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幻の獣と人の世界  作者: お終い
第1章【竜王キング編】
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海の上での夜

  家に入ってから俺達は海香の手作り晩ご飯を食べていた。メニューはご飯、生姜焼き、海香の特性サラダ、カボチャの煮つけ、とん汁だ。

 因みに、器材や材料なんかはすべて家の中に一緒に小さくして入っていた。

 ご飯を食べる前にフラスがソラスに三時間近く説教していた。

 ソラスは罰として、今日の晩ご飯は抜きらしい。今は部屋の隅で正座をさせられている。常にフラスが見張っていて、正座を崩すと時間が三十分延長されるみたいだった。

 ソラスは二回程崩そうとして一時間の延長をくらい、三時間程正座することになっている。

 さっきからちょくちょく痛いとか、ごめんなさいとか、う~とかソラスのうなる声が聞こえてくる。

 フラスから聞いたんだが、あの時ソラスは思った以上にスピードが出たらしく飛んでて楽しくなってしまったんだとか。

 海香の方は既に体調は問題ないらしく、ソラスのことももう許しているらしいのだがフラスが許してない。



「ごちそうさま」

 俺は食べ終わり、海香と一緒に片づけをした。

 ガチャガチャと食器を洗う音が響く中、俺は海香に話しかけた。

「体調は大丈夫?」

「うん。大丈夫」

 海香はいつも通りに答えた。

「でもソラスも魔女って言ってもまだまだ子供なんだね」

 俺は海香の顔を見ないでそう言った。

「そうだね。治癒とかのすごいとこ見ちゃってるから、しっかりしてると思っちゃうけどまだまだ子供なんだね。無邪気に見せる笑顔とかすごい可愛くて」

 海香はニッコリと笑いながらそう言った。

 俺は一瞬ドキッとしてしまう。

「子供がいたらあんな感じなのかな……」

 海香が呟いた独り言のような声量でも、俺にははっきりと聞こえた。

「へ!?」

 俺は突然のことに素っ頓狂な声を出してしまった。

「……あ!? いや、そう言うんじゃなくて!? えとその子供欲しいなーなんて……ワァ―――!? なに言ってんの私!? ごごごごごごごごごめん! 私今からお腹痛いからお花狩りに行ってくる!!!」

 海香はそう言って顔を赤くしてダッシュでトイレに行ってしまった。

「あ、海香………」

 そういうときってお花摘みに行くって言うんじゃなかったっけ? それに今からお腹痛いとは随分と急用なんだな。

 仕方なく俺は一人で残りの片づけをした。



 片づけが終わりリビングに戻るとソラスがまだ正座させられていた。ソラスの前ではフラスがイスに座り何故か眼鏡をかけ、本を片手にコーヒーを飲んでいた。服は胸元が大きく開いているゆったりとした服を着て、短めのスカートをはいている。

 そして俺に気づくとしおりを挟み本を閉じた。

「片づけありがと」

 フラスにお礼を言われた。

「それって伊達?」

 勿論めがねの事である。

「そう。なんか知的に見えるでしょ?」

 フラスはそう言ってそのすべすべの足を組んで、眼鏡を少し下にずらし上目づかいで聞いてきた。

 服のおかげで谷間が見え、スカート中が見えそうで見えなくて悶々とした気分になってくる。

 ………なんていうかすごく色っぽいです。

「お、そろそろ三時間だね。ソラスちゃーん、もういいよ。」

 フラスがそう言うと、ソラスはゆっくりと正座を崩した。

 俺はフラスと顔を合わせ、立ち上がろうとしてるソラスのとこに行ってソラスの足をつん、とつついた。

「いっ!!」

 ソラスはそう口から漏らして膝から崩れ落ちた。

 俺はもう一度つついてみた。

「あぁぁ………」

 そう言って立てなくなっている。

 その後は俺は楽しくなってきてしまって、何度もつついてしまった。






「えっぐ……ひっぐ……おねえちゃ~ん~」

 ちょっとやりすぎてしまった。

「あらら~。竜樹く~ん、ちょっとやりすぎよ」

 フラスに注意されてしまった。自分でも悪いとは思ってる。

「ごめんなさい」

「竜樹君にも少しお仕置きしないといけないな~」

 やべぇ、正座させられるかも。

「竜樹君」

「は、はい!」

 俺はフラスに呼ばれ返事した。少し声が裏返ってしまった。

「こっちに来て、目をつぶって」

 フラスは妖艶に微笑んでそう言った。

 俺は素直にそれに従う。

 何をされるんだろう? この流れで正座ってのも変だし……

「ふぅー」

「はぁぁぁ~~」

 突然耳元に息がかかり、俺は情けない声を出してしまった。

 俺はそれに驚き、目を開け後ずさってしまった。

「ふふ。今回はこれで許してあげる。竜樹君の反応もおもしろかったし」

 フラスはほほ笑んで言った。

「でも次ソラスちゃん泣かせたら……」

 フラスはそう言って、俺の耳元に口を近づけ、

「もっとすごいことしちゃうよ?」

 そうささやいてまた息を吹きかけてきた。

 俺は顔のほてりとドキドキが止まらなかった。

「じゃあ私お風呂入ってくるね。ソラスちゃん、一緒に入ろうか」

「入る」

 フラスとソラスはそう言ってリビングから出ていった。



 そしてフラス達と入れ替わるように蒼井さんがリビングに入ってきた。

「? 竜樹君? どうしたのボーっとして」

「ねえ蒼井さん」

「うん?」

「フラスって何歳なんだろう?」

「そういえば……今度聞いてみれば?」

「うん」

 とは言ったものの、しばらくはフラスの顔をまともに見れなそうだ。あとソラスにもあとでちゃんと謝っとこう。

「トイレ」

 俺はそう呟き、トイレに向かった。

 別に尿意があったわけではないが、なんとなく一人になりたかった。

 トイレのドアに手をかける直前、思い出す。

 ……そういえば海香がお花を狩りに行くって言ってトイレにこもってるんだった。

 出てきたような気配はないので仕方なく寝室に行った。



 寝室に入り、ベットに横になり思い出す。

 今日は股間を強打して使い物にならなくなるんじゃないかと思ったけど、フラスのおかげで反応したので俺の股間は無事だとわかってよかった。

 それにフラスの言ってたもっとすごいことって何だろう……

 あんなことされたおかげで思考がそういう風になってしまう。

 すると部屋のドアがコンコン、とノックされ、フラスが風呂空いたと教えてくれた。

 俺は風呂に入り、その日は床に就いた。

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