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読書/中島敦『悟浄出世』ノート20180728
中島敦『悟浄出世』
沙悟浄は、『西遊記』に登場する河童だ。『西遊記』の中での沙悟浄は猿の妖怪・孫悟空と、豚の妖怪・猪八戒との間にいて、あまり目立たない。ところが中島敦は、そんな沙悟浄を主人公に据えた。しかも、三蔵法師や仲間たちと出会う前の物語にしている。
『悟浄出世』の沙悟浄は、とろくて、仲間の妖怪たちから小馬鹿にされている。というのも、沙悟浄は、森羅万象の機微に対し、「何でだろう?」といちいち疑問にもつからだ。そして沙悟浄は、自分とは何か? という哲学的な大テーゼに至った。妖怪の中には、高名な哲学者たちがいた。沙悟浄はいくつかの門を叩いて弟子入りし、少しずつ自分なりの疑問を解き明かしていき、やがて最後の師となる三蔵法師に出会い一緒に天竺を目指すことになった。
哲学する沙悟浄、こころの旅の物語……。
ノート20180728




