長。ただ女性っぽい筆名なだけである。同棲設定の背景は、中島先生の泉鏡花先生に対するこのベタ褒め論評からきているのかもしれない。
追記20211107




