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第36話 天使襲来1

 それは人に見えた。しかし、背中に大きな翼を広げて宙を舞っている。それがあるビルを指さす。するとビルが崩れて瓦礫と化す。

 人々は茫然とそれを見ている。まるで審判を待つように、それは天使に見えたのだ。


 報道のヘリが何機もそれを見守るように一定の距離を保って飛んでいる。その中の1機、フジミテレビのヘリの中ではオサワギレポーターが猛り狂っている。

 「なんでもっと近づかないの。それ、行かんかー」「さっき、ビルの崩壊を見たでしょ。あんな風にはなりたくありません。」

 「それでもフジミテレビの社員かー、突っ込めー」「いやです。」

パイロットは必死に拒絶する。もう、この人いやだよ。いつも突っ込むことしか知らないとんでもレポーターだよ。

 「おい、今、私のことをバカにしただろ。」「してません。思っても言いませんよ。」

 「こいつ、言うことを聞け。いっそのこと操縦させろ。」「そんなことしたら引き返しますよ。」

 「この軟弱者め。」「もうこの人いやだー」

オサワギレポーターにスタジオから呼びかけがある。

 「現場のオサワギさん、どうでしょう。その天使のような人物とはコンタクトはとれるでしょうか。」「私は試みたいのですが、パイロットが危険だというので距離をとって見守っている状態です。」

 「動きはありますか。」「ビルを崩壊させてからは沈黙しています。」

 「動きがあったら報告を願います。現在、東京の空を天使のような人物が飛んでいます。まだ、何ものかわかっていません。情報が入ったら番組の中で報告していきます。」

源次郎がテレビを見ながらつぶやく。

 「東京は大変じゃのう。あれはどう見ても男じゃな。つまらん。」「女だったらどうするのですか。」

フローラが源次郎を睨むように言う。浮気は許さないと主張しているようだ。

 「師匠、ウォーキングに行きましょう。」

自主トレを終えて帰って来た日向が源次郎を誘う。

 「もうそんな時間か。出掛けるかの。」「私も行きますわ。」

三人は日課のウォーキングに出る。東京で何が起こっていても、この村は平常運転である。

 静岡の超人協会本部では、ハバカル会長以下役員たちが集まり始めている。緊急会議の議題はもちろん東京に現れた天使のような人物に対しての対応である。

 ハバカル会長は、結論は情報が集まってからでいいと考えている


 それは、彼らをあざ笑うかのように次の一手を繰り出す。指で街をなぞるように横へ振る。すると高層ビルがいくつも刃物で切られたように斜めにずれ上部が崩落する。

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