#25 月のピトリのカルマと地球のアストラル世界を生きたレムリア人
古い月の時代を繰り返した地球紀はレムリアと呼ばれている。
人類も第三根幹人類期の人間段階を通過していたがその体系はレムリアの地球の状態と合わせて、現在の一般的に考えられている人体と天体の像とはかけ離れたものだった。
まず地球という天体は岩石状態とはまだほど遠く「火の霧」だった。
だから大地も海も空気もまだ存在しない。
この火の霧は熱と光と空気に当時の人間の生命と魂が火と煙となって通過している段階の反映として顕れている。
火の霧そのものを人間と地球が共有する原初的な身体素材として扱うことで存在の区別がなかった。
人間は地球の火の霧と一体となって地球紀の人間進化のテーマでもある自我を宿した魂に相応しい器へと導かれる者と創りかえる者と逸脱させるものとが入り乱れる。
つまり、地球人類の創造に関わる神霊的存在たちもまた火の霧という流動的水蒸気物質を通して関わっていた。
その神霊的存在をピトリという。
彼らは神霊的存在ではあるが神霊位階のヒエラルキーには属していない。
しかし、元は人間であった存在が神霊への道を進んでいる途上段階の霊(自我)だった。
ピトリとは月紀にアストラル体を人間段階として通過した存在で人間形成に関わる”祖先にして神霊への進化前の存在の総称”に近い。
ただし、彼らは月の人間だったゆえに地球紀の私たちのような自由な思考を持たない。
いわば感情で物事を考えることを自己としたアストラル人間。
彼らは自分を認識する自我は持ち合わせていたが、その視座はアストラル体であり、月紀で人間段階としての自我的な思考はまた別の存在がその働きを担われることによって、彼らは月の人間としての進化の意味と理解とその成熟を高めていった。
そして、その後地球紀のレムリア紀において彼らはおおよそ三つの系統を進化過程として人類に関わった。
〇地球紀レムリアでの人間形成に関わるピトリ(※ピトリス=複数形)
ルナル・ピトリス(ルナリス)=地球のアストラル体として働く器を形成する可能性
ソーラー・ピトリス(ソラリス)=人間の霊的自我であるマナス体を通じた自我意識形成の可能性
不完全なルナル・ピトリス(ルナリス)=人間のアストラル体内部で人間と共に働く存在
彼らは地球のアストラル体という巨大なエネルギーと結びついて地球の人類進化を進行させる。
ルナル・ピトリスは火の霧という火と水の原型ともいる素材をもとに人間の人体を地球のアストラル体を通じて形成させていく。
火の霧にはある種の熱を帯びていた。
その熱の由来は地球の生命を依り代にした宇宙的生命体であるアストラル体としてのピトリスによるものであり、彼らが魂としての生命活動をすることによって生じた熱がやがて流動性を帯びた温血として中空の密度の差異をその温度に応じたものとして現れるようになる。
それが地球人類のすべてが共有していた原初の血液である。
彼らピトリスは人間の魂の通り道として火の霧の一部を温血へと変容させる。
そして、この温血が地球の火の霧を素材とした身体と人間のアストラル体とを結びつける熱の器となる。
これによって地球の火である外部と人間の肉体の原基である熱の器を内部とした境界が呼吸という形態を有して循環的な活動を地球と人間とで交換させながらレムリアの人類の創造は進められていく。
その過程で火の霧の中にゼリー状のたんぱく質の原型なるものも地球と人間の循環で取り込まれていく。
そうしてレムリアの人間体は少しずつ流動性と固形の間的な状態の柔らかなゼリー的な身体を獲得していく中で、人間と地球という内と外という互いに開かれた関係性は幕を下ろし、身体と環境という閉ざされた存在という魂の器としての人間が形態化されていく。
その魂の器への過程を可能にしたのが地球のタンパク素材が提供していた脳の萌芽である。
脳が脳へとなっていく設計図の中に存在していたのが「不完全なルナル・ピトリス」である。
彼らは地球紀の人間のアストラル体の形成を人間の外から提供する側ではなく、アストラル体内部で地球紀の人間の魂的活動と共に人間段階をやり直している存在のことである。
月紀の人間段階を通過した存在たちは須らく次の霊的段階を目指した進化を果たす。
しかし、月紀での人間段階の過程の成熟度に応じて、月紀の宇宙過程を終えた後の立場はまるで違ったものとして進化課題を担うことから、その成熟段階に応じて自分たちの後輩的な存在たちである地球紀の人類との関わりにおいて転生の仕方もタイミングもそれぞれに異なる。
