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天使の声が聴こえてくる ~魂を覗いてみたらあるはずのものがない世界が見えました~  作者: ばんだな
天使の声が聴こえてくる

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17/32

#17 改善できない月のアストラル世界という課題を蜂の神様に相談し始めた 

アストラル世界とは星の世界であると同時に魂の階層領域のことでもある。

と言っても、誰かが住んでいるとか、魂だけになった特別な体を持つ何者かが存在している、とかの世界ではない。

アストラル世界はあくまで星の作用がそれぞれの魂の形態に応じた範囲で流れている力である作用体系のことであり、物質宇宙を構造化している階層の一翼を担う魂の領域を一つの「体」として降ろしているのが、地球では人間と動物という存在でその魂の作用を顕現させている階層が個体化した「体」的現象のことをアストラル体と呼んでいる。


ちなみに「体」とは肉体のことではない。


ここでいう「体」とは一種の権能が持つ階層領域の境界のことである。

例えば肉体の肉は物質世界の中で物質階層を共有している人間や動物の「体」の一部のことだ。

そして、死体のことでもある。

純粋な肉体とは生命も魂も自我も存在しない物質の力だけが作用している階層領域のことだからだ。

またその観点からすると純粋な物質である肉体が支配している権能とは死であることから、もしもこの宇宙と地球及び人間を物質だけで完成されている秩序なのだという考えがあるのだとしたら、たとえ無意識であったとしてもそういった考えと信仰は自ら死の世界の住人であることを道とする虚無の領域へと進んでいる。

そして、そういった意志を生とした世界観のアストラル領域もまた設計者のとある階層が示す認識には存在していた。


さて、その意味でいうアストラル体とは宇宙を階層とする魂の世界が投影されている「体」的領域のことである。


その反映はすべての存在に作用している中でも人間と動物のアストラル体の作用がとてもわかりやすい。

要は快と不快を知覚してその色を熱として表現する感情と呼ばれるある種の運動器官のことだ。

感情は一見すると脳および身体全体で発生させていると思われがちだが、その解釈は地上の人間自我による誤った思考による錯覚であり、実際の脳や身体はこの感情というアストラル作用が対象を通じて感じ取った現象への反応のことなのだ。

また、感情は身体を巡る明確な運動器官だった。

その器官の地上的身体器官は血液と神経のことだ。

例えば、血の気の引くような恐怖や不安には悪寒が走り、目が充血するかのような怒りや憎悪には血管が膨張し、かたや好奇心や恋愛への期待感には沸騰するような熱を帯びた興奮と高揚が全身を駆け巡る。

そういった感情が強く顕著に血液内を運動している際には些細なことに神経が行き渡らない程度には夢中になっている暁には、まるで動物のように快と不快に支配されることで、人間とて思考する我を忘れた行動を躊躇なく行わざるを得なくなる。


そのことからも感情という魂の作用であるアストラル体は人間と動物とで共有していることがわかる。


動物たちはこのアストラル体の作用にかなり直接的に従う存在である。

彼らはあらゆる行動にアストラル体が優位に働いた結果を行動原理として、その固有の身体形態に基づいた快で捕食をし、巣を作り、生殖を可能とするコミュニティを築く一方で、快ではない不快な対象と遭遇した時には闘争のための攻撃態勢に入り、直感的な拒否反応を感じた際には回避逃走をも厭わない。

こういった行動原理である本能はすべてアストラル体によるもので動物たちの魂はその階層で留(・)ま(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)存(・)在(・)にあたる。

ただ、その留まっているとするのはあくまで地上の動物たちの群霊的なアストラル体の作用のことで、その群霊の種ごとに存在しているアストラル体の個別器官を通じて、個別に行動原理の原型、原則、原理の条件を形態化させたそれぞれの動物種を収束させている親玉がアストラル世界には存在している。

収束と言っても、千や万の動物たちが集まって一体になっているのではなく、元々の一体から動物たちの一生が流れ、親玉の心臓のような器官から種族全体の衝動や本能が並列化し、その手足から伸びた神経回路を彷彿させる青白い線の束が地上の動物種の群霊とつながり、その平面的なアストラル体を地上の彼らの相似的な水平姿勢を形態としてリンクさせている。


そんな動物種の王とも言える一人の存在が設計者の足元となっている平面宇宙の地面から現れている。


動物群霊の主である中の蜂の王がなにやら設計者と会話でもしているようだった。

蜂の王、いや人型をしているからいわば蜂人間とも言えなくもない。

だが、地上のすべての蜂たちの中枢とも呼ぶべきその形態は人型であるからと言って人間の形態を獲得しつつあるなどという形容では生ぬるく、金の糸と白い太陽のような核と銀色の輝きに覆われ、その支配体系を調和的に統合している神々しい姿はもはや王ではなく神…

