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百年甲虫〜神々に振り回される青年の地球存亡記〜  作者: はかいこうせんっ★


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第16話 鳴動 ※ヴェルメーリョ視点

またまた、ヴェルメーリョ視点でございます。


それと、今回は葉ちゃんがぶっ倒れているので、神様しかいません。

よって、神界の言語で話しております。

お名前も神界のものに変わっているので、読みながら

「こいつはこれかな?」って理解していってください。

(ここに書いといてやれよ)

翠少年のそばを離れ、神界へ飛ぶ。

座標は神界の中枢聖域の中でも中心機関となっている、『クァルリグク』のエントランスに設定している。そこまでは一瞬で着くことができるが、その一瞬さえも遅いと感じるほどにワタシは焦っていた。

エントランスへ着いたと同時に、ワタシの秘書がここへ来ることを知っていたかのように側へ駆け寄ってくる。

「アルスフィア様、随分お早いお戻りですが、どうされましたか。」

「すまんが、事情を話している時間はない。

緊急事態だ、至急テネブリス殿をここへ呼んでくれ。」

優秀な秘書はすぐに事態を察し、テネブリス殿を呼びにワタシの視界から消える。


瞬きをする程の時間で、秘書がニンゲンでいえば60代くらいの執事のような男を連れて戻ってきた。

「赫よ、事前に一報も入れずに突然秘書を寄越した上に儂に足を運ばせるとは、偉くなったもんじゃのぉ。」

「申し訳ありません、テネブリス殿。緊急事態につき、急いで招致したかったのです。」

「まぁ、真面目なお前がこのような手を取ったのだ、事情があるのだろうとは思っておったわい。」

「説明する時間もないのです。とにかく私と来ていただけませんか。ケセ...カエレスティス様が...。」

「...ここでは言えんのだな?

わかった。一旦お主を信じるとしよう。」

「感謝致します!では、向かいましょう。」

デネブリス殿とワタシが収まる転移陣を最速で作り、

地球へ戻る。


そこには血溜まりを作り今にも息が耐えそうな翠少年とワタシが神界へ向かう前以上に神力を増幅させたケセフ様とやつがいた。

テネブリス殿も着いた瞬間に強い神力を感じたのか、眉間に皺を寄せたが、直後この神力が誰のものか気がついたらしく、驚きの表情を浮かべた。

「なんと...こりゃあいかん!!

カエレスティス様の神力が...暴走していらっしゃる!」


手早く状況を理解してくださったテネブリス殿を置いて、ワタシは翠少年へ駆け寄りすぐに生命維持のための行動を始める。

「これ!赫!そ(・)ん(・)な(・)も(・)の(・)に構っとらんと、さっさとカエレスティス様を止めるぞ!」

「それはテネブリス殿にお願いしたいのです!

....それと、彼はカ(・)エ(・)レ(・)ス(・)テ(・)ィ(・)ス(・)様(・)の(・)親(・)友(・)です。」


テネブリス殿は先程よりも大きく目を見開き、驚愕の表情浮かべたが、すぐに冷静に事態を再認識し直し、ワタシへの指示を出す。

「....赫。お前は万が一に備えて、そのニンゲンとこの星を全力をかけて死守せいっ!他神管轄の規約は今は忘れて良い。」

「はっ!」

やはりこの方は流石だ。

状況把握が早い上に素早く柔軟な対応ができる。


ワタシはすぐさま翠少年と地球へ全力のオーラを掛ける。

それを感知したテネブリス殿は最速でカエレスティス様の元へ向かい、神力を声に乗せて叫ぶ。


「若っ!正気を取り戻してくだされっ!!」

テネブリス殿の声が体の心へダイレクトに響く。

ワタシはいつもよりピンッと背筋が伸びた。

声が聞こえたのかカエレスティス様もピクっと肩をあげる。

「あれ?どうしてここにいるの、テネブリス?もしかして君も僕を邪魔しに来たの?」

まだカエレスティス様は正気には戻りきっていないようだ。だか、声は届くようになった。


「...若様、儂は何時でも若様の味方でございます。

邪魔などするはずがございません。

...しかし、若様の御親友が若様の神力で命が消えかけております。アルスフィアがそれを心配して儂をここへ呼んだのですじゃ。」

カエレスティスの目が見開く。

ゆっくりと視点を動かして、ワタシと血溜まりを作って倒れている翠少年のことを捉えたところで止まる。


カエレスティス様の表情が絶望に染まる。

まずい、このままではまた暴走なさってしまう。

「カ、カエ、レスティス様....!み、み、み、翠少年は..生きております....!!(頑張って出した声)」

何とかカエレスティス様に届いたようで、絶望の表情が少し緩む。

すぐにこちらに向かってこようとしたところを、テネブリス殿が止める。

「若様。すぐ向かいたい気持ちはわかりますが、先ずはこの神力の凝縮されたものを消さないと御親友はずっと神力に当てられ続けてしまいますぞ。」

「え?あっ!そうだった!

...で、でもどうしよう、テネブリス!僕、消し方がわかんない...!!」

「ふふ、儂にお任せ下さい。

そのためにアルスフィアは儂を呼んだのですよ。」


テネブリス殿は空へ手を振りあげると、巨大な両開きの扉が空に現れた。続けて開くような動きをすると、扉が重厚な音を立てながら開き、扉の先には異空間が広がっていた。


「さあ若様、昔儂が教えたはずです。

儂は『消去』や『破壊』を得意とする黒系の中でも最強色の『玄』だと。遠慮せずここに向けて発出してくだい。」

「ありがとう、テネブリス。」

そういい、カエレスティス様は全力の一撃を扉の奥に広がる異空間へ放った。


世界から音が消え、色が消えた。

ただ、美しく恐ろしい蒼銀の光線のみが色を持って煌々と輝いている。

おそらく、あれが当たればワタシは防ぎようもなく塵になってしまうであろう。


それが何事もないように扉の奥へと吸い込まれて行った。

重厚な音と共にゆっくりと扉が閉まり、世界に音と色が戻ってくる。


ワタシは赤系の最強色の『赫』であるが、この2柱と並ぶ情景が全く浮かばなかった。

ちゃんと誰がどんな名前かわかったかな?(うざ)


今回のシーンは5話くらい前からもうずっと書きたかったところだったので楽しかったです(´˘`*)

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