第12話 狩猟
角ウサギの出現する草原にやって来て、足軽髑髏が、ガチャガチャと音をたてたり、草むらを長槍で叩いたりして角ウサギを追い立てにかかった。
すると、草原のあちらこちらで、角ウサギが頭をひょっこりと出して警戒を始めた。
「そこっ!!」
「てゃ!!」
霞と、菫が、それぞれ苦無を投擲する。
「「ピギャ!!!」」
狙いたがわず、苦無は、角ウサギを捉えた。
「まずは、2匹ですね」
霞が言う。
「この辺りは、獲物の影が濃くて、良い狩猟場ですね」
と菫が、応えて言う。
「依頼は10匹だぞ、血抜きは大丈夫なのか?」
とセイメイ。
「大丈夫、もう終わったよ。
ねぇ?納品は肉だから、毛皮は良いんだよね?」
と菫が尋ねる。
「依頼書に記載は無いから大丈夫じゃないか?」
セイメイが疑問に応える。
「じゃあさ、毛皮も剥いで毛皮屋で売っちゃおうよ!!
街中の店で、そんな看板があったんだ!!」
嬉しそうに菫が言う。
そういった情報収集の綿密さは、流石はくノ一だな。
「血抜きが、終わったならば、足軽髑髏達にまた、騒がせるからな?」
「ちょっと待って頂けますか?」
と霞が待ったをかける。
「どうした?霞?」
セイメイが問いかけると、
「角ウサギとやらを調べてみましたが、身体の構造は、私達の居た世の物とさほど、変わりません。苦無で無く、投石でも倒せるかと」
と霞が述べると、
「ああ!私も、そう思った!!その方が一杯倒せるよね!?」
菫が同意するように頷いた。
「そう思ったのならば、やってみると良い、始めるぞ」
セイメイは足軽髑髏達に角ウサギを追い立てるように念を飛ばした。
すると、また、あちこちから、角ウサギが頭をひょっこり出した。
「「・・・・・っ!!」」
霞と、菫は、掛け声も出さず、一心不乱に投石をしていた。
しばらくすると、投石を止めて獲物の回収に出向いて行った。
「私は4匹ですね」
と霞。
「私も4匹。っていうか、ウサギだから数える単位は羽じゃないの?」
と疑問を述べる菫。
「角ウサギだから、厳密にはウサギじゃないから、匹で良いんじゃないか?」
セイメイがなげやりに言う。
「う~ん、まぁ良いか!!じゃあさ、血抜きして、ばらそう!?」
菫が、気を取り直して、嬉しそうに言う。
「霞と菫は、そうしてくれ。
俺と骸武者は、周囲の警戒にあたる」
「ああ!!ゴブリンって魔物?私も殺りたい!!」
「菫、貴女は、角ウサギの解体があるでしょう!!」
霞が、菫を引き留める。
「解体が終わって、まだ居たら、回してやるよ!!」
「本当!?約束だからね!!」
「菫、貴女って娘は・・・・」
「それより、来たようだぞ!!」
草むらが、高く揺れていた。しばらくすると鳴き声もして来る。
「グギャギャギャ?」
血の臭いに引かれたのか?6匹のゴブリンが姿を現した。
「逝くぞ!!」
セイメイと2体の骸武者が、駆け出す。
「ググギャ!?」
ゴブリン達が自分達に近付く、セイメイ達に気が付いたようだ。
持っていた棍棒や、ナイフを構え出す。
「遅い!!」
セイメイは先頭に居たゴブリンの首を日本刀で、一瞬で切り飛ばすと残心を保ったまま、ゴブリンの群れを駆け抜けた。
それに続くようにして、骸武者が、それぞれ1匹のゴブリンを切り付けた。
鎧も着ないゴブリンに日本刀の切れ味に抗せる筈も無く、崩れ去った。
残った3匹のゴブリンは、その場に残った骸武者に敵意
を向けたが、その隙を見逃すセイメイではない。
ゴブリンの背後に音も無く忍び寄ると、袈裟懸けに一刀両断にした。
「グギャギャ!!」
残りの2匹のゴブリンは、学習能力が無いのか、敵意をセイメイに向けるが、あっさりと骸武者に切り捨てられてしまう。
「解体終わったよ!!ゴブリンは!?」
菫が、駆け寄って来たが、既に足軽髑髏達がゴブリンの素材の剥ぎ取りを行っていた。
「もう、終わったの!?」
「ああ、今、来た奴等はな」
「今!?」
「そら!!」
草むらから、ゴブリンが4匹飛び出して来た。
セイメイは、空中で2匹を一刀両断にした。
残る2匹は、菫が、苦無で1匹のゴブリンの頭を穿ち、忍者刀で、1匹の首を切り裂いた。
「中々、手応えがあったね!!」
「初めてにしては、上手かったな」
「他流派の中忍の動きに比べたら、止まっていたような物だったね」
今回の獲物は、角ウサギ10匹、ゴブリン10匹だった。
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