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読書/中島敦『悟浄歎異 ―沙門悟浄の手記―』 ノート20180807
中島敦『悟浄歎異 ―沙門悟浄の手記―』1942年
前作『悟浄出世』の続編だ。
三蔵法師、孫悟空、猪八戒の三人に出会った沙悟浄は、天竺へと向かう。三蔵法師は、弱いのだけれども、徳という一点において、三人の弟子たちの助力を得る。孫悟空は、無学ながら何においても天才で、独自に悟りをも開いている感じがする。猪八戒は食事以外には興味がない。――そんな風に登場人物たちの紹介をする。
あるとき、悟空、八戒、悟浄の三人は術比べをした。悟空は何にでも化けられる。八戒はあまり上手く化けられない。悟浄は可もなく不可もなくである。
悟浄は、八戒を下にみていたのだが、天才である悟空が凡才の八戒に、なぜ自分のようにできぬのかと叱りつける場面がある。沙悟浄は、そこで、ハッと我に返る。
可もなく不可もない態度をとっている自分というのは卑怯ではないのか、自分をさらけだしている八戒のほうが、周りに迎合している悟浄自身と比べてよほど潔い……。そんな話だ。
この作品は、中島敦の享年に書かれたもので、シリーズにしようとしていたらしいのだが、結局、この作品で終わってしまう。とはいえ、短編としても、なかなか哲学的で心に残る。
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