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学園島狂詩曲  作者: 水鏡
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尾坂直樹その2

 尾坂直樹その2


 同じレストランの片隅で、直樹は苛立ちと焦燥に身をぷるぷると震わせていた。

 彼の掌中にある携帯には、一つの卓を囲んでいるエリナとマネージャーの椎名の姿が映し出されている。ばれないように、離れた卓から、鞄に隠した小型カメラを通しての監視なので、会話は拾えず、観葉植物などに邪魔されているのもあって、視界も良くないが、大よその様子は知ることができていた。

 熱狂的なファンにとって、追っかけ対象のマネージャーは不倶戴天の敵だ。おっかけ対象にとっての異性で、年若いとなればもはや妥協の余地はない。そもそも、売り出し中の女性歌手のマネージャーを若い男にするとは、事務所の社長はどういう神経をしているのか。

 ただ、直樹があれこれ調べた限りでは、幸いにも二人は恋愛関係にはないようだった。今も、エリナは素っ気ない態度をしている。

 肝心のエリナの任務であったが、島に到着してからの彼女の行動を観察していた直樹は早くも見当をつけていた。

 狙いは宝樹だ。ほぼ確実だろう。島を買い取り、都市を作りあげてしまうほどの資本と権力を持つ財閥である。おまけに、二,三年前も不祥事が散々、報道されていた。今なお巨悪が潜んでいてもおかしくはない。そういえば、エリナのオフ会で知り合った奴が、学園島の大学生で、ミステリー系サークルに所属していた。そいつが調査の成果の一部をネットで公開していると言うから、直樹は暇潰しに見たことがある。その時は、三流オカルト雑誌みたいな低劣なものと切って捨てたが、もしかしたら、何かしら真実の一端を掴んでいたのかもしれない。せっかくだから、奴からも情報を求めてみることにしようか。

 どうにかして、エリナが行動を起こす前に、詳細な目的を知ることはできないだろうか。エリナの後を老いまわしているだけではだめだ。先回りしなければ。

 ただ、たとえそうだとしても、あのマネージャーは目障りだ。

 直樹は暗い情熱で、画面に映るマネージャーを凝視し続けた。


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