表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の平穏の日々と騒々しい世界たち  作者: ガゼルにしむりゃ
組織に追われる異様者達
PR
98/132

終わりとその後、そして新たな決意

 青い部屋の中に意識があった。

 そして目の前には髪の長い少女、ポリーエか。

 怨念は浄化しきれたのだろうか、座った状態にあった私を見下ろし、ポリーエは口を開く。


「怨念はみんなどっかに行ったみたい、グァットジーイル、あなたはやっぱり救世主ね」

「隠居した身だ、それに私の体は一つしかない」


 ここは私の器の中の世界、精神の中といった所か。

 怨念を器の中に迎え入れる段階でポリーエも一緒に取り込んでしまったようだ。


「怨念はいなくなったがお前はこれから何がしたい?」

「できる事なら静かにどこかで生き直したいけど、まだ怨念が残していった感情は残っているみたいだからあなたに叶えてほしい事は何もないわ、早くくたばれって気持ちしかない」

「そうか、なら適当にどこかの世界に送り出そう、記憶を消したうえでな」

「そうしてくれる? 無駄になった分の時間は返さなくていいからこれからの時間位は怨念に左右されない自由を送りたいし」

「わかった」


 浄化されたのにポリーエの目には憎しみがあって私を二座見つけていた。

 怨念の感情、と言ったが彼女自身の感情でもあるだろう。

 私に生きる道を消費させられたと考えてもしょうがないのだから。

 それにしても、世界の方はどうなったのだろうか。

 ソゥヲバーリュには無茶を頼んでしまったが。


『こっちは大丈夫だよ、ガゼルは大丈夫ではなさそうだけど』


 思ったらソゥヲバーリュが魂の会話を繋いできた。

 心配はいらないようだ、私の体以外は。

 探知や解析を使わずとも自分の身体の状態くらいはわかる。

 怨念の浄化の為に力を使いすぎ、また、大量の怨念を無理やり早めに体に取り込んだため、器はほとんど壊れそうなのだろう。

 力は外に漏れてはいないが、私の意識を映し世界とつなげる機関が故障して、私は精神の中にしか目を向けられない。

 また修復に時間がかかるな。

 初希には寂しい思いをさせる、これからマリィコールズとも戦おうと思っているのにこれではいけない。

 隠居していた分体が、術が、技が鈍ったか。

 これは隠居する前の全盛期に戻す、いや、それ以上にする必要がある。

 今回の災害は私が招いたようなものだ、隠居するならば今回のような因縁やらを全て精算した方がよさそうだ。

 それはそれとして今は帰ってゆっくりと休みたい。

 力を磨くにあたって、疲労があっては効率が悪い、伸びも悪い。

 初希とお茶会でもして、心身ともに癒すとしよう。

 あと、そうだ、リモーピォが分けられてクォリョとモーピォンォの時に描いた絵がある。

 それを売って家計の足しにするか。

 これからの事を考えながら、私はソゥヲバーリュに器を安全な場所に運んでもらい、修復に努めることにした。




 ポリーエはソゥヲバーリュにより、記憶に細工をしてもらい、穏やかな世界にて生まれ直す事になる。

 世界群は私達が育てた救世主が無事に世界を救ったようで、これからはグァットジーイルの伝説は終わり、あの救世主達によって守られていくであろう。

 私はと言えば、温泉に浸かって息を吐いていた。

 モヂワクォメの家にこうも短い期間で何度も止まる事になるとは思いもしなかったが、親友である彼に私は今回の事で決めた覚悟を伝えた。 

 同じく温泉に浸かり、私の横で浴槽のヘリに頭を預けながら彼は足でお湯を蹴った。


「ガゼルは真面目だなあ、そんなの世界管理官とか別の人に任せればいいのに」

「静かに隠居したいからという理由だし真面目ではないと思うが」

「そうかな? まあ、君は昔からそんな感じだよね」


 そんな会話をかわし、私は器を治して世界に帰った。

 今回もなんとかなったが、次はこうもいかないかもしれない、長く生きていようと無限にある世界の中では私はちっぽけな人間だ。

 偶然で死んでもおかしくないという事が分かった。

 笑顔で迎えてくれた初希に安らぎを感じながら私は気持ちを引き締めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