その成熟度には進化の時間公式である七段階の法則がここでも適用される。
〇ピトリの七段階 ※月紀終了段階でのルナル・ピトリス
カルマの状態 地球紀への適応
第1段階 原始的な欲望/衝動 まだ身体を扱えない
第2段階 感覚的/自己保存的カルマ 身体との結合が未成熟
第3段階 他者への欲求・共感/反感 身体との結合可能性が生まれる
第4段階 人間的カルマの成熟 身体を使う準備が整う
第5段階 情熱を高次の対象へ向ける 理想・信念へ情熱を集中できる
第6段階 美への情熱 芸術・調和・形態へ向かう
第7段階 善への情熱 道徳的・利他的方向へ向かう
※より高度なピトリスとソーラー・ピトリスはまた別クラスの7段階を生きた
カルマとは月紀で形成されたアストラル体の傾向がピトリとなって地球紀の人間との関係において作用することである。
言い換えれば、彼らの月紀での成果であるアストラル体の化身であるピトリが地球の人間に何を期待するのか、要求するのか、与えようとしているのかのエネルギーが魂の差異となって段階的に働くことによって、地球のアストラル世界にカルマという階層が生じるようになる。
地球紀の人類は終生においてこのカルマによって輪廻転生を繰り返す。
月の時代より持ち込まれた魂の光が地球紀のレムリアの人間に降り注ぐ。
そのカルマの階層が火の霧の内部から過度に作用することで地球は急速に硬化していく。
硬化といっても現在の物質化という意味ではない。
火の霧を構成し、流動させ、運動させていたアストラル体のカルマの流入による力の作用が階層化していく過程で様々な欲望が固定化し、形を成して、生まれていく生殖の作用である生命性の凝固化による物質性の原基が火の霧の気体性をゼリー状の流れへと地球と人間素材を変容させていた。
こうした月の作用による地球の変容を不適切とした魂が地球への転生を拒むようになる。
それまでのアストラル世界が抵抗のない気体の流動を「体」としてきた魂たちにとって、地球紀の新しいフェーズである物質化への方向そのものの兆しがもうすでに「生きにくい世界」であり、その場を自らの進化の場として結び付けないことを選んだ魂たちがいた。
彼らは自らの生きやすい場所として地球以外の惑星に転生する。
レムリアの地球は月のあまりに強すぎる作用によってミイラのような殻に亡者のような魂が活動する死の天体へと形成しようとしていた。
こうして月のカルマであるピトリスの流入によって地球のアストラル世界は荒廃する。
しかし、わずかに残った地球の魂たちは慣れない魂の器にも適応の姿勢を見せる。
彼らは新しい環境からの抵抗を自らの輪郭として引き受ける魂となる。
彼らの魂は地球での新たな抵抗を自らの進化の素材に変換できる意志をやがて獲得する。
レムリアの時代の初期に生じた極端な環境の変化である硬化する地球という新しい流れには、地球紀の神々であるヒエラルキー存在のより上位にいわする根源の意志が予め形成作用に含まれていたことによる、ある種の選別的な意図がメインのシナリオとして組まれていた。
地球の物質化へのその心は自分自身の中心を獲得する最大の克服試練として用意される。
それは生殖条件の変化だ。
月紀の人間であったピトリの魂をただ受け取っていたレムリアの人間は当初両性具有だった。
アストラル人間であるピトリは自らのアストラル体を与えることをレムリア人の繁殖機能に反映させていた。
しかし、月紀のすべての人間段階だった存在たちがピトリとなることで、魂として人間的な成熟を果たせていなかった存在までが地球のアストラル体に欲望するその投影を単一的に増殖することで、あらゆる低次の欲望が容易に地球の人間に感染することであまりに強すぎる地球の硬質化が進行する。
両性具有のレムリア人による単一自己生殖はいわば月の人間が地球の人間を産んでいるようなものだった。
それを不適切とした魂たちはその荒廃したアストラル世界を後にしたのだ。
地球のアストラル体がピトリのアストラル的な意志によってレムリアの人間に提供される。
それはピトリによる生殖の意志であり、ピトリの操り人形として生まれることを意味していた。
そこでエクスシアイのエロヒムであるデュヤニは地球人の設計図として太陽に続いて月を地球から切り離す。
デュヤニは月の形態神であるヤハウェにそう働きかける。
