#18 人間の魂を超越した蜂の神様の心象世界が解放されたらこうなりました
ここでいう人間段階とはどうやら自我のことではないようだった。
月紀の人間段階と聞くと動物にはない自我があって、直立していて、考えて道具を扱い、自由に環境を動き回る月人間をイメージするかもしれないが、それはまるっきり地球の人間存在を月の世界に置き換えたに過ぎない。
地球が存在する宇宙と月紀の宇宙は次元を違える地続きであることの関係においてそういう結びつきではないのだった。
では、月紀の人間段階の人間段階とは何だったのか。
それは月紀の宇宙に初めて出現した魂の実質であるアストラル世界を知覚することのできるアストラル体という進化体の完成させることを目的にした存在、とある。
少なくとも、設計者の認識である月紀の人間段階の形態アーカイブにはそうある。
つまり、人間段階とはその宇宙における最高の進化のための活動を直接的に促進、完成させる存在とあった。
だから、地球紀の前宇宙である月紀の宇宙にはまだ自我は存在しなかった。
自我は地球紀の始まりからの過程の中で初めて宇宙にもたらされた霊的にして神的権能であり、地球という宇宙紀の中で最高水準の進化体を発達させるべく用意されたのが物質という鉱物存在および地球を直立で歩行し、対象を思考することで様々な対象に対して自由な愛を注ぐことのできる自我を有した進化の促進と完成を目指しているのが地球紀の人間段階だったのである。
その地球人類の存在意義の理解を深めるためにも月紀の人間段階の理解は不可欠だった。
月紀の人間段階に達していた存在が行っていたことは、地球紀の人間段階の存在が自我をもとに自らの子供を育てるように、彼らは月の宇宙を構成する最高水準の進化体の魂の断片でもあるアストラル体として、月の動物段階の存在たちに働きかけることを使命としていた。
彼ら月の人間は流動する身体で動物存在たちの身体を包み込むように存在し、月の生命体として活動する動物たちのアストラル体として、自らの持つ感情の躍動という衝動を動物生命体の外部から干渉し、提供し、感じさせることで月紀でのアストラル体の完成を目指していた。
その関係性は月紀の動物たちにとって感情が巻き起こす情動や欲望は自分たちの物ではなかったということを意味する。
アストラル存在として感情に応じて流動する力が動物たちの方向性を駆動させていたとでもいうような関係性に近かった。
その関係性は夢のようなイメージとして月紀の人間の視覚に現れていた。
それが色彩だった。
そして、その色彩は月の世界が放つ色そのものではなく、視覚に出現している形態の情報や感情の状態までもが反映された反射そのものを彼らは世界との関係であると認識していた。
例えば、赤い蛇が接近してきたとしよう。
地球の人間であれば、そのまま赤い蛇がいる、ヤバいな、毒も強烈そうだ、でも近づけなければ大丈夫だから静かに立ち去ろう、みたいなことを対象の姿形を知識に応じた分析しながら対応を考えることから、何も知らなければ不用意に近づいて即死もあり得るのが現代人の認識だ。
しかし、月紀の人間はアストラル的に赤い蛇を見つけると、赤く攻撃的な形態を魂にした存在が接近しているとして本能的にその危険度と敵対関係の度合いをその色彩から判断し、行動することができたことから、いわばアストラル体が展開する世界認識は色を用いたレーダーのような機能で月紀の人間と動物存在とを結び付けていた。
よって、月紀の人間は”赤という色彩がそこにある”という認識ではなく、”赤との関係がある”のを認識していたのである。
有益・親和的
▶ 明るい黄色系・緑
有害・不快
▶ 血のような赤、暗く醜い像
色と形
▶ 相手の性質・親和/敵対・有用/危険を正確に表現
月紀での色彩とは「世界の色」ではなく「世界が魂にとって何であるか」の意識をも示すサインだった。
