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22話 おいしいご飯

 俺は鎧と剣を持って城へ向かった。

 ジョイスとおじさんは仲良くベッドで眠っていた。


 おじさんを起こそうとしたところに、ヘライオスがやって来た。


 「グラルド様。そこの酔っぱらいはいったい誰なのですか?ジョイス殿が連れてきたのですが……」

 「このおじさんと家を交換した。城に住まわせてやってくれ」

 「犬猫じゃないんですから、素性の分からない酔っぱらいを拾って来ないでくださいよ」

 「そう怒るな。このおじさんは酒さえ与えとけば手間はかからない」

 「…………」


 ヘライオスは呆れた様子でこちらを見た。


 「俺は娼館の裏道にある赤い屋根の家に引っ越す。用があればそっちに来てくれ」


 鎧と剣をベッドの脇に置いて城をあとにした。


 門の近くの通りを歩いていると守衛に出くわした。


 「おお、グラルド……様。お出かけですか?」

 「グラルドでいい。気を使うな。家に帰るところだ」

 「そ、そうか。そういえば俺、名乗ってなかったな。モン・バーンって言うんだよろしくな」

 「……いい名だな。よろしく頼む」

 「グラルドは城に住んでるんじゃないのか?王様になったんだろ」

 「娼館の裏の生家に引っ越した。赤い屋根の小さなお家だ」

 「家の近所じゃないか。飯はどうしてるんだ?誰か作ってくれる人がいるのか?」

 「それはどうせ一人身なんだろという意味か?」

 「いや、そういう意味では……。まあ、自分で作るタイプではないだろ。よかったら家の女房が作った飯持って行ってやるよ」

 「自慢か?」

 「ああ。こればっかりは自慢だ。家の女房の作る飯は世界一旨いんだ」


 守衛は相変わらずいいやつだった。

 嫁自慢は少々癪にさわるが、ここまで公然とのろけられては返す言葉もない。


 「……そうか。それじゃあご馳走になろう」

 「よしきた。後で持ってくよ。それじゃあな」


 守衛と別れて家に帰った。

 しばらくすると守衛がやってきた。


 「よお、グラルド。うわっ、なんか酒臭いなこの家。王様なんだからもう少し良い家に住んだらどうだ……?」

 「東京だったら一億円くらいする高級物件だ。問題ない」

 「東京?なんだそれ」

 「気にするな」

 「よくわからないけど、まあいいや。これ女房の料理な。王様が食べるって言ったら冗談だと思って笑ってたよ」

 「ありがとう。奥さんに礼を言っておいてくれ」

 「おお。腹が減ったらいつでも言ってくれ。それじゃあな」


 守衛の奥さんの飯は確かに旨かった。

 旨いと言うか塩味のある料理を食べたのは十年ぶりだ。

 小麦粉を牛乳でといて、多少の香辛料を加えたような料理。

 要するにシチューのようなやつだった。マトモなユグル料理を食べるのは初めてだ。

 パルマは豆ばかり食ってたし、俺は焼いた肉と茹でた肉くらいしか食わなかったからな。

 素材の味を生かすってやつだ。


 シチューを半分残して食事を終えた。

 残りは明日の朝食べることにしよう。

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