読書/ブルースト『失われた時を求めて1 スワン家のほうへ』 ノート20171013
~ブルースト『ブルースト全集1 失われた時を求めて 第1編 スワン家のほうへ』井上究一郎 筑摩書房1984年
全7篇からなる本作『失われた時を求めて』は、ジョイスの『ユリシーズ』と双璧をなす20世紀最大の傑作だ。『失われた時を求めて』の作者はブルジョワ階級の出自で、大貴族達のサロンにも出入りできる紳士であった。物語の述者《私》が分身だ。第1編の『スワン家のほうへ』では述者に徹しているのだが、第2編以降は、失恋と新しい恋とを経験して大人の階段を上り、主人公らしくなって行く。――貴族出身のサン=テグジュペリが『手帖』のなかで、大衆の感覚から遊離していると批判するところだ。
目次(wikiより)
第1篇『スワン家のほうへ』(1913年11月刊)
第2篇『花咲く乙女たちのかげに』(1919年6月刊)
第3篇『ゲルマントのほう』(1920年10月-1921年5月刊)
第4篇『ソドムとゴモラ』(1921年5月-1922年5月刊)
第5篇『囚われの女』(1923年刊)
第6篇『消え去ったアルベルチーヌ』(または『逃げ去る女』)(1925年刊)
第7篇『見出された時』(1927年刊)
失われた時を求めて
第1篇「スワン家のほうへ」
第1部 コンブレー
述者《私》が読書とうたた寝を繰り返す就寝時に、子供時代から今にいたるまで、思い出深い部屋の回想をしてゆく。それから回想は、家族とバカンスで滞在していた田舎町コンブレーでの思い出に移る。子供のころの《私》は、母親におやすみのキスをしてもらわないと気が済まない質だった。それだとういのに、隣の別荘に住む紳士の来訪によって邪魔をされた。それがスワンという紳士だった。
ところが、後年、冬、チット・マドレーヌを食べた時、コンブレーにいたときコンブレーの館に住むレオニ叔母がいれてくれた紅茶を連想。さらに、その香りが、当時の風景や人々を思い出してゆくのだった。幼いときの《私》と家族は叔母の屋敷の別棟に滞在し近所を散策した。スワン家のほうへむかうと、そこの令嬢ジルベルトを見かけた。他方で、ゲルマント家のほうにむかうこともあった。このとき、ゲルマント公爵夫人の伝説を知っていた《私》は、公爵夫人に憧れをもった。
第2部 スワンの恋
《私》の誕生以前のエピソードだ。スワン氏は、ユダヤ商人で株の仲買をしつつ画家フェルメールを研究する文化人だ。そんなこの人が、若かりし日に、高級娼婦オデットに恋をした。スワンは、オデットに誘われて、ヴェルデュラン夫人のサロンへ行った。このときピアノ演奏されていた曲には聞き覚えがあった。ヴァントゥイユという音楽家による作曲作品だった。やがて二人の愛は終わりを迎えるのだが、スワンにとっては、初々しい恋の一曲となった。そして新しい恋へと向かった。
第3部 土地の名、名
イタリアや北フランスなど、まだ行ったことのない土地の名前から、幼い《私》のイメージが膨らんでゆく。ところが、《私》は熱を出して旅行に行けなかったのだ。その代わり、シャンゼリゼ公園に出かけることを許された。初恋の女性、可憐なジルベルト嬢に出会った。二人の淡い恋が始まった。他方で、第二部で一度別れたスワンとオデットがよりを戻していて、二人の間にもうけられた子供がジルベット嬢だというのだ。
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