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幻の獣と人の世界  作者: お終い
第1章【竜王キング編】
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特訓開始

  海香さんの家に来てから二日目、俺は朝の八時頃に起き布団を片づけた。蒼井さんはすでに起きていたみたいだ。もうリビングに行ってるのだろう。

 俺は昨日入れなかったので風呂に入ることにした。着替えを持って脱衣所に行った。昨日と同じ過ちをしないように入る前に声をかけた。

「誰か入ってますか~?」

「……」

 返事はない、よし入ろう。ということで俺は服を脱いで浴場に入った。でもなぜか返事はなかったはずなのに蒼井さんが浴槽の中にいた。

「……」

「ふぁ~あ。あ、竜樹君か、おはよう。君も朝風呂かい? 気持ちいいよね~。僕なんか気持ち良すぎて寝ちゃったよ」

 俺は黙って浴場から出てドアを閉めた。

「もう出るから入っていいよ」

 中から声が聞こえてすぐに蒼井さんが風呂から出てきた。チラッと見えたけど蒼井さんの腹筋は六枚に割れていて、スポーツ選手顔負けのムキムキの体をしていた。すげぇと感心しつつも自分の全く割れていない腹筋を触りながら入れ替わるように俺は風呂に入った。ちょっとぬるかったので追い炊きした。


「ふぅ~~~」

 浴槽の中で一息つく。

「てかいるなら返事しろよあの野郎」

 俺は小声でつぶやいた。十五分程浴槽につかってから体を洗い、風呂から出てリビングに向かった。

「おはよう竜樹君」

 海香さんが朝食を用意しながら言った。

「おはよう海香さん」

「呼び捨てでいいよ」

 そう言われたのでうなずいといた。するとキッチンのほうから姉ちゃんとフラスとソラスが料理を持ってきた。

「おはよ」

「おは~」

 姉ちゃんとフラスに挨拶されたがソラスは挨拶しない。まあいいか。

「おはよう」

 ていうかこの四人の顔を見ると昨日の風呂のことを思い出してしまう。幸いみんな気にしてないみたいなのでよかった。いつのまにか蒼井さんもいた。

「「「「「「いただきます!」」」」」」

 昨日も思ったけど海香って料理上手だよな……。

「ねえ竜樹」

 姉ちゃんに話しかけられた。

「うん?」

 味噌汁をすすりながら返事する。

 ……うめぇ……。

「誰の体が一番好みだった?」

「ブゥーーーーー!」

 盛大に味噌汁吹いてしまい、蒼井さんの顔にかかってしまった。蒼井さんは無言でタオルで顔を拭いた。

「ご……ごめん……」


 フラスと姉ちゃんはニヤニヤして海香は顔を真っ赤にしている。ソラスは手を腰に当て胸を張っている。が、俺は関係なしにご飯をダッシュで食べ部屋に戻った。


 少しして蒼井さんが部屋に来た。

「竜樹君、フラスが三十分後に庭に来てって言ってたよ。」

「……俺だけ?」

「いや、みんなに集合かけてるみたいだよ?」

 よかった。説教じゃないみたいだ。



 ……三十分後、庭にはみんなが集まっていてフラスが話しだした。

「みんな集まったね~! じゃあこれから特訓しま~す」

「は?」

 ソラス以外はポカーンとしているなか、フラスが続けた。

「今の幻界と実界の状況はみんなある程度わかっていると思うけど、今の君達の実力じゃ幻界に行っても幻獣Aに瞬殺されるレベルです。蒼井さんはもう少し強いけどまだまだです。てなわけ特訓します」

 そういってフラスは指を鳴らすと、小さ目の真っ白のテントが出てきた。

「……なにこれ?」

 当然の質問をするとフラスが答えた。

「この中で特訓しま~す」

「は?」

「できればもっと詳しく説明を……」

 蒼井さんが言った。

「この中は特訓するための特別な空間になってます。因みにこれをつくるのに三日かかりました」

 フラスが説明し始めた。

「中は四国ぐらいの広さにしてあります。んで時間の進み具合も通常の八分の一にしてあります。つまりこの中で一日過ごしても実際は三時間しかたってないってことでーす。つまり最高の特訓空間です」

 ……この魔女さん案外すごいのかもしれない。

「因みに私とソラスは監督兼生徒です。じゃあ皆さんこの中に入ってくださーい」

 言われた通り中に入った。確かに中はかなり広くて、景色は真っ白で入口の近くにちょっとした生活スペースみたいのがある以外何もない。みんな周りを見渡して同じような反応をしている。


「じゃあ皆さん出てきて」

「出てきて?」

 そういうと俺の右腕から鱗が消え、目の前には黄色を主とした色の二階建ての一軒家程の大きな爬虫類のようなものが居た。

「こうやって会うのは初めてだな」

 爬虫類のようなものが喋る。俺は声が出なかった。

「ボルテックスだ。いい加減なんか喋れ」

「お……おう……」

 特に何も言えなかった。

 周りを見ると大きな赤とオレンジ色の鳥、獣の体に鳥の頭の大きな生物が居た。

「もしかしてボルテックスとカイエンと……リフ……?」

「案外理解が早いんですね」

 カイエンに話しかけられた。

「あなたのお姉さんはまだ固まってますよ」

 確かに固まってた。それに比べ蒼井さんとリフは仲良さそうにしている。レベルが俺達とは違うみたいだ。


「はいじゃあ各々パートナーと顔合わせも済んだところで最初の特訓でーす」

 フラスが声を大にして話し出した。

「じゃあこの中で一日パートナーとそのまま過ごしてもらいます。因みに他の人や幻獣と話すのは禁止です。あと生活に必要なものは取ってくるので自由に使ってもらって大丈夫です」

 魔女だから出すので~的な展開を期待したが。せめて用意ぐらいはしといてよ。

「先に言っちゃうけどこの特訓の目的は、パートナーの能力、性格をよく知りしっかりと引き出せるように、お互いのコミュニケーションをとる事です」

 そういう目的か。きつそうじゃなくて良かった。

「私もソラスと海ちゃんと参加します」

 フラスも参加するんだ。


「はい!じゃあ……始め!!」 


 そうして初めての特訓が始まった。

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