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戦国の女医 (戦国にタイムスリップする救命外科医)  作者: dodongadondon


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第五話 奇跡の名医



(あかね)う、、朝?


あかねは土の上に寝転がっていた 土が顔半分についている

ぱんぱんと土を払うと 起き上がった


(あかね)、、、夢じゃなかったんだね、、、


あかねは家元の遺体をみてつぶやいた 


(あかね)はあっ く、苦し


あかねは胸を抑えて苦しみだした まるで心臓が無くなってるかのような感覚

謎の呼吸困難 脈を測ると異常に心拍が速い


(あかね)ははっパニック発作だ 笑える


あかねは冷静に自分の状態を分析した 今の状態から考えられるのは重度のPTSDから来る

パニック発作だろう 別に身体異常があるわけじゃないのだが 極度の心理的ストレスがかかると

人間は呼吸困難や突然の動悸で 体調が急変することもある うつの症状もあるかもしれない

あかねは心のどこかで 精神疾患等自分がなるとは思っていなかった

精神疾患自体が誰でもなりえるものというのは学問上は知っているが

精神的に強い自分がなるはずがないと 心のどこかで思い込んでいた


(あかね)てんで弱いじゃんあたし 輸血だって木下君いないとできないし

一人じゃあっさり医療ミス 仲間居ないとまともに手術もできやしない

何よりもとちゃんが死んだらあっさりPTSD 雑魚すぎる、、、


あかねは立ってられなくなり崩れ落ちた 土まみれになりながら地べたに座り込む


(あかね)結局支えられてたのね、、木下君、医療スタッフそしてもとちゃん

ううっ 洗濯も掃除も、料理ももうやってくれない、、、

くだらない創作料理も バーベキューだの ゲームだの 元子の遊び相手だって

深夜に帰る時だってお風呂わかしてくれたり そういうのも全部もうしてくれない

罰があたったんだな 彼やみんなをないがしろにして 自分の力で家族を支えてるとか思って

これは 私の傲慢さが招いたのよ、、、 自業自得ね


あかねは涙が止まらなかった だけどどう頑張ってももう家元は戻ってこない

耐えようのない虚無感があかねの心を支配してしまう

あかねはふらふらと立つと 医療箱におもむろに目を向けた

メスを中から取り出すと ゆっくりと自分の喉に向ける


(あかね)首の動脈は知っている ここを切ればすぐに脳に血液がいかなくなって

気を失う 苦しみは最低限で済むはずね


まるで死神に取りつかれたようにナイフを自分の首に向けた


(元子)何してんの!!ママ!!!


        

              びくっ


あかねはびっくりして メスを床に落としてしまう

元子は泣きながらあかねに抱き着いてきた


(元子)ママがいなくなったら 私こんなとんでも異世界でどうやって生きていけばいいの??

辞めてよママ お願いだから バカなマネしないで!!! うわあああああああああ


元子はあかねに抱き着いて泣きじゃくった あかねは震える手で元子を抱きしめる


(あかね)ああ、胸の苦しさが消えていく 元子、元子

アナタが居ればまだ私は戦える ううう


パニック発作は元子を抱いたら落ち着きを取り戻した

あかねと元子は抱き合って一生分泣いた


(あかね)あ、ありがとう 元子 もうダイジョブよ


(元子)ホント?ママ


(あかね)ええ、ホントよ ママどうかしてたわ もうバカなマネしない

お腹すいたね 昨日のおじいさんになんかもらってこようか?


(元子)うん


あかねはよろめきながら立ち上がった そのまま小屋をでていこうとする


(元子)でも パパ死んでるとは思えないね


(あかね)そうね 


(元子)だって お腹とかぷにぷにだし


(あかね)そう お腹ぷにぷに え?!!


あかねは家元の遺体にかけよった 元子が言うお腹をさわると


(あかね)やわらかい、、なんで?


あたりは朝になっている つまりは死亡推定時刻から最低でも8時間はたっているだろう

これだけ時間がたって(死後硬直)していないなんてありえない

他の場所も触ったが全てやわらかい だが心音だけは聞こえない いったいどういうことなんだ


(あかね)ナニコレ どういうことなの? 彼は医学的には死んでいるけど

医学的には死んでいない 意味がわからない


あかねは冷静に情報を頭でまとめてみる

異世界もしくはタイムスリップしていること ガマの油の謎の効能

心停止しているが 死後硬直しない謎の肉体 これに似た症例は、、、


(あかね)あ、一つだけある、、、もしや


冷凍保存での(仮死状態)が近い可能性がある

人間で成功した例は無いが ラットでは冷凍して3時間後に元気に動き出したという例がある

つまり完全に心停止した心臓がもう一度動いたのだ

そしてガマの油の効能


          腐敗を止める効果がある


白髪の老人の言ってたことだ これが単に(殺菌)ではなく(時を止める)ような効果だとしたら?

現代ではあり得る事ではないが ここはマトモな世界じゃない

ガマの油が家元を(仮死状態)にした可能性は捨てきれない


(あかね)もしそうだとしたら どうすればいい? 彼の死因は?

死因は出血性ショック死 だけど時が止まってるのだとしたら、、、

まだ(巻き戻せる)かもしれない!!


(あかね)元子腕を出して


(元子)え?どうしたの?


あかねは医療箱から注射器を取り出した そして元子の腕に刺した


(あかね)ちょっと痛いけど我慢して よしこれで200ね


あかねは元子から200CCを取り出し 家元の心臓近くの静脈に刺す


(あかね)少しでも心臓近くに血液を入れて 想定が正しければ、、、


そして心臓マッサージを始める


(あかね)もとちゃん 戻ってお願い


だが家元はぴくりとも動かない


(あかね)イヤ 絶対にあきらめない 想定外が起きてるんだ なら想定外だって起きたって

いいはずでしょ!!


元子からこれ以上血液をとるのは危険だ 注射器をもう一本取り出し今度は自分の腕に刺す


(あかね)私の血液型はO 少なくとも凝固はしないはず


1回、2回、3回と自分から血液をとっては家元に差し込む

600CCを分け与えて あかねは気が飛びそうになった


(あかね)まだだ 気を失うなら救ってからだ!!

起きろ バカ元!!!


あかねは一心不乱に心臓マッサージをつづける すると


              どくん!


家元の心臓が鼓動を打った

すかさず首に手をあて脈をとる


        どっくどっくどっくどっく


鼓動が戻っている 


(あかね)や、やった やったああ、、、、、


          

                バタン



あかねはそのまま気を失ってしまった


第六話に続く

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