ただ月の意志でもあり創造主でもあるヤハウェはその提案にいくつかの懸念を申し出る。
成熟していないピトリスはどうなるのか。
地球の人間へのアストラル体の提供をどうするのか。
他惑星に転生した元は地球の魂をどうするのか。
ソーラー・ピトリスと切り離された月の関係はどうなるのか。
創造主の指示は、各ヒエラルキーは、キリストはなんとしているのか、などといった課題を残しながらも月の魂が地球に固定してしまうシナリオを回避するために、月紀の強すぎるアストラル成分が地球内部から切り離される。
こうして月は地球の衛星として周回する外部天体となる。
それにより地球の生物の多くを両性具有ではなく雌雄生殖型へと作り替えられる。
月の強すぎるアストラル作用の一因に自らの意志の増殖にあったことから、魂の増殖と同期していた生殖機能の一部を外部の月へと移すことによって、蛇の脱皮のように容易に自らを脱ぎ捨てて新たに生まれ変わることのできない抵抗を人間の魂に設けることで人間に男女の差異が生まれた。
その大きな抵抗を境に人間は思考する言語と個別的な自我を芽生えさせていく。
そして、この月の分離を契機に地球に残った強い抵抗に適応を見せた魂は自由を獲得していく。
ディヤニはそれによる人間の顛末を知らないことを知らない。
デュヤニとは地球紀宇宙全体の形成を担う形態の神霊の惑星体である。
エクスシアイはすでに地球紀の宇宙体として自らをナメクジに、その殻を自分の分霊であるエロヒムたちに各惑星及びその宇宙の調停を各ヒエラルキーに委ね、その身を宇宙計画に捧げているいわば太陽系惑星の総監督として君臨すれど統治しない地球紀宇宙の「体」そのもの。
エクスシアイが「地球紀宇宙の身体」なら、デュヤニはその身体のうち地球という器官を担当する形態霊という分神、エロヒムとして地球という天体の「惑星神霊」を担っている形態霊の意志にして断片的な存在だった。
同時にデュヤニは地球紀の人間の人体に自我を搭載させるための形成的使命を担っている。
月の作用による魂の硬化と分離は月の力を超えて活動をする地球紀の人間自我の形成に不可欠だった。
エクスシアイ側/デュヤニ=「人間(自我)が住める形態を作る」
地球側/ルナル・ピトリス=「その形態を魂として生きる」
月側/ヤハウェ=「形態形成を外部から調律する」
レムリアの人間は月を感じることができるようなった。
それまでは魂の世界にどこからか聞こえる声にただ熱の濃さと薄さに熱の無い冷たさを感じるだけであった。
その感覚が月の存在によるものであることがわかるようになる。
かつて月の存在はあまりに強すぎる光として、人間の感覚を自分がどこにいて何を見ているのかもわからない夢のようなまどろみの世界でピトリのアストラル体を見せるのでなく、ただ温度差を感じるだけの世界として投射され続けていた。
月の力には外界の対象を目で見るというより魂の世界を霊的な像として感じ取るための作用が働いている。
レムリアの人間はその月の作用そのものと一体化していた。
それが地球からの月の離脱と共に内側から押し寄せていた強い月の光がレムリア人たちの中から退き、自分の内部にあった像が今や自分の外側に在るものとしての区別することを助ける光とがある知覚を見るようになる。
こうして人間の感覚の世界にやがて昼と夜として現れる二つの霊的な光が魂の中で働くこととなる。
マナスの光である。
この光と闇を感じる器官としての眼は単眼だった。
厳密にはまだレムリア初期から月離脱前後の人間には目をはじめとした臓器はおろか骨格を軸とした人体構造のための物質体は依然として構築されていない。
しかし、そのための青写真である設計図はディヤニの意志にあって、その意志はアストラル世界を生きるルナリスの魂に反映されることで、各臓器及び人体の骨格の物質形態等の精密な構造と構築のためのプロジェクトは地球のアストラル体の中で種子から萌芽としてすでにレムリアの非物質の人間段階から月の光とマナスの光の中という二つの光の中に用意されていた。
月と一体だった頃には月のアストラル光を受け取るためだけだった眼は単眼だったが、もはやその魂の光が退くことでレムリアの人間のアストラル体にはマナスの光が差し込むことによって、人間の眼は「世界を感じる窓」ではなく「世界を魂の内側に映す鏡」へと移行していく過程の中で神経系の収束である脳が人間の思考する器として準備されていく。
その働きを遂行させていたのがソーラー・ピトリス(ソラリス)だった。




