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フランとメアリー⑦
「メアリーちゃんは凄かったんですよ…」
フランは話し出した。
「組織の人間がターゲットを殺せなかったらどうなるかわかりますか?
処刑されるんですよ。だからみんな失敗した時は逃げるんです。」
まだ他の客と話しているメアリーに目をやる。
「殺せなかったら組織を抜けるしかなくなる。
殺し屋を辞めざるを得なくなる。
そこまで全部わかった上で動いてた。」
「何も考えてなさそうに見えるのにな〜」
「じゃ、また僕は行きます。
後はよろしくお願いしますね。」
そう言って椅子から立ち上がった。
しかし、スッとトニーの耳元へ近づき、
「昨日はとても楽しまれたようですね」
と囁く。
「なんでそれを…!?」
慌てふためくトニーを見てニッコリ。
「女の子が僕の所に走って来て、『昨日すっごい楽しかった!!また金払いのいいお客さんよろしくね♡』って言ってきましたから。」
「お前…それメアリーには…!」
「言うわけないでしょ、ガキじゃないんだから」
と呆れ顔。
背を向け手を振りながら去って行った。




