魔女探し
飛行機で空の旅をすること数時間、沖縄の空港に着いた。とりあえず飛行機から降り、空港に入った。
「これからどうしますか?」
とりあえず聞いてみた。すると蒼井さんが
「ん~……じゃあお昼食べよっか。すこし早いけど」
「合流しなくていいんですか?」
姉ちゃんが聞いた、沖縄料理の専門店の前で。
「……食べてからで大丈夫でしょ」
蒼井さんが言いきる前に姉ちゃんは店に入っていた。
「……」
「……」
「君のお姉さんて食べることが大好きなのかな……?」
「……はい……」
その癖たいして太ってないしむしろそこらのモデルにひけをとらないレベルだ。いや身内だからなんとも思わないが。なんとも思わないが。
「ほら竜樹くんなにしてるの」
訳のわからない葛藤のようなものをしていたら蒼井さんに声をかけられた。
「え!? あ、はい」
ちょっと焦った。とりあえず店に入り定番のソーキソバを頼む。
そこで蒼井さんが
「これからの旅にあたって君達にお願いがある」
「お願い……ですか?」
「そう」
なんだろうお願いって。
「いやなに、たいしたことじゃないんだけどね。僕に敬語使うのやめてくれないかな? なんか君達と距離があるみたいでいやなんだよね」
ほんとにたいしたことじゃなかったのでオーケーすることにした。
「わかりました。……あっ……わかった」
「オッケー」
俺と姉ちゃんは返事した。
「失礼します。ソーキソバ三つです」
注文してたソーキソバがきたので食べることにした。
流石は沖縄名物、初めて食べたけどとてもおいしい。半分くらい食べたとこでチラッと姉ちゃんを見ると既に二杯目にはいっていた。蒼井さんは猫舌なのだろうか、箸でとるたびに息を吹きかけ冷ましている。だから食べるのが遅い。
全員が食べ終わったとこで蒼井さんが話し始める。
因みに俺は二杯、姉ちゃんは三杯、蒼井さんは一杯食べた。
「ボルテックスはさ、その魔女のフラスってのがいる場所はわかるんでしょ? どこら辺にいるの?」
「わかると言っても大体の場所だ。そっからは頑張って探す感じだな。カイエンもリフも大体はわかるしみんなで手分けして探したほうがいいな」
「そのフラスってどういう奴なん?」
姉ちゃんが杏仁豆腐を食べながら聞いた。………いつ頼んだんだろう………。
「会えばすぐわかる。さあ行くぞ」
ボルテックスはそう言って俺と蒼井さんは立ち上がった。
でも
「あぁ! 待って待って」
姉ちゃんが呼び止めた。
「どしたの?」
俺は聞いてみた。
「まだ……まだ……」
「?」
「?」
「頼んだマンゴープリンがきてない!」
「……」
「……」
俺と蒼井さんは呆れながら席に戻る。
「これからの旅は食費が多くなりそうだ」
蒼井さんが苦笑いをしながら言った。……ごめんなさい。俺は心の中で謝っといた。
数分後にマンゴープリンがきた。二つも。
………もうなにも言うまい。いやまあ姉弟だからこういう人だって昔から分かってたけどね。
蒼井さんはもう慣れたのか何も言わなかった。適応早いな。
少しして姉ちゃんが食べ終わったので店を出た。
「大体の場所ってどこら辺?」
姉ちゃんが聞いた。
「那覇市、というところだそれより詳しくはわからん」
ボルテックスが答えた。
……結構広いな。
「手分けして捜したほうがいいかもね」
蒼井さんがそう言うと姉ちゃんがそれに同意する。。
「そうね。それがいいと思う」
「とりあえず見つけたら連絡して、二人に番号とアドレス教えとくから。みつかんなかった場合三時間後にまたこの空港に集合ね」
蒼井さんが提案した。
「じゃあ今一時半だから四時半に集合だね」
姉ちゃんが言った。
「そうだね。じゃあ三時間後に」
その蒼井さんの掛け声でとりあえずバラバラに探し始めた。
―――さて、どこを探そうか。那覇市と言っても広いしそもそも沖縄なんてきたことない……。手掛かりが少ないし見た目もどういう感じかわからない。なのでとりあえず適当に歩いてみる。
「……なあ、ボルテックス。せめてそいつの容姿くらい教えてよ」
「別に構わないがあいつもオレ達みたいに人間の体に入ってるから意味ないと思うぞ」
「つまり手掛かりなしと……」
「そういうことだ。まあでも半径五十メートル以内に入ればわかるぞ」
「それなりに近づかないとダメじゃん」
「愚痴ばっか言ってんな。さっさと捜すぞ」
「はいはい」
そう言って俺はまた歩き始めた。
―――現在四時、今日はもう見つからなそうだから空港に戻ることにした。
姉ちゃんと蒼井さんからは連絡はなかったてことは見つからなかったのか。
バスに乗り空港に戻った。バスの中ではうたた寝をしてしまい、空港を通り過ぎるとこだった。
四時二十分。空港に着いたけどまだ姉ちゃんと蒼井さんはまだ戻ってきてないみたいだった。まだ時間まで少しあるので少し待つことにした。
五分後、二人が戻ってきた。
姉ちゃんはでかい買い物袋を二つ持っていて、蒼井さんも小さい買い物袋を持っている。
「なに二人とも観光してんだよ!!」
「いやつい……」
姉ちゃんは苦笑いして言った。てか蒼井さんのほうもちゃっかりしている。聞けば自分用のお土産だとか。
まあこのひとに関してはいろいろと面倒見てもらっているので何も言えないが。
今日は見つからなかったため蒼井さんがとっといてくれていたホテルに行った。しばらくはここを拠点にするらしく、しっかり三部屋とっといてくれた。
本当に蒼井さんには頭が上がらない。
「ホテル住まいとかセレブぅぅぅぅ!!」
姉ちゃんのテンションが上がってきたみたいだ。遅い。とりあえず部屋に荷物を置いてから蒼井さんの部屋に集まり明日の予定を話し合って、そのあとに晩ご飯を食べ寝た。
次の日、朝から別々で捜索した。俺は昨日行かなかったとこに行くことにした。
―――現在お昼の十二時半。捜し始めて四時間経ったが一向に見つかる気配すらない。姉ちゃんと蒼井さんからは今のところ連絡がない。
また観光してないだろうな……あの二人……。
俺はお腹が空いたので近くにあった定食屋に入ることにした。するとボルテックスが少し興奮気味に言った。
「近いぞ!!」
出来ればもうちょっと早く言ってほしかったな………今から飯だったのに。
「北だぞ!」
ボルテックスのそう言う声が聞こえて俺は少し考えた。……北って定食屋の方じゃん! その答えが出た俺は迷うことなく定食屋に入っていった。
「いらっしゃいませぇ!」
若い女性の店員の声が店内に響いて他の店員も続くように声をあげる。その声に紛れてボルテックスが小声で言った。
「あいつだ」
「!?」
見つけた! あの女性に魔女が入ってるんだな。結構美人だ。するとその女性が俺の方に寄ってきて言った。
「あ! ボルテックスじゃん! 無事だったの!? 久しぶり~」
「は!?」
なんでボルテックスが居るってわかったんだ? なんだこいつは? 俺はこの状況が理解できずにいた。




