↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻の獣と人の世界  作者: お終い
第1章【竜王キング編】
PR
8/54

特訓初日

 特訓が始まった。

 二人きりになったところで隣にいるボルテックスが話し出す。

「こういう展開になったしな、改めて自己紹介しておこう。オレは幻界を直接監視、守護をしている五頭のドラゴンの内の一頭、ボルテックスだ。雷の力を持つ」

 ボルテックスが体勢を低くして俺の方を向いて聞いてきた。

「お前は?」

 何故かその声は普段のボルテックスの声より優しさがあった。

「俺は峰風高校に通う、あ、通ってたか、黒井竜樹、十六歳、B型。誕生日は五月二十六日のふたご座。趣味はカラオケ、好きな食べ物はコロッケとラーメン。特に豚骨。まあこんなもんかな」

 俺は一通り自己紹介した。

「そうか。ところで……カラオケとはなんだ?」

 ボルテックスに質問された。


 こいつは沖縄とか那覇とか地名は知ってるのにカラオケは知らないんだな……。

「簡単に言うと歌を歌ったりする施設だよ」

「歌うだけ? つまんないだろそれ」

「いやまあ他にも色々できるけど」

「ふーん」


 そして少し間が空く。

 するとなにかを思い出したかのようにボルテックスが喋りだす。

「そういえばお前、オレの力を直接見たことないだろ? 使ったのもあの暴走した時だけだしな。いやまあ使ったとは言えないか、あれは」

「……」

 ………少し嫌なことを思い出してしまった。俺は頭をぶんぶんと振ってそのことを頭の奥にしまった。

 でもボルテックスの雷の力は見てみたい。

「ボルテックスの力を見せてよ」

 なんかどっかのボスみたいなセリフになってしまったがボルテックスは心良く了解してくれた。

「じゃあ背中に乗ってみろ」

 ボルテックスは伏せの体制になって言った。言われるまま俺は背中にまたがる。


「じゃあちゃんと掴まってろよ!」

 そう言いボルテックスはかなり高く飛び上がった。

「おぉー……」

 普通に感心してしまった。

 でもこの空間は周りに余計なものがないから高さがよくわからない。

「どうだ? ただ飛んだだけだがこんな体験は人間はしたことないだろう?」

「あぁ」

「じゃあ次は少し電撃を出してみるぞ」

 ボルテックスはそう言うと口を大きく開け、バリバリバリと音がしたかと思うと、目の前に激しく光る見たこともない太い雷撃が俺の目の前の真っ白い空間を一瞬だが黄色く染めた。


「どうだ、俺の電撃は?」

「すげえ迫力だよ。あとカッコイイよ」

 俺は素直な感想を言った。するとボルテックスに笑われてしまった。

「はっはっはっは、そうかカッコイイか。そうかそうか、お前もこれからカッコイイ力を使えるようになるんだぞ」

 かなり機嫌がいいみたいだ。

「他にはどんな事できるの?」

 俺は聞いてみた。

「電撃を使った事が多いが見てみるか?」

「よろしく頼む」

 ボルテックスは地面に降り、俺に背中から降りるように指示した。俺は素直に従う。

「よく見てろ」

 そう言うとボルテックスは集中するかのように目をつぶった。するとボルテックスの体からパチパチと音がし出し、形を持った雷が出てきた。それはまさに大きな鳥の形をしていて、その鳥はまるで意思をもっているかのように空中を飛んでいる。

「………」

 さっきの電撃よりも迫力があり、俺は何もいう事が出来なかった。

「ど……どうだ……? すごい……だろう?」

 ボルテックスが言った。その声からは明らかに疲労してるのがわかった。かなり体力を使う技なのだろうか。


「今のは俺の奥義みたいなものだ。体力の消費が激しくて一日に二発が限度だがな」

 奥義というだけあってさっきの電撃とは明らかに迫力が違うのが俺でもわかる。


「さっきの技を詳しく説明してくれ」

 俺はボルテックスにそう言うと快く了承してくれた。。

「さっきの技は電撃で鳥をつくりそれで攻撃する技だ。最大で三億Vまでだせ、半径五㎞までなら自由に操って攻撃できる。ただスピードはオレより速くさせることはできない。どうだ? オレの奥義は?」


