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第45話 日向のデート2

 バスの中で日向と唯は並んで座っているが唯がグイグイ押してくる。

 「唯さん、二人だけなんだから、そんなに詰めなくてもいいと思うよ。」「デートなのですから体をくっつけているのです。」

 「恥ずかしいよ。」「二人だけなんですよ。恥ずかしくありません。」

唯は日向を押し倒すような勢いである。日向は女の子とデートすることは楽しそうだが、これは違うと感じる。

 バスが揺れると唯は「キャー」といいながら日向に抱き着こうとする。日向は唯の肩を抑えて言う。

 「しっかり支えるから大丈夫だよ。」

唯は日向に分からないように「ちっ」と舌打ちする。そして、運転手に目配せする。運転手は左手を横に突き出して親指を立てる。

 再びバスが大きく揺れる。唯は今度こそはと日向に抱き着きに行く。日向の反応は早かった。唯より早く肩を抑える。

 今度はバスの運転手が「ちっ」と舌打ちする。運転手は大きく蛇行しながら走り始める。唯が転げそうになるが日向が捕まえて支える。

 「運転手さん、何しているのですか。」「せっかく二人になっているのだから、さっさと抱き合いやがれ。」

 「何、言っているのです。ちゃんと運転してください。」「抱き合ったら真直ぐ走ってやるよ。」

日向はどうすべきか考える。唯が日向の耳元でささやく。

 「こうなったら、抱き合うしかありませんわ。」「分かった。仕方ないな。」

日向は緊張する。唯が日向の胸に飛び込む。唯は運転手に向かって親指を立てる。運転手も親指を立てる。唯はがっしりと日向に抱き着く。

 「日向さん、私、幸せです。」「そ、そうかい。」

日向は緊張で硬直している。唯はうっとりして幸せな時間を過ごす。水族館に到着すると唯は強制的に腕組みをして歩き始める。

 「僕たち、腕組みは早くないかな。せめて手をつなごうよ。」「何を言っているのです。もう抱き合った仲ではありませんか。」

 「あれは、運転手に脅されて・・・」「抱き合ったのは間違いありませんわ。」

日向たちは、いろいろな川の魚を見ながら過ごす。この水族館は淡水魚を展示していた。

 日向は怪人の相手をしていた方が楽だと思う。すると向かう方から人が逃げてくる。

 「唯さん、様子が変だ。離れてください。僕が見てきます。」「怖いですわ。置いていかないでください。」

 「唯さんは出口の方へ逃げてください。」「鯛が歩いてきます。」「へっ。」

日向が振り返ると足と腕が生えた巨大な鯛が3匹歩いて来る。

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