第34話 唯とイナゴ怪人
村の近くの峠でイナゴ怪人が10人集まって会議をしている。
「我々はついに10人になった。つまり最強になったのだ。」「バイクが3台しかないぞ。」
「買うか。」「今、カブは人気で中古でも高価だぞ。」
「ベンリーはどうだ。」「いや、ディオだろ。」
「どちらにしろ金が要るな。」「働くか。」
イナゴ怪人の会議は世知辛いものになる。その時、若い女性の声が響く。
「イナゴ怪人とあろうものが何をやっている。虫のように数だけ湧き出しておいて。」「秘密の会議に割り込むとは、誰だ。」
「川井唯、17歳。」「確かにかわゆいなー」「ボケるな。」「それより捕まえろ。」
「バイクの台数が足りないのだろう。」「なぜそれを知っている。」「俺たち大声で話していたなー」
「解決方法を教えてやる。」「本当か、ならば参謀になってくれ。」
「街へ行ってバイクを盗むのだ。」「なにー、盗まれた人が困るだろー」「なんて恐ろしい考えだ。」
「お前たち悪の怪人だろ。それくらいやれよ。」「悪の怪人でも心が痛むよ。」
「情けない。これでは最強にはなれないぞ。」「そうだ我々は最強だ。バイクを盗むぞー」「おー」
イナゴ怪人たちは街に出てバイクを7台盗み出す。彼らは律儀に置手紙を置いていった。
「唯様、準備が整いました。ご指示をお願いします。」「私を人質にしなさい。」
「それでは唯様が危険です。」「勝つためです。村人の私が捕われていては、赤い雷光は動けません。」
「御曹司はいかがしましょう。」「御曹司はケガをさせないように気をつけて捕らえるのです。」
「はっ。」「では行くぞ。」
10人のイナゴ怪人は唯を連れて、10台のバイクで峠道を下って村へ向かう。村の警鐘が打ち鳴らされる。
「イナゴ怪人が来たぞーーーーー」「源さんを呼んでくれーーーーー」
漆黒の魔女ことフローラに膝枕してもらっている源次郎が言う。
「何やら騒がしいのう。」「警鐘が鳴っていますよ。行かなくていいのですか。」
日向はフローラが来てからすっかり緩んでいる源次郎に言う。すると家の引き戸が開かれ、村人が飛び込んでくる。
「イナゴ怪人だ。源さん頼む。」「よし来た。任せなさい。」
源次郎は立ち上がるとフローラに言う。
「危ないから待っていなさい。」「私は空間魔法の使い手ですよ。足手まといにはなりませんわ。」
源次郎、日向、フローラの三人は村人の案内でイナゴ怪人に立ち向かっていく。