赤=外界が自己へ侵入する
▶世界から迫られる脅威度
黄=外界を自己が受け取る
▶世界を受け取る有益度
青=自己が外界へ開く
▶世界への献身と敬虔の超越度
緑=自己と世界の均衡点
▶世界との調和と均衡の調和度
月紀ではこの色彩こそが存在の意味であり世界の形だった。
また、その世界では色彩の持つ意味の中であらゆる対象が形象存在として生きていた、というより動いていた。
これはどういうことかというと、月紀の自然環境は地球のような物質的な形態を持った円形の天体という地盤の上に植物があって、生態系があるという宇宙体系ですらなく、月紀宇宙のその性質は水のような流動する生命そのものだった。
だから、月の世界には物質という対象物は存在せず、流動する生命そのものが形なき環境としてすべてを流動させ、動物も植物もあらゆる存在がその流れの中で具体的な境界を持つことなく成立していたことから、それぞれの生態系段階の器である身体さえも流動を構成成分にしていた。
その存在の形象と性質、危険性や親和性といった意味を反射させていたのが色彩なのだ。
そして、その色彩こそが月紀で人間段階として活動していたアストラル存在たちの世界への作用そのものだったのである。
そのことを逆説的に見ると月紀の流動する生命の世界そのものには色は存在しなかった。
ただ、月紀の流動する生命世界を知覚している魂の存在である月の住人たちがアストラル体として、月宇宙の環境そのものに入り混ざり込みの広がりとスケールが多種多様化して、流動する生命世界への魂的な姿勢、活用、受容といった認識の術の段階等の在り方が境界を持たない互いが互いの存在のグラデーションとなって出現していた。
そのグラデーションの色彩が夢の世界のような形象となって互いに認識しあっていた関係の月宇宙の世界がいわゆる「アストラル世界」と呼ばれる魂の色彩を階層化した宇宙となって、その月宇宙そのものの生命を読み解く権能として働いていたアストラル作用はやがて月の動物たちが生命だけでなく魂をも色彩として知覚する素養を開花させる方向へと導くまでに至っていった。
【月紀の人間段階と動物段階】
〇月紀の人間段階=アストラル体という世界を感じる魂の作用を色彩という現象を通じて変容させ完成を目指す存在
▶アストラル体という色彩としてアストラル世界そのものの意味と形態の概念として月紀に存在したアストラル的色彩をした感情体の原型
※自我はまだない=自我は地球紀にて初めて宇宙に降りた神的な霊であり、月紀宇宙の最高段階はアストラル体という魂の形成だった
〇月紀の動物段階=流動する生命を身体としてアストラル世界の知覚を通じてアストラル体の獲得を目指す存在
▶アストラル作用を身体に結びつけ、月紀の人間段階が色彩として提供してくる魂的な衝動を生命活動として定着させることで、獲得した魂の能力を身体へと形態化させていった地球紀の人間存在と動物存在の原型
※地球紀の人間存在と動物存在の違い=月紀の終わりにアストラル体を自己としたか、動物の形態そのものを自己としたかの分岐的帰結
金人「ふーん、”改善できない月”の責任と真摯にねぇ…」
蜂神「そうだ、お前らが進化の分岐のことも知らずに好き勝手に停滞する魂を放置し続けた顛末を再び持ち越そうとしている未来の可能性がオレにだって見えてるんだからな」
金人「そんなに言うんだったらデュナミスを呼び出しますか…」
蜂神「デュナミス様!?」
金人「だって、魂の分岐的な帰結の責任を取らせたいんだよね?だったら、その根っこにいるデュナミスに直接問いただすのが手っ取り早いし、筋道として合理的だろ?」
蜂神「だからって、デュナミス様を出すことないだろ!?あの方はすべての魂の神みたい存在だからお前が考えてる宇宙よりもはるかに多様な神域そのものであるお方で、そのあまりの忙しさから本人さえも本体がどこの誰だかわからないくらいになってて…とにかくデュナミス様はやめとけ」
