表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
64/132

破壊と救出、そして収縮

 部屋中、というより城全体が揺れ始めて、サーリョックォは怪訝な顔になる。

「何? この音」

「我、力を得し者、我、力を使いし者、我、力を飲み込みし者」

「詠唱は使えないようにしたってさっき言ったよね、ガゼルさん」

 サーリョックォの言葉を無視して詠唱を唱え続ける。

 あくまで封じられているのはこの世界に魔力で語り掛ける詠唱だ。

 私が今から使うのは自分の内なる世界に使うモノだ、この身体は器、この中にある膨大な私の力、今からその一部を引き出す。

 腕の中に熱い痛みと亀裂が走るのを感じる。

 一部とはいえ解放すればまあそうなるだろうが、この際そんな事どうでもいい。

 腕を振り上げて振り下ろすと力が赤い光をサーリョックォに向かって放つ。

 ほとばしる赤い光をサーリョックォは転移してかわすが、初希が縛られている柱にぶつかって破壊した。

 私は駆け寄って落ちてきた初希を受け止める。

「う、うそだ、絶対壊れないはずなのに……」

 サーリョックォは柱をみて驚いた顔をしている。

 私が放ったのは器の中の力の内、破壊の概念を放ったのだ。

 いくら柱を術で固めようと意味などない。

 光は城の中をうねる大蛇のようにのたうち回り、破壊していく。

 私は光が開いた穴を抜けて飛ぶ。

 部屋から出たら詠唱が使えるようになったようで私は転移を使って城の外へと飛んだ。

 銀色の水晶の大地の上に降り立ち、私は一度息を吐いた。

 腕の熱が収まらない、どころかどんどん広がっている感覚がある。

 異空間から丈夫な紐を取り出して初希を背中にくくりつけて腕を見ると、アノラゾの袖が力を放った影響で焼けてなくなって、亀裂の入った腕がしっかりと見えた。

 器が崩れて、中の赤い空洞が広がっている、これは早くしないと器が完全に壊れるな。

「う、う~、ガゼル!? ここはどこ!?」

 初希が目を覚ました、そして辺りを見回すが、見たこともない光景に声を上げる。

 外の世界に出た事がないどころか外の世界の存在すら知らないのだ、それは動揺するだろう。

「ガゼルさん、はやくそのゴミクズを捨ててよ」

 そこにサーリョックォが転移してきて現れた。

「あっ! わたしに手紙を届けた!」

「話かけないで! サリーはあなたが憎くてしょうがないの!」

「え? どういう?」

「ああああうるさいうるさい! その声でガゼルさんを惑わしやがってええええ!!!」

 初希にたいして嫉妬と憎しみで狂ったように叫ぶサーリョックォの体が消える。

 転移か、だが、お前の思い通りにさせるつもりはない。

 どこから出てくるか探知する事は出来ないが予想は出来る。

「死ねえ! ぶえぇっ!」

 亀裂の入っていない方の腕を振り向きながら虚空に振るとちょうどそこに現れたサーリョックォの顔面に炸裂した。

 初希を狙ったのだろう、わかりやすすぎる。

「うぅ、ガゼルさん、の拳、痛いよ、でもこれが愛の試練なんだよね、サリー乗りこえてみせる!」

 ふらつきながら立ち上がるサーリョックォがフードを取る。

 その双眸を輝かせると、それに呼応するように推奨するかのように水晶の大地が光を放つ。

 大地が蠢いてサーリョックォに集う。

 私はそれから逃れるように空に飛び立った。

「わっ! ガゼル、これってどういう?」

「説明している暇はない、舌を噛むぞ!」

 光る大地が押し寄せてサーリョックォを中心に結集していく。

 城も例外ではなく、飲み込まれていく、あの中にこじょにゅぬと世話係も含まれるが、座標は探知できるので、転移で外に出しておく。

 大地が全て結集して、巨大な球体となる。

 巨大な世界そのモノを結集し、凝縮され、纏って鎧としたサーリョックォが現れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