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読書/夏目漱石「倫敦塔」ノート20180617
夏目漱石「倫敦塔」感想文
英国官費留学をしていた漱石のエッセイだ。小品である。
有名なロンドン塔は、ロンドンを貫流するテムズ川左岸に築かれている。塔というより、居館を囲んで、中世風の高い城壁を二重に巡らせた城塞だ。この観光名所は、多くの王侯貴族が処刑されている。
十六世紀、女好きの問題児ヘンリー八世は、男子を生まなかったスペイン・ハプスブルク家から嫁いできた嫁を離縁して追放する。その後、プーリン家を始め、臣下の貴族たち子女を、とっかえひっかえ、嫁にしたり妾にしたりする。――王は、嫁たちを捨てるとき数人をロンドン塔で処刑した変態である。――だが結局のところ、男子は生まれたが幼逝してしまい、娘と妹が王位継承者になった。ヘンリー八世崩御後、英国の王位継承権を巡り宮廷闘争が激化する。まっさきに即位を宣言した、先王の妹レディー・ジェーンも、ロンドン塔で処刑された。
その後もあまたの名士たちが、ここで処刑されている。ゆえに、怨霊が塔に棲み着いているという噂があり不気味なところであり、漱石は、一度くれば十分な場所だとしている。
ノート20180617




