テレビ/名探偵ポワロ『葬儀を終えて』スーシェ版 ノート20171220
テレビ 名探偵ポワロ『葬儀を終えて』感想文
物語は機関車に牽引された列車で始まる。弁護士エントウィッスルが、地方に屋敷を構えるセレブ貴族リチャード・アバネシー卿の病死を巡って、不可解な遺産相続の話を探偵ポワロにする。
リチャードは独身で、弟一人と、妹二人がいた。弟夫妻には子がなく借金をしている。すぐ下の妹ヘレンはリチャード卿の看病をして最後を看取った。また一番下の妹コーラは、十代のときに、イタリア人画商と恋に落ち、駆け落ちしていたのだが、その後、離婚した。縁者達との再会は二十年ぶりだった。
このほかに故人となっている妹だか弟の娘二人がおり、葬儀に参列した。リチャード卿の縁者間は疎遠だったのだが、遺産のおこぼれに預かろうと、葬儀には伴侶と一緒に駆けつけてきた。
また屋敷には、老眼に悩む執事と使用人十名ほどがいた。屋敷は売却され、退職金を払い形見分けをすることになっている。
弁護士エントウィッスルは、葬儀の後、屋敷に戻ってきた一同に、故人から預かっていた遺言書を公表した。するとだ、リチャードの看病をしていた妹ヘレンの息子ジョージは、実子同然に卿から可愛がられていて、財産の大半を譲る旨を聞かされていたにも関わらず、除外されていたのだ。
このとき、末の妹コーラが、「兄は殺された」と発言したことで、ポワロが呼ばれることになったのだ。だが、そのポワロがやってくると、すぐに、コーラは殺害されてしまった。容疑者となる、疎遠な親族達の夫婦間の問題、愛憎、借金などでミスリードされてゆくのだが、ポワロは、コーラの話相手女性ミス・ギルグリストに着目した。コーラの遺産は、スザンナ・ヘンダーソンが受け継ぐらしい。そこにコーラの元亭主がやってくる。画商である元亭主は、部屋にあったのは画家を目指したコーラの下手な絵ばかりがあって、いずれも無価値だと断じた。
直後、ミス・ギルグリストは、毒薬ヒ素が入った、贈られてきたウェディング・ケーキのおすそ分けを食べて、中毒症状を起こし、病院へ担ぎ込まれる。
各容疑者の動機・アリバイを捜査検証した後、ポワロは弁護士を介して、容疑者達を屋敷の広間に集めた。その間、卿の上の妹ヘレンが、下の妹コーラの仕草の違和感に気づき、真犯人が誰か悟り、弁護士に電話連絡をしようとしたところ、後から鈍器でぶたれ、病院に担ぎ込まれた。
そして広間で、トリックの解明になった。ポワロは、このときまでに、コーラの元亭主を、ロンドンのアカデミーにやっていた。コーラがミス・ギルグリストに譲るということになっていた絵の一枚のキャンパスの裏側に、5000ポンドの価値があるレンブラントの絵が隠されていたのだ。
富豪リチャードが自然をすると、芸術価値の判らぬコーラの手元にレンブラントの絵があることを知った、画家の娘だったミス・ギルグリストが、コーラを殺害。ミス・ギルグリストは、二十年間、容貌の変化を知らない家族達のもとに、何食わぬ顔で、口癖にしていた思い出話や、コーラの鳥のような首を傾げる癖の真似をしたりして、周囲を巧みに欺いた。そして兄リチャード卿が殺されたと皆に吹き込んだ。けれども、ミス・ギルグリスト鏡をつかって練習したので、本人とは逆の仕草になり、故人の姉ヘレンが見破ったために襲われることになったわけだ。
不可思議な遺言の件は、殺人とは別件で、家族間の相続紛争に嫌悪感を抱いていた、相続人ジョージの悪ふざけめいた思惑だった。正しい遺言書は、玩具である人形の家から出てきた。かくして故人の遺言は正しく執行され、縁者達はそれぞれの日常へと戻ってゆく。
やっぱり、スーシェのポワロはいいなあ。
モーリス・フィリップス監督、フィロミーナ・マクドナー脚本、デビット・スーシェ主演、イギリス2005年。
ノート20171220