蜂の姿をした人型の神の類であろうその存在感はまさに神にも似た権能で次元を超えた立場で認識を俯瞰する設計者と肩を並べるに相応しい佇まいをこの世界で見せていた。

その出現にはこの世界の地面である星々の作用を受けているのが確認できる。

七つの天体が太陽を中心にその力を色と熱に変えた作用がアストラル平面の凹凸となって、地上とはまるで違う地平線の存在しない無限の足元の上に、設計者と蜂人間ならぬ蜂神はまるで談笑でもするようにその意志と意図をその邂逅の中で交わしているのが聞こえていた。


金人「どう?見つかったかい?」

蜂神「いや、見つけられない」

金人「そうだろう?」

蜂神「そうだろうって、そんなんじゃお前らの問題は永遠に解消されないぞ」

金人「問題が解消できるかどうかは問題じゃないんだなぁ」

蜂神「ほう?」

金人「我々の仕事は問題のない宇宙を模索することじゃない」


設計者は足元に広がる宇宙空間のような地面から地球の第五紀の第五文化期時代の形態段階を引き上げる。


金人「完全に問題が解消された世界では何を選んでも結果が予定調和で完結してしまうんだ」

蜂神「だが、お前以外の神々はそれを望んでいるぞ」

金人「あの方たちとは使命が違うのだよ、使命が」

蜂神「違う使命なりの問題の解消された結果もあり得ると思えるが?」

金人「だから問題の解消は課題でも使命でもないのだよ、善を選ぶことにも、悪を選ぶことにも、もう意味がないという未来を想定した宇宙原理の想定をしているわけで、だから我々が模索すべきなのは悪のない宇宙ではないのだよ」


設計者は地球のアストラル状態をその虹色の瞳で照らすことでその思考段階を立体化させていた。


金人「我々が創造の過程としなければならないのは善を選ぶ必要のある宇宙なんだ」

蜂神「でもお前らの使命は自由意志の実現で、自由であることそのものが善である以上永遠に問題を残し続けているかぎり、あらゆる決定の意志が善判定になってお前やオレたちが大切にしていることがこれからも破壊されていく可能性が消えないってことだぞ?」

金人「そうなるかもしれないなぁ」

蜂神「それは随分と無責任じゃないか?」

金人「そう見えるか?」

蜂神「見える、お前には”改(・)善(・)で(・)き(・)な(・)い(・)月(・)”ともっと真摯に向き合うべき責任がある」


改善できない月。

それは”もはや変えることのできない決定”が下されることとなる因子として存在している魂の階層のことだった。

今、この若い設計者と蜂神はその改善できない月が及ぼしている宇宙全体への影響の現状とその未来についての可能性と決断の模索をしている最中にいた。

改善できない月が展開している魂の階層が放つその影響力は甚大だった。

すでに物理法則の存在していない宇宙進化段階にある世界の最底辺はアストラル世界として宇宙全体の基盤となっていた。

その基盤は格子状に平面展開されている亜空間として霊子分解的に魂的形態を霊的存在へと変換させてきた痕跡としてなおアストラル作用を保持しながら、かつての天体としての月の名残を究極にまで高めた魂の根源的影響力をあらゆる存在にまき散らす活動によって、宇宙の目指すべき秩序を著しく妨害していた。

その妨害作用という概念の始まりから終わりの見えない月の可能性を彼らは議論しているのだった。


祖父はその議論における彼らの把握してるであろう叡智のアーカイブの一項目である月に関するインデックスを俯瞰していた。


その流動内容はまるで日記のようでもあり、宇宙の参考書でもあり、神話だった。

彼らはこれまで人類進化を進めている宇宙的な過程の中で人類が多くの魂的要素克服のための手助けをしてきた。

魂の持つ権能の本質は対象世界を反射すること。

反射していたの環境とは宇宙を顕現させている存在であり、魂に生命を提供している存在でもあり、その魂が適切に活動するための仕様にサインを送る存在からの反射に反応することの「体」であるアストラル体が人間に初めて提供されたのが月の宇宙だった。


それを月紀という。


月は地球以前の宇宙の中心としてまるで水のように流動する魂の実質が作用する動きを天体とした核が月紀という次元を展開していた。

その月紀の世界観がアストラル世界の原型である。

地球の前宇宙である月紀にて人類は初めて魂を獲得した。

月紀にて動物段階だった地球紀の人間に自我はまだなかった。

ゆえに月紀の人間は自我以前の動物段階を精神としたアストラル体を生きた。

自我及びその他霊的素養はまだそのアストラル体の内部で種として存在するだけで、「私」や「自分」という概念を持たないままに月宇宙を漂う彼ら動物体の夢の中でのみ活動する、ただ与えられた衝動と本能のままにその力の限りを行動原理とした魂に浮かぶサインに従うだけの存在としての月の世界の生命体が前宇宙で動物段階に属していた地球の人間の状態だった。

はじめは躍動という運動そのものを目的とした衝動だった魂に、少しずつその活動概念を多様化させるために宇宙を拡張させていく試みを反射させていく内に、一つの本能だった魂がその多様な反射に応じた知性や能力を衝動とすることで固有な性格をそのものを「体」とした様々な形態へと流動的に変化させていった。


その魂の変化と成長を外から導いていた存在が月紀において人間段階を獲得していた者たちによって行われていた。

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