「……すげえよ。なんか言葉じゃ表せないくらいすげえよ。とんでもなく強いんじゃねえのこれ?」

 自分でも少し興奮してるのが分かる。。


「……実はそうでもないんだな。オレの速さより速くは出来ないって言ったろ?オレは他のドラゴン達と比べて飛ぶのが遅い方なんだ。だから命中率が高くなくて狙ってもよけられることが多い。それにコントロールも完璧じゃないんだ。調子がいい時は半径五㎞までコントロール出来るんだが、調子が悪いとコントロールできる範囲が半分近くまで狭まる。常に半径五㎞までコントロールできるようにしないとな」

 ……そうなのか。迫力はかなりあるのに……

「オレもまだまだ特訓が足りないってことだな!」

 ボルテックスは冗談ぽく言った。でも彼の目は冗談を言ってる感じではなかった。

「そういえばさっきの技ってなんて名前?」

 俺は聞いてみた。

「技名かぁ………そういえば考えてなかったな。なんかいいのないか?」

 考えてなっかたのか。

「ん~~………まあ……それは別の機会に……」

 思いつかなかった。俺も人のこと言えないな。


「そういえば腹減ったな。なんか食べるか」

 ボルテックスが言った。

「フラスは用意してくれてんだよな?」

「そう言ってたな」

 そう言えばボルテックスは今まで何を食べてたんだろうか。。

「そういえば幻獣って何食べるの?」

 聞くとボルテックスは

「普通にいろいろ食べるぞ?オレが好きなのは七面鳥の丸焼きだな」

「七面鳥? って七面鳥? あの?」

「そうだぞ。ただしお前が想像してるのと絶対違うぞ」

「どういう感じなの?」

「頭が七つある鳥だ。普通にみんな飼育してるぞ。因みに『おらー』って鳴く」


 ………確かに思ってたのと違うみたいだ。ていうかおもってたのよりカオスな鳥だ。


「まあ早く飯食おう。腹減った」

 そう言って飯が置いてあるとこに向かうと、思いのほかすぐ着いた。

「………」

「………」

 そこには料理ではなく材料が置いてあった。

「作れってことか?」

 ボルテックスが言った。

「そう……みたいだな」

 俺はそう言って腕まくりをして器材のチェックを始めた。

「なにしてるんだ?」

 俺はチェックをしながらボルテックスの方は向かずに答えた。

「なにって……つくるんだよ」

「お前料理出来るのか?」

「あんま難しいのは出来ないけどな。お前のぶんも作るからちょっと待ってろ」

 そうは言ったがボルテックスはかなり体がでから相当な量を作ることになりそうだ。

「なにつくるんだ?」

「秘密だ」



 ……三十分後。やっと作り終わった。

「ほらよ。完成だ」

 おそらく幻獣達用と思われる大きな皿があったのでそれに盛り付けた。

「なんだこれは?」

 ボルテックスは初めて見るらしくまじまじと見ている。

「こっちがチャーハン、んでこっちがから揚げだ」

「食っていいか?」

「どうぞ」

 ボルテックスがから揚げを食べようとした。でも俺はそれを止めるように話しかけた。

「ちょっと待った」

「………なんだよ」

 ボルテックスはムスッと膨れてしまっている。

「俺達の国ではご飯を食べる前に手を合わせて『いただきます』って言うんだ。だからお前も」

 ボルテックスと俺は手を合わせ、

「「いただきます」」

 と言って食べ始めた。

 ボルテックスはバクバクと食べている。から揚げが気に入ったのか、目を輝かせながら食べてくれている。

 そんなにうまそうに食ってくれると作った俺からすればうれしいぞ。

 ボルテックスはものの十分でペロリと平らげた。俺もボルテックスが食べ終わってから数分後に食べ終わった。

「食べ終わったら『ごちそうさまでした』だ」

「「ごちそうさまでした」」

「うまかったぞ、特にから揚げというのが最高だった。もっと食べたかったぞ!」

 こいつがこんなに興奮してるとこ初めて見た。そんなにから揚げが気に入ったのか。

「明日また作ってやるよ」

「本当か!!」

「本当だ」

 ボルテックスはかなり機嫌が良さそうでずっと尻尾を振っていた。俺は犬かよ、とか思いながら片づけをしてあとの時間はボルテックスと一緒に眠った。ボルテックスの固い鱗は寝心地が良いわけではなかったのに、よく眠れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バナー画像
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。