金人「もしかしてデュナミスのこと古い月よりも前から真理のひと柱で居続けてるからとんでもなくボケてると思ってる?」
蜂神「ボケてるっていうか、間違ってホントにデュナミス様の基本原型でも召喚した日には、オレが神格形態のアストラル体をしたデュナミス様の原型翻訳する羽目になるでしょうが!」
金人「ですよね、だからこそデュナミスなんですよ!今ここで!」
蜂神「バカ!マジやめろ!オレはお前らの話をしてるんだよ!デュナミス様は関係がない!」
金人「関係がないだなんてよく言えたものですねぇ、やはり生みの親に一言でも躾けについての伝言をさせてもらわないといけませんねぇ」
蜂神「親は親でもこちらとしっかりオレはオレとして自立してるんで余計なお世話なんだよ…」
金人「本気で抵抗する気ですか?」
蜂神「舐めるなよ、デュナミス様が出る幕もなく、オレ様の神的心象世界でお前らがお手上げにしている”改善できない月”への対処方法をわかりやすく見せてやんよ!その崇高な魂が砕かれたとしても文句はなしだからな」と蜂の神様は黄色と黒の危険色をしたオーラを解き放つ。
金人「面白い、見せてもらおうか、蜂の神の権能というものを」と金色の若者は纏っていたオーラをバチバチとさせながら蜂の神の途方もない攻撃的抵抗の意志への臨戦態勢に入っていく。
そうやってデュナミスと呼ばれる存在を呼び出そうとする意志とそれを拒否する力とが心象世界となる様が展開される。
心象世界とは人間段階にある存在の魂に固有能力を提供している階層領域のことだった。
いわゆる能力と才能とが人格的な性格を有して存在している場所のことである。
役に立つ才能、珍しい才能、極めて特殊な才能といった優れた能力のことを一般的には才能とするわけだが、その多くは過去の魂の経験が物理的な肉体に表現となって顕現した技術的な能力のことで、それらは古い月の時代に由来する魂の世界にアストラル体となって活動する存在として保存されている。
例えば地球の動物の場合には月のアストラル体に基づいた本能と感情体がそのまま生存戦略に適した身体体系となっていることから、その形態こそが能力であり、多少の個体差はあれど種そのものを規定している形態の持つ身体能力そのものが魂の固有能力であることから、彼らのアストラル体は群霊という形式と体系が階層となった世界に保存されている。
一方で、人間の場合には身体のスタイルに応じた能力に加えて、個別自我を共有する人間同士のコミュニティで生き抜くのに有効な精神性である人格による性格の長所や欠点もが魂固有の才能としてカウントされ、研鑽し使い尽くされた魂の能力と才能は肉体が死してなお保存され続ける。
その保存先も動物の群霊魂と同様の月のアストラル世界だった。
ただカルマを持たない動物たちの魂と違い、人間の魂は肉体を脱ぎ捨てたのちに地上で所有していた能力と才能は七つの宇宙的階層を通過していく内の、月の回廊で堕天降下する地上的因子と霊化上昇する霊的因子とが7つの段階にて選別される。
【月の回廊での7つの段階と階層領域】
⒈燃える欲望の領域:肉体を維持する欲望、欲求が支配している魂の段階が留まる階層
⒉流動する感受性の領域:肉体の快感や刺激生殖的な衝動が支配している魂の段階が留まる階層
⒊願望の領域:自分のエゴを満たそうとする個人的な願望や情熱が渦巻く魂が留まる階層
⒋快不快の引力と斥力の領域:魂がまだ地上の思い出に強く引かれるも跳ね返される魂の境界的段階
⒌魂の光の領域:地上の芸術への心の共感が光となっている魂の階層
⒍魂の活動力の領域:地上で他者のために行った魂が力を持ち活動している段階の階層
