第02話 異世界に到着 1
扉を潜ると、そこは森の中だった。
上を向いても前後左右を見渡しても、木しか目に入らなかった。
「もう少し、街の近くとか、街道沿いに出してくれても良かったのに」
取り敢えず、目的地を定めなければならない。
「出でよ!!管狐」
キュ~イ!
呼び掛けに応じて4匹の細長い狐、管狐が身体に、まと割り付いて現れた。
「街か街道、川とにかく人の住んでそうな情報を探して来てくれ。取り敢えず30分を目安に戻ってこい」
キュイ!!
一声鳴くと、管狐達は頷くと東西南北に散って行った。
「さて、と。一応護衛も呼んでおくか。出でよ!!骸武者、足軽髑髏!!」
晴明の呼び掛けに応じて、鎧兜の武者が2体、軽装の足軽が10体現れた。
全て骸骨であるが。
「後は管狐が戻って来るのを待つだけか、そう言えば、神様はレベル上げとか言っていたけど、ステータスとか有るのかな?ステータスオ一プン!」
すると、目の前にステータスウィンドウのようなものが現れた。
それによると、
安倍晴明20歳
Lv1
HP 30/30
MP 30/120
妖怪使い Lv2
アイテムボックス
鑑定
と表示された。10歳若返っていた。
MPがかなり減っていたので、調べて見ると
管狐Lv1 消費MP5
骸武者Lv2 消費MP10
足軽髑髏Lv1 消費MP5
ということが判明し、Lv2以上の妖怪は呼び出せ無いことが分かった。
「と、言うことは牛頭鬼、馬頭鬼や他の高位の妖怪はしばらく呼び出せ無いのか。
この辺りのモンスターのレベル次第では厳しいかもな」
更に調べるとアイテムボックスには、いくばくかの硬貨と食料品、1本の日本刀が入っていた。
これは、神様からの贈り物かな?と思った。
そんな事を考えていると管狐達が帰って来だした。
東西南はずっと森が続いているようだが、北には街道が通っているようだ。
しかも、北に向かった管狐と感覚共有すると馬車がモンスターに襲われているようだった。
晴明は、管狐に道案内させると骸武者達を引き連れて襲撃現場へと向かった。
「あそこか」
襲撃現場は1台の馬車に、1台の荷馬車の2台編成の商人のキャラバンに、緑色の小鬼が百匹近く群がっている状態だった。
6人ほどが奮戦していたが、2人が倒れており全滅するのも時間の問題だろう。
小鬼を鑑定して見ると、
ゴブリン
Lv1
HP 15/15
MP 0/0
と出た。
他にも鑑定してみたが、大体同じような感じだった。
出来れば、最初は、より少数の敵を囲んで安全性を確保してLv上げに励みたかったが、しょうがない。Lv2の骸武者も居ることだし何とかなるだろう。
「援護は必要か?」
まずは、キャラバンの護衛に確認を取る。
後で、問題になっても困るからだ。
「頼む!!助けてくれ!!」
見ると、護衛は更に1人が倒れて5人になっていた。
良し、確認は取った。
「者共かかれ!!!」
骸武者、足軽髑髏に人間には手を出さないように思念を飛ばしつつ、日本刀を掲げてゴブリンの群れに飛び込んで行く。
まずは一太刀、ゴブリンに斬りかかる。
日本刀はゴブリンの掲げた粗末なこん棒ごとゴブリンを真っ二つにした。
身体に巻き付いている管狐からの思念、後ろからゴブリン!!
晴明は、振り向くこと無く日本刀を背後に突き出した、鈍い手応え。
日本刀はゴブリンの頭を貫通していた。
骸武者は、ゴブリン数匹と渡り合い次々と日本刀で斬り捨てて行く。
足軽髑髏は、長槍を生かしてゴブリンを複数で袋叩きにして、確実にその数を減らしていった。
晴明を含めば13人の強力な増援がいきなり現れて、浮き足立っていたゴブリンは晴明が5匹目を斬り捨てた頃になると逃げ出し始めた。
街道には80匹近くのゴブリンの死骸が残された。
「助かった。俺は冒険者チ一ム、シャイニングスターのアレンだ。君達は?」
「セイメイ・・・、旅人だ」
晴明は敢えて本名を名乗らなかった。
「そうか、セイメイ。本当に助かったよ、まさか街道沿いにこんなにゴブリンが現れるなんて思ってもみなかったからな。お仲間も皆、強いな。
冒険者じゃないなら、何処かの傭兵団か?」
「仲間じゃない」
「うん?それはどういう・・・・・」
「うひゃ!!」
叫び声がした。
「どうした?マック!!」
「アレンさん!!コイツら人じゃないスケルトンだ!!」
「何!?セイメイ、君は死霊術士(ネクロマンサ一)なのか?」
「違う。テイマ一」
言いつつ、袖口から管狐を出して見せる。
「何だ、そうか、死霊術士(ネクロマンサ一)は国を問わず討伐対象だからな、君達が敵にならなくて良かった」
「アイツらの死骸どうする?」
「アイツら?ああ、ゴブリン共か。
討伐証明部位の右耳を切り取ってあとは焼き払おう。この量は骨だがな」
結局ゴブリンの死骸は87匹分あった。
セイメイはそのうちの47匹分の討伐証明部位を貰った。
冒険者ギルドに行けば、換金してもらえるらしい。
街道の片付けが、終わった頃に馬車から1人の商人風の男が降りて来た。
「アレンさん、ゴブリンはどうなりましたかね?」
「マニさん、こちらのセイメイ殿の助けもあり、何とか追い払いましたよ」
「そうですか・・・・」
マニの視線は倒れてシ一ツのかけられた3人の遺体に向けられていた。
アレンはその視線に気付き、
「3人失いましたが、城塞都市メルキまで後1日です。大丈夫ですよ」
「セイメイさんとおっしゃいましたか?
どうか、城塞都市メルキまで護衛に加わってくれませんかね?
1日の護衛で銀貨10枚、結構破格だと思いますよ」
「私には12体のテイムしたモンスターが居るのですが?」
「でしたら、そちらも含めて銀貨25枚で雇いましょう。どうですかな?」
「良いですよ。それと、そちらの御遺体は私がアイテムボックスで運びましょうか?」
「セイメイ、良いのか!?」
「ええ、街道沿いに埋葬されるよりも街の墓地に埋葬された方が死者の方も喜ぶでしょうし」
「ありがとう、コイツらは俺と同じメルキ出身なんだ。お願いして良いか?」
「私の言い出したことですから大丈夫ですよ」
「いや~、アイテムボックスまで、お持ちとはセイメイさん、私の専属護衛になりませんか?」
「冒険者ギルドにも、まだ登録していない田舎者なので残念ですが今回は辞退させていただきます」
「う~ん、残念。しかし、マニ商会はいつでもセイメイ殿をお持ちしておりますぞ!!」
「そろそろ出発しましょう」
商人のマニとその弟子が馬車に乗り込み、シャイニングスターの生き残り5人とセイメイが荷馬車に乗り込んだ。
そのキャラバンの両脇を骸武者と足軽髑髏が徒歩で固めて、キャラバンは出発した。
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不定期ですが、頑張って行きます。