⒎純粋な魂が生活している領域:宗教への敬虔さや高次の宇宙への真理への純粋な憧れという物質からの最後の観念階層
こうして人間の魂は完全に物質的観念から解脱することで霊界が自らの故郷であったことを思い出す。
地球の人間であればその精神性を魂の五層以上の階層を垣間見ることができれば、そのイメージを地上の対象物に自分の直感に順じた心象を表現することができ、その影響力はそのイメージの共感の数だけ支配的な力の作用として発揮され、他の魂にはない唯一無二の固有能力である才能が迸ることで人間社会では十二分に突出した存在として君臨することができることとなっていた。
しかし、今認識している二人の存在は人間の魂を超越した神々に属する霊的魂を司る力を行使しようとしていた。
その心象世界は個の想像を卒業した思考のもとでのみ得られる領域でのものだった。
【霊的世界での七つの段階と階層領域】
第1領域:地上存在の霊的原型の領域=地上で生きたものの霊的設計図を見る階層(物質=思考存在)
▶家族や友人、その他地上世界で愛した存在との関係を結んでいた霊的思考の力が見える=その愛の経験が能力に変換
第2領域:生命の流動・共同体の領域=生命そのものが一つの全体として流れているのが見える階層
▶個別に見えていた生命状態の背後には統一的な生命の糸の霊的思考が見える=地上で共同体への所属の経験が変換
第3領域:魂界の原型の領域=「私の欲望」だったものを「すべての存在に共有される魂の働き」と見る階層
▶自己中心な欲望が消えて自他の感情を分離する境界が薄れて見える=他者と共同体の魂のための奉仕経験が変換
第4領域:人間が創造した世界の原型の領域=芸術、科学、技術、国家、伝統芸能のあらゆる文化の霊的原型を見る階層
▶純粋な霊界への入り口として地上で得た才能を保存する芸術家、発明家、技術者の霊的思考の力が見える=才能への変換
第5領域:自我の本質・意図・目的の領域=「本当の自己」である霊的自我そのものを見る階層
▶過去生での経験をカルマとし、次の未来の条件を必要な経験へと整理する力が見える=過去の運命を未来の実現への変換
第6領域:宇宙の意図に従う領域=宇宙全体にとって何が起こるべきなのかを見る階層
▶「これが宇宙世界にとって必要だから私はこれをする」という宇宙秩序への力の作用に参加=宇宙創造への変換
第7領域:自我的生命の種子による三つの世界(物質世界、魂界、霊界)の境界を見る階層
▶高次の世界から送り込まれている物質世界、魂界、霊界をつなぐ生命の原基そのものを見る階層=自分は何者なのか?の問いが真理へと変換(存在の大いなる謎が解消され宇宙全体の何を担っているのかを把握することのできる力、権能)
彼らの心象世界は完全に霊的世界上層の階層から展開されているようだった。
動物種昆虫の蜂の神である蜂神は霊界の第三領域から引き出されたもののように思われる蜂たちの行動原理となっている女王の巣をひたすら構築する魂の意志を自らの武器として顕現させたかのように見えたが、そこに第六領域の一部である蜂の持つ宇宙創造の力である「すべては女王という太陽のために」という霊的階層での心象を世界化したかのような空間を具現化したもので何らかの攻撃態勢に入っていた。
それを自称設計者を名乗る金色の若者は冷静にその能力を思い出しながら分析していた。
【すべては女王という太陽のために】
効果:世界を巨大な蜂の巣への変換=心象範囲の存在すべてを蜂と巣の一部へとその役割を強制的に変えられてしまう
攻撃:変換した蜂たちによる全方向からの多段持続攻撃及び毒効果
範囲:心象の及ぶ範囲全域(数mから惑星レベル)
継続時間:蜂神の意志しだい
本質:一本化された支配による作用の行使
▶心象世界に存在する生物すべてを女王の活動力に替える支配系能力
金人「まったくとんでもないな…